ココカラビヨリ vol.4


「 幸せの定義 」

彼女にとっての幸せを、
彩りと温もりはそのままで手渡したい。

profile.
草留 早紀子(くさどめ さきこ)
鹿児島純心女子大学大学院
人間科学研究科 心理臨床学専攻1年。
外国語、教育、心理などの多分野に興味を持ち、多様な経験をしてきた。誰かの”やりたい”を実現するお手伝いが大好き。ココカラカイギでは、全体管理を担当。

以下、
聞き手:み(みさと)
話し手:さ(さきこ)
とする。

み:よろしくどうぞ。
さ:よろしくどうぞ。

み:まず始めに、ココカラカイギの運営に関わると決めた理由ってなんだろう。

さ:必要とされるかどうか。これはわたしが物事を決める上で大事にしていること。
就活だったり、将来を決める上でも大事な基準で。
ココカラカイギも、わたしを必要としてくれたから加わったんだ。

み:なるほど。ココカラカイギ、いよいよ当日も迫ってきたね。

さ:寂しさはあるよね、もうすぐ終わってしまうなあって。わたし自身、運営メンバーに救われることが日常で多いから、その支えが無くなるのはちょっとだけ怖い。
でも、ココカラカイギのおかげでわたしは成長させてもらってるなあとも思う。

み:それはどんな成長かしら。

さ:いちばん大きいのは、ひとに“頼ること”を覚えたこと。
今までは、“頼ること”=“押し付けること”みたいに、マイナスイメージを持っていたのね。

でも、運営メンバーは頼られるのが好きって子たちばかりで。
頼ってみると、「信頼してもらえた」「任せてもらえた」ってポジティブに受け取ってもらえて。
そして、頼る代わりにわたしの出来るものを交換条件みたいに差し出せる

“頼ること”って、win-winの関係で居られるし、効率も上がるし、自分の心も軽くなるなあってメリットを知ったよ。

み:頼り頼られ。持ちつ持たれつ。そんなわたしたちだものね。さっこの差し出せるもの、役割って何かな。

さ:役割で言うと、メンバーのメンタルケアだったり、上から(俯瞰して)見るという役割だったり。
今までやったことないポジションであり、一方で自分が成長したいというポジションでもある。

やり始めた当時は、ちゃんと役割果たせてるかなって心配だったし、(一方で大学院も忙しいので)葛藤はあった。
でも、そういう自分も受け入れつつ、じゃあわたしには何が出来るかなって、日々考えたり。

み:自分が出来る関わり方を探せるようになった、きっかけってある?

さ:メンバーのひとりから
「 さっこは、居てくれるだけでいいよ。」
そう言われて、だいぶ心が軽くなっちゃって。

「 とりあえず、居るだけ居てみよう。」って。

メンタルケアも、最初はどうしたどうしたってこまめにみんなに聞いて回っていたけれど、相手からの発信を待つ、ということもしてみたり。

み:頼ってみる。待ってみる。
そんな小さな挑戦から感じたものはある?

さ:余白があるって、人生をこんなにも豊かにするんだなあ。って。

例えば、空を見て綺麗だなあ。最近風が冷たいなあ。緑が増えてきたなあ。とか。
いつも何かに追われていると、携帯の画面しか見れてなかったり、頭の中がいっぱいいっぱいだったり。

とりあえず横に置く。なんとかなるだろうと、心の余白を作るというのも、意外と大事だなあと感じたよ。

でも、これはわたしがわたし自身で体得したもの。
みんなに伝えることは出来るけど、実際にみんな自身で気づいて欲しいのもある。
だから今は見守って、その時が来たら手を差し伸べられる人間になりたいな。

み:さっこが感じたからこそ言えること。他にも聞きたいな。

さ:“幸せ”ということに関して話そうかな。
わたし、卒論は『幸せの定義』について書いたのね。
アメリカ文学のO・ヘンリーについて学んだんだけど、彼、めちゃくちゃいいこと書くのにめちゃくちゃ悲惨な人生歩んでいて。なんでそんなひとが“幸せ”について書けるのかなってくらいに。

そんな彼の幸せに触れたりを踏まえた上でわたしの“幸せ”の定義を言うと、自分の手の中にあるものを如何に大切だと思えるかによって、自分の幸せって変わってくるなあって。

例えばO・ヘンリーの話をすると、言ってしまえば彼は相当悲惨な人生を歩んでいる(ように思える)。奥さんも母親も亡くして、自身も刑務所の中。
でも、彼が持っていものはあった。
刑務所内での本を読む時間。人間観察をする時間。母親はいないけれど、勉強をする環境はある。

無いものを求めるのでなく、今自分にあるものを大切だ、価値あるものだと思うこと。それが本当の幸せなのかもしれないなって。

無いものばかりに目がいって、自分のココロとカラダが離れていった経験が自身にあるからこそ そう感じるし、みんなに知ってもらいたい。

自分がまずそう(幸せ)で在れたら、自分の周りはちゃんと豊かだから。

み:さっこの見つけた“幸せ”のカタチ。そこに辿り着くまでの苦しい時間も、わたしも一緒に深く深く肯定したい。ありがとうございました。

さ:ありがとうございました。



以下、あとがき。

みんなからの愛称は“お母さん”。
その所以を探る。

さ:“どんなひとでも受け入れられる人間で在りたい”というわたしの想いを言葉にしたとき、言われてしっくりきたの。

「 きっとそこだよ。なんでも大きく受け止めてくれるから、お母さんみたい。 」 って。


つまりは彼女の目指す姿は“お母さん”。

いつも美味しいごはんとたっぷりの優しさをありがとう。と、子ども心に舞い戻って感謝したお話。

writer みさと



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