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「天よりの宝札」のカルテ(クソカード医学会用資料25)

まえがき

 「天よりの宝札」は原作でマリクや遊戯が使用した最強のドローカードで、なんと「お互いに手札が6枚になるようにカードをドローする」という「強欲な壺」も裸足で逃げ出すような超パワーカードでした。(※ただし、原作では1ターンにに1枚ずつしか魔法、罠を発動・セットできず、手札誘発などもなかったのでバランスブレイカーというほどでもない)
 このままOCG化すれば制限はおろか即禁止は明らか。当然調整が加えられたのですが……。この手のカードが調整でめちゃくちゃ弱くなるのはお約束ですよね。
 今回はそんな「天よりの宝札」を軸にデッキを組んでみたいと思います。

「天よりの宝札」のカルテFile2(クソカード医学会用資料36)

天よりの宝札について

 患者の性能は以下の通り。(出典:遊戯王デュエルモンスターズデータベース)

 もはや別物なんですが。
 もちろん原作そのままの効果では無理でしょう。引ける枚数を半分にしても厳しい。2枚はまあ妥当。そこはワカル。
 相手にドローさせなくなっているのも一応メリットと言えるでしょう。一応。
 問題は誰が見ても一目瞭然、
コストが重すぎる
 
という点です。
 自分の手札・フィールドのカードを全て除外。全て。この2枚のドローに全てを賭けることになるわけです。
 除外するので「紅蓮魔獣 ダ・イーザ」などと相性がいいような気もしますが、そのドローでダ・イーザを引けるとは限りませんし、そもそも手札やフィールドのカードをそのままに10枚除外できる「強欲で貪欲な壺」などもあるので、そういった用途でも微妙です。
 最強のドローカードがとんだじゃじゃ馬になってしまいやがった。

 ……とまあ、めちゃくちゃ扱いづらいかのように書きましたが(実際普通のデッキであれば扱いづらいんですが)、長い時を経て相性のいいカードはかなり増えています。
 初期のカードであったため、このコストでの除外は裏側除外でなく表側のまま除外。つまり除外時に発動する効果を使用することができるためです。
 除外時に発動する効果を軸とするテーマといえば、
 「異次元の偵察機」や「ジャイアント・レックス」を扱う【マクロコスモス】デッキ。
 除外から除去やドローにつながる【不知火】デッキ。
 除外からサーチを行える【サンダードラゴン】デッキ。
 除外から展開につなげる【メタファイズ】デッキ。
 などなど、候補はいくつも上がってきます。
 この中で永続魔法・罠を軸とする【マクロコスモス】や【メタファイズ】は若干持て余すでしょうが、【不知火】や【サンダードラゴン】は相性良さげです。
 特に【不知火】はソロモードとストラクチャーデッキの購入で必要なカードがすぐに揃うので構築もしやすいです。
 私はこの【不知火】メインでデッキを構築してみました。

天宝不知火

 アンデット族と言えば除外が天敵のようなイメージがありますが、むしろ除外と相性のいいカードが多かったりします。
 まずは軸となる不知火。

 それぞれ除去、手札交換、特殊召喚の効果を持ちます。単純に扱いやすく、使い所もおおいです。
 次に除外により自身を特殊召喚できるモンスター。

 「アルグールマゼラ」はアンデットモンスターを破壊から守れる上に、自身を特殊召喚可能。とりあえず墓地に送っておき相手の攻撃や除去に合わせて特殊召喚して壁にしたり、自分で除外して特殊召喚し素材にするなど活躍は多岐にわたります。(※ちなみにフィールドからの除外の場合は特殊召喚できない)
 レベル8モンスターを並べやすいデッキなので、ランク8素材としての需要もあります。

 次いで展開の主軸となるのが「霊道士チャンシー」。どこから除外されても特殊召喚できる上、その際に墓地のモンスターを除外可能。さらにデッキからの墓地送り効果もあります。
 この特殊召喚の際に上記の不知火や「アルグールマゼラ」を除外するのもいいですし、「シノビネクロ」を除外してレベル8シンクロに即座に繋げるのもあり。
 また「アンデット・リボーン」で蘇生すればデッキからもう1枚のチャンシーを除外⇒特殊召喚でき、ランク6に繋げることも可能です。

 繰り返し蘇生を繰り返し強力なモンスターを並べるアンデットデッキですが、墓地肥やしなどの下準備が必要な分、初動が遅くなりがちです。
 その点、「天よりの宝札」はコストで除外するため無効にされず、そこから連鎖的に展開を行えるため初動の上振れ札として確かな(とは言わないまでも選択肢の1つ足り得る)役割が持てます。
 他にも、手札からの除外で相手のフィールド上のメタをすり抜けられる、「超魔神イド」や「夢幻崩界イヴリース」などを送りつけられても後攻から除外してしまえる等も利点です。

