【復活に導く】アナスタシア・シャンパンシトリンライトニング
かくも美しく、力強い石が存在したものである。
人は、大病を患ったり、人生の大きな落とし穴に落ちた時、力を失う。
一時的ではあるが、気力、体力、知力の全てを失ってしまう。
しかし人間というものに潜在する力は、貴方が思うほど弱くはない。
もしも弱いと感じるのなら、それは力の源を感じられないからである。
全ての人は、生きる理由を持っている。
誰かのため、あるいは何かのため、自分の存在意義を持っているはずだ。
しかしそれを感じられない人間は、極端に弱い。
存在意義というのは、自らが打ち立てた、人生の目標とは訳が違う。
貴方が存在することで成り立っている、世界そのものを指す。
生物はみな、地上の柱である。
確かに、一本くらい無くなったとしても、崩れるわけではないし、
時には不必要と思われる場所に立っていることもあるだろう。
だが時が来て折れるまでは、全てその場所に必要な一本なのだ。
ゆえにあなた方は、命ある限り世界の柱となって、今いるべき場所に立ち続けねばならない。
しかし立っているためには、どうしてもエネルギーが必要だ。
だからこそ、人は食べ、飲み、眠り、愛し愛され、働くのである。
その渦中、たとえ内外に折れそうなほどのダメージを受けたとしても、周囲の柱が近寄って貴方を助け、祈り、支えてくれる。
だからこそまた、立ち上がることができるのだ。
精神や肉体に大きなダメージを受けた時、それを素直に感じることができるのは、非常に幸運なことである。
大きな”力の源泉”を持っている証とも言える。
さしずめそれは、地獄の底で幽かな神の声を聴き、僅かに見える針の先ほどの光に向かい、這いずり出すに等しい力である。
それを人は、”復活”と呼ぶ。
どんな闇の中でも、心を鎮め、じっと耳をすまし、目を凝らせば、あなたを励ます声や、あなたを取り巻く多くの柱が見えてくる。
たとえそれが聞こえず見えずとも、その堪え難い恐怖の先には、どこからか必ずあなたを導く声が聞こえ、光が見えると信じよ。
闇が深ければ深いほど、それらはより鮮明になるはずだからだ。
この石は、あなたの復活を助ける。
あなたが今後、どれほど傷付き、力尽きて倒れようとも、この石が一筋の光明となり、あなたを導くだろう。
Yumiko Ino
アナスタシアは、ローマに実在した聖女の名であり、最も有名な殉教者。
マリアを除く7聖人に名を連ねる一人です。またロシア最後の皇女の名でも有名ですね。その名には、”鎖を解く者”という意味があり、もう一つの意味は、復活=アナスタシス(ギリシャ語)。
ローマ(シルニウム)のアナスタシアは、宗教的な迫害にあい、二度にわたる極刑を奇蹟によって免れたと言われています。最期はジャンヌ ダルク同様、柱に括られ火刑に処された殉教者。そして一方、最後のロシア皇帝、ロマノフ家の末娘アナスタシアは、17歳で家族もろとも銃殺刑に。若くしてそんな悲劇的な最期を迎えたアナスタシアですが、その名のせいなのか、本当は死んでいなかったという生存説があちらこちらで浮上し、自分を皇女アナスタシアだと名乗る女性も出たりして、その”復活”の謎は深まるばかり。(当時は証明する技術も無かったですしね)そんな数奇な運命を題材に、イングリット バーグマン主演の映画やディズニーアニメにもなったほど。ですから、よくは知らなくとも”アナスタシア”の名を耳にしたことのある方は多いのではないでしょうか。
重い鎖を解き放ち、復活を遂げさせる者。このドラマティックな名に恥じない、なんとも頼もしいシトリンです。ライトニング自体、昨今とても希少品となっており、その強い癒しと治癒効果から、専門職の方に人気のある水晶ですが、形状が整った、透明感のある美しいもの、そして雷によって出来た傷が明確に刻まれたものは特に少なく、手に入りにくくなっているのが現状です。それがシトリンライトニングともなれば、その希少性がさらに高まることは、容易にお分かり頂けるでしょう。確かにこの石ならば、どんなに暗い地の底さえも照らすであろう、そんな内側から滲み出るような輝きを放っています。誰でも一度は、何かに囚われ、身動きできなくなってしまう時があります。どうしても存在意義を見出せず、死んでしまいたいと思うことも。でも人は、何度でも必ずまた復活できる。そんな勇気をくれる、素敵な石です。