電気自動車

電気自動車(EV)の開発メーカーが世界で乱立している。なぜそのような現象が起きているのかを考えると面白い事がわかる。自動車を構成する各部品は部品メーカーから購入できるので特別な技術が無くとも車の形を作ることが出来てしまう。実際、最近は日本の自動車メーカーも部品メーカーが持ち寄った部品を組み合わせている事が多い。新規参入したEVメーカーがそれを見て、一番難しいエンジン系統が無くてもバッテリーとモーターの組み合わせで自動車が作れると思うのも無理はない。実際、作って販売できている。ところが、そこに自動車ならではの落とし穴がある。自動車には高速で複雑な路面であっても故障をせずに走り続ける事が要求される代物。外気温の変化でも一定の平均した能力を保たねばならない。既存の自動車メーカーが徹底的に積み上げてきた技術を新規参入メーカーは保持していない。その結果、中国などで新規参入したメーカーの自動車が数年で使い物にならない現象が起きている。日本の自動車メーカーの技術者に言わせると20年以上走らせることを前提にEVを作っているそうだ、それを達成するには非常に厳しい現実があり簡単には参入ができない技術的な壁があるのだという。新規参入メーカーは使用している電池の耐久性をどのように考えているのだろうか。想像だが恐らく彼らはさほど考慮をしていない。でこぼこ道で振動が継続するような場所で衝撃を受けたEVが大量に走っている状況は恐ろしい。スマホのバッテリーの発火でもかなりの被害が出る。自動車にはその数百倍の電池を搭載している。走らなくなったEVを廃棄した場合どのような方法で処理をするのか興味がそそられる。

2020年代は日本でも各メーカーがEV小型自動車を発売する事になるだろうが、実は日本では既に多くの超小型車EVが大量に走っている。ヤクルト・コンビニ等で配達に利用しているEV、老人のシニアカーなど生活に密着した使われ方をしている。実はその程度で良いのではないかと私個人は思っている。電気は便利だけど厄介な代物。電気の供給が得られなくなったら動かなくなる。災害の多い日本には向いていない。非日常ツールとしては面白いけどね。

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