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テンバガー候補?銘柄分析【4435】カオナビ

記事投稿日の株価終値

2595円

2030年までの予想株価推移

ロジックは後述します。

2030年までに株価が約2倍になる予想

会社概要

社内の人材をマネジメントするシステム(タレントマネジメントシステム)を開発、販売する会社。
具体的には、下記のような機能に大別される。
・人材情報の一元管理
・人事業務、評価運用の効率化
・ハイパフォーマー、採用ミスマッチの分析
・人材配置シミュレーション
・スキル管理、人材育成
・各種サーベイ、モチベーション分析、エンゲージメント向上

旧来の運用で使用していた他システム、エクセル、紙の情報を取り込み、一元化することにより、顧客は大幅な効率向上のメリットを享受できる。

特徴、強み

・カスタマイズが可能な高い柔軟性
・直感的に使いやすい高いユーザビリティ
・シンプルで見やすいUI
などを差別化のポイントとして挙げている。
顧客からも同等の評価を受けているようである。

以下は全て、IR資料など同社の資料の引用。

様々な条件で人材の検索をかけられる
チームビルディングのためのツール
分析可視化機能
社員調査の機能

競合

HR系SaaSの市場は急速に成長しているため、タレントマネジメントシステムは激戦区である。競合は、下記のような企業が存在する。

社名(サービス名)
・プラスアルファ・コンサルティング(タレントパレット)
・HRBrain(同)
・ビズリーチ(HARMOS)
・サイダス(CYDAS PEOPLE)
・スマカン(同)
・あしたのチーム(あしたのクラウド)

カオナビは、利用企業数で業界シェア1位である。

IR資料より

売上の成長

23.3期の売上成長は30%予想、黒字予定である。
直近5年で見ても、売上高はCAGR37%の高成長を維持している。

https://www.buffett-code.com/company/4435/

タレントマネジメントシステムの市場は2000億円のTAMがあると同社は主張しており、提供社数でシェアNo.1の同社の売上が年間60億円程度であることを考えると、競合は多いが今後数年は安定的に20%程度の売上成長を期待できると考える。論点は、現在の株価を正当化する利益を出せるかどうか、であるのではないか。

利益率

まず現在、粗利率は70~75%程度であるが、粗利のほとんどを販管費に使っている状況である。30%の売上成長に比例する形で販管費を増やしており、今のペースが続けば一向に利益が出ないことになってしまう。
販管費の構成は、業務委託費、販促、採用、などの「その他」が全体の4割程度を占め、人件費が3-4割程度、マーケティングコストが2-3割程度というのが直近のおおよその比率となっている。

楽観的に考えると、SaaSのサブスクリプションのビジネスモデルであるため、新規顧客獲得の営業の人件費やマーケティングにかけるコストを圧縮すれば、成長が鈍化する分、利益を出すことができると考えられる。また、マニュアルの充実化、顧客の契約長期化による成熟などにより、カスタマーサクセスにかける人件費もコストも圧縮することができれば、さらに大きな利益が出ると考えられる。

会社の中計をみると、上述のようにコストの圧縮を考えているようである。
2年後には今の6倍の営業利益率の30%(!)となる計画を出している。

IR資料より

上記の計画では、23.3期から25.3期までに売上が10/5.9=1.69倍になる計画であり、2年連続で今年と同程度の30%成長を維持しながら、利益率を大きく向上すると主張している。この計画は、現在の進捗を見ると現実的には思えない。

割安性

そのため、仮に売上の成長率が来年から鈍化してYoY20%となり、かつ25.3期の利益率が計画の半分の15%しか出なかったと仮定する。これまでのマーケティングの取組の成果の刈り取りや、解約率0.5%という顧客からの高評価を鑑みると、口コミ等による顧客拡大もあいまって20%の成長を達成しつつ利益率を15%まで高めることは妥当な期待であると考える。
(この割り引いた目標を達成できなかったら、もはや中計の意味、、)

25.3期の予想売上:5.96*1.2*1.2=8.58(十億円)
予想利益率:15%

今度はここを起点に、さらに5年後、2030年の業績を予想してみる。
2年後に同社の成長が急に0になるとは考えづらく、その後5年間も平均10%程度で成長することは容易に期待できるのではないか?また、10%程度の成長を維持できるように営業、マーケティングコストの割合を2年後時点より小さくしていくことを考えると、利益率の水準が20%まで上昇してもおかしくはない。
(復習:粗利率は75%)

では、2+5=7年後の売上、利益率を下記のように予想する。
30.3期の予想売上:8.58*1.1^5=13.82
予想利益率:20%
'23/2/27時点の時価総額:30.1(十億円)

現在の株価と未来の利益で計算するPERは、
30.1/(13.82/0.2)=10.89

その後もじわじわと成長が続くと仮定して、7年後の理論PERを20とすると、株価は7年間で2倍、おおよそ年10%の上昇が期待できるのではないか?
直近数年で中計に近いような成績を出してきた場合、上記以上の上昇が期待できるのではないか?

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