ココカラビヨリ vol.3

「 もっと、もっと、 」

深く深くに根を張る彼女の
種を探す旅に出よう。


profile.
寺田 麗々蘭(てらだ りりか)
鹿児島大学法文学部経済情報学科4年。
屋久島出身。学内外を問わず、社会人と学生をつなぐ活動や災害ボランティア、防災活動などに取り組む。ココカラカイギでは事務局として経理や議事録整理を担当。

以下、
聞き手:み(みさと)
話し手:り(りりか)
とする。

み:よろしくお願いします~。

り:お願いします。

み:まず始めに、普段どんなことをしてるのか聞きたいな。

り:最近はココカラカイギと卒論かなあ。せっかくなら地元に帰って役立つ勉強をしたいなあと思って、まちづくりに関する卒論を書いてます。

み:地元で働くという選択は変わらないのに、生まれ育った屋久島からわざわざ鹿児島大学に上がってきた(島から本島に来ることを、“上がってくる”というみたい)経緯は?

り:ずっと進学する気なんてなくって。高校を卒業して、すぐに地元の役場に就職しようと思っていました。

「 ここだけで通用する人間にはなるな。一度島を出て、色んなことを勉強して、吸収して、発見して、持って帰って来て欲しい。 」
きっかけは、そんな言葉を地元の方にかけてもらったこと。なるほどなあ、と。元々高卒に対して違和感があったのもあって、(大学進学を)決めました。

み:そんなりりちゃん。ココカラカイギに参加したきっかけは?

り:「 色んな関わり方があっていいと思う。 」
6月の公務員試験、9月の本命を控えながらも、それならばと決起会に行ったら、みんな本気で。
いつの間にか、わたしも気付いたらこれだけ沢山関わっていて。騙されました(笑)

み:きっかけはともあれ(笑)今や沢山のエネルギーを注いでくれている訳だけど、りりちゃんが思う“自分らしい関わり方”を教えてもらえるかな。

り:みんなが動きやすい、やりやすい“空気”みたいになりたいなあって。
みんなを広く見てくれるひとはいるから、わたしは細かいところを見たい。なるだけみんなと会って、話して、日常レベルでみんなの想っていること、抱えているものを全部知っておけるわたしでいたいなあと、密かに思っています。

み:それに加えて、空雅くん(代表)の右腕のような役回りでもあるよね。

り:わたしは元々、人の上に立ちたい人間。だから大学のゼミでもリーダーに立候補したりして。
でも、わたしがリーダーをすると全部やっちゃう。ひとに任せきれないところがあるんです。

み:うんうん。リーダーをしてみたからこそ気付いたんだね。

り:もしかしたら、わたしはもうひとつ下の立場でいることが心地いいのかなとも思ったりして。
上の想いを聞いて、下の想いも聞く調整役。

空雅さん(代表)は、先にぴゅんっと行っちゃう時があるから、「 ちょっと待て待て 」と引っ張ってます。

一方で、自分がやりたいと思った時に上に立てるように、いつも上を見ながら勉強させてもらってて。
いいとこどり。こっそりみんなのいいところを吸い取ってます。

み:欲張りだなあ。

り:貪欲なんです。「もっと、もっと。」って。

これわたしじゃ無理だなあっていうものを押し付けられても、やったるぞって。

み:その貪欲さはどこから湧くんだろう。

り:わたしの中に根っことしてある“色んなことを吸収して(島に)帰りたい”の想いが、成長意欲だったりモチベーションになっているのかも。

それに加えて4年で帰るというリミットもある。だから貪欲に、自分に必要だと思ったら吸収する。

み:どこを切り取っても屋久島に繋がるんだね。それを踏まえた上で、最後にりりちゃんの“ココカラ”を知りたいな。

り:屋久島を次のステージに上げたい。そんな壮大な野望を持っています。

「 一緒にやろう。帰ってくる前に温めておくから。 」そう言ってくれる心強い存在もいて。

「 屋久島のどこが好きなの? 」
度々いろんなひとに聞かれます。

島の空気、時間の流れ。
同じ島でも、色んな暮らしをしているひとがいる。
この多様さは、島を出て気付いたこと。

何より、昔からわたしの周りにはわくわくしている大人が多くって。
そんな背中を見てきたからこそ、みんなに見て欲しいなあと思うし、ゆくゆくは自分もそんな背中を見せたいなあとも思う。

み:「 もっと、もっと、」の奥には屋久島への愛が、そのまた奥にはかっこいい大人の背中が在る。
深く深くに根ざすそれはじっと動かず、これから屋久杉のように高く太くのびのびと大きくなるりりちゃんが楽しみです。ありがとうございました。

り:ありがとうございました。



以下、あとがき。

優秀が過ぎる、右腕りりちゃん。
代表の空雅くんについて聞いてみた。

み:空雅くんって、どんな代表?

り:代表がやりたいと思うことをしっかり伝えて、みんなで一緒に動く。わたしはその形がチームの理想だなあと思っていて。

空雅さんは、伝えることは下手くそなのに、でもちゃんと伝わってる。前に前に進める力も含めて、純粋にすごいなって。見習おうって。内緒だけど。


最後の一言は、聞かなかった“ふり”をするから
そんなわたしを見なかった“ふり”をして欲しい。

優しくてくすぐったい、ここだけのお話。

writer みさと



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