 これが「天よりの宝札」を要に除外を最大限活かす亜種アンデットデッキ【天宝不知火】です。

相性のいいカード

 「天よりの宝札」から除外を起点とする動きと、通常のアンデットデッキよろしく墓地を起点とする動きの両方を視野にカードを選びたいです。

・「ユニゾンビ」
 アンデット族デッキの必須カード。「不知火の隠者」でリクルートできる。「牛頭鬼」や「霊道士チャンシー」も墓地送り効果を持つ上、アンデット以外攻撃できなくなる欠点もあり、採用数は少なくてもいい。

・「牛頭鬼」
 通常のアンデットデッキだと「ユニゾンビ」や「馬頭鬼」の影に隠れがちなものの、このデッキでは墓地除外からの手札のモンスターの特殊召喚が非常に有用。デッキの中核を担える。

・「死霊王 ドーハスーラ」
 ご存知、除外効果持ちのレベル8アンデットモンスター。先行で立てられる妨害が少ないデッキなので、「アンデットワールド」と合わせてとりあえず出しておきたい。

・「封印の黄金櫃」
 なんでもデッキから除外できる。超便利。

・「不知火流 燕の太刀」
 相手のカードの破壊、アンデットの墓地送り、デッキからの除外と1枚で3得な罠カード。初動でつまずいてもこいつがあればなんとかなったりする反面、罠なので遅い。

・「交血鬼ーヴァンパイア・シェリダン」
 ランク6。チャンシーや「刀神ー不知火」や「ヴァンパイア・ファシネイター」で奪った相手モンスターから。エクストラデッキの枠はシンクロやランク8に割きたいので、ランク6はこのカードのみ。

・「真血公ヴァンパイア」
 ランク8。墓地肥やしと特殊召喚効果あり。シェリダンから繋げる用。

・「巨骸竜フェルグラント」
・「戦神ー不知火」
 レベル8シンクロ。除去要員と打点要員。主力として積極的にシンクロしていきたい。

・「No.23 冥界の霊騎士ランスロット」
 他のデッキだとランク8の中では優先度低め。でもこのデッキだと特殊召喚や攻撃にアンデット縛りがつく場合があるため癖があるものの入れておきたい。アンデット縛りがつかなくても直接攻撃⇒アーゼウスなどにも。

デッキ構築

 「アルグールマゼラ」が攻防に渡って主軸となるので、積極的に使っていきたい。逆にこいつに墓穴とか打たれると機能停止してしまう。
 医学会用なので手札誘発は積んでいないものの、そもそも「天よりの宝札」で除外してしまうのでランクマ用に調整する場合は難しいところ。他にも、医学会だと相手の治療を邪魔しかねない「アンデットワールド」の採用枚数も変わってくる。

メインデッキ(40枚)
・妖刀ー不知火×2
・シノビネクロ×2
・ユニゾンビ×2
・馬頭鬼×3
・牛頭鬼×3
・屍界のバンシー×2
・不知火の宮司×3
・不知火の隠者×3
・不知火の物部×2
・霊道士チャンシー×2
・死霊王 ドーハスーラ×1
・アルグールマゼラ×3
・ハーピィの羽根帚×1
・手札抹殺×1
天よりの宝札×3
・封印の黄金櫃×1
・アンデットワールド×2
・アンデット・リボーン×2
・不知火流 燕の太刀×2

EXデッキ(15枚)
・刀神ー不知火×1
・戦神ー不知火×2
・炎神ー不知火×1
・巨骸竜フェルグラント×1
・フルール・ド・バロネス×1
・交血鬼ーヴァンパイア・シェリダン×1
・真血公ヴァンパイア×1
・No.23 冥界の霊騎士ランスロット×1
・No.38 希望魁竜タイタニック・ギャラクシー×1
・No.97 龍影神ドラッグラビオン×1
・No.92 偽骸神龍 Heart-eartH Dragon×1
・天霆號アーゼウス×1
・アドヴェンデット・セイヴァー×1
・ヴァンパイア・ファシネイター×1

 使用感としては、除外や永続罠を苦にしないのでルーンやエルドリッチ、エクソシスターには強く出られる反面、地力での勝負には不利というテクニカルな感じ。使ってて楽しいです。ていうかこれ普通のアンデットデッキでは?
 「天よりの宝札」は案外逆転の鍵になることもあったり手札で燻ってたりしますね。どんな局面でも役立つ、とはいかないのが……。

あとがき

 汎用とストラクチャーデッキだけでほぼ組めるので、お財布に優しい治療となりました。抜群に強いわけではないですが、個性あるタイプのデッキで割りと好きです。医学会式重症度は3くらいですかね。
 レジェンドアンソロジーでもデッキの主軸はほぼそのまま使えたので、これで回ってました。なかなかの戦績。

 次回の患者は選定中です。フェスのジェムを何に使うか……。

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