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「タイム・ボマー」のカルテ (クソカード医学会用資料3)

まえがき

 「タイム・ボマー」も原作の王国編でペガサスが使用したモンスターの1体で、「壺魔人」とは同僚になりますね。属性や種族も同じ。
 「壺魔人」がかなりアレな性能なのに対し、こちらはクセがだいぶ強いものの、効果自体は制約の増えた代わりに大規模になった「カタパルト・タートル」といった感じで使いようは割りとあります。
 ただそのクセの強さが問題なので、如何にしてそこをフォローできるかが課題になる、使用者の腕が問われるカードになります。

タイム・ボマーについて

 患者の性能は以下の通り。(出典:遊戯王デュエルモンスターズデータベース)

 まずリバースモンスターなのが厄介。シャドールなど現代にもリバースモンスターはいるにはいるものの、デュエルの高速化が著しい現代環境では除去されやすく、かなりキツイ。
 さらに、この効果は自分スタンバイフェイズに発動する。リバースしてすぐに効果が発動するわけでなく、次の自分スタンバイフェイズまで必要がある。
 つまりどういうことかというと、普通に効果を発動するには以下の流れになる。

自分1ターン目:「タイム・ボマー」を伏せて出す
自分2ターン目:「タイム・ボマー」をリバースする
自分3ターン目:スタンバイフェイズに効果発動

 無理だろ
 デュエルの高速化が著しい現代でなく、鈍重極まりない古代でも無理だろこれは。当然除去耐性もないしステータスも低いし、無事のまま2ターン経過を待つにはこいつがもういらないくらいの制圧盤面を敷く必要が出てくる。
 なので当然、相手エンドフェイズ~自分スタンバイフェイズに裏側特殊召喚&リバースして、即効果を使うのが理想。
 もしくは何かしらの遅延ロックと併用するか。

 問題はここでは終わらない。上記はあくまで「効果を発動するまでの手間」である。
 このカードの効果を有効活用するには、相手ライフを削り切るモンスターを別途並べないといけない。与えるダメージは破壊したモンスターの総攻撃力の半分なので、8000削るには合計16000必要。ブルーアイズを5体並べても足りない。
 もちろんこれはワンキルを狙う場合なので、適当に殴って相手LPを減らしてやればハードルはぐぐっと下がる……ものの、それならそのまま殴ればよくね? という問題がつきまとう。

 要点をまとめると、
①発動が遅く破壊されやすい
②破壊するための高攻撃力のモンスターを並べる必要がある
③一方でその高攻撃力モンスターで勝てるのなら「タイム・ボマー」が不要になる
 となる。
 それぞれの問題の解決は容易だけど、全て満たすとなると厄介極まりない。これが「タイム・ボマー」。

で、私はどうしたかというと、アステカデッキの隠し味として使用することにしました。

アステカデッキについて

 アステカデッキとは、「アステカの石像」などの高守備モンスターを並べ、その反射戦闘ダメージで勝利するデッキ。

 一種の地雷デッキです。いや文字通りの地雷デッキというべきか。
 このデッキは軽率に攻撃してきた相手をワンキルできたりする一方、能動的な勝利手段が限られているので種が割れると相手は壊獣などの対抗手段を引くまで攻撃してこなくなります。
 ここに「タイム・ボマー」を混ぜ込むことで、能動的な勝ち筋を追加できるというわけですね。考えついた時の私は酔ってた。

 上記の問題点も、
①アステカデッキの性質上、裏守備モンスターへの攻撃を相手はためらう。
②相手がアステカを踏めば相応にライフは減ってるので、必要な攻撃力のハードルが下がる。「反転世界」で攻守逆転も可能
③並べるのが壁なので「反転世界」がないとそもそも殴れない
 とある程度噛み合っている気がする

相性のいいカード:タイム・ボマー

 アステカデッキへのスポット参戦なので、「タイム・ボマー」そのものと相性のいいカードは投入すくなめ。

・砂漠の光
 ご存知、自分のモンスターをすべて表側守備表示にする罠。これをエンドフェイズに発動させるのが基本。アステカデッキでも殴った後のギアゴーレムや神スライムを守備にできる。

・天獄の王
 天獄さん。セットされたカード全てを破壊から守る。そもそもアステカデッキと相性いい。

・反転世界
 すべてのモンスターの攻撃力と守備力を入れ替える。こちらもアステカデッキと好相性。「タイム・ボマー」のバーンダメージを増やしたり、ギアゴーレムの火力を上げたり、攻守同じな神スライムや天獄さんでコンバットトリックを狙ったりも可能。

・手をつなぐ魔人
・スクラム・フォース
 本来はアステカデッキとあんまり相性よくない。(地雷にならないので)
 ただし「タイム・ボマー」と「反転世界」を使う場合はとんでもない火力源となる他、ロックコンボも可能。最近は突破手段も多いので油断できないが……。

・ワーム・リンクス
 上記ロックコンボや「砂漠の光」と相性のいいドローソース。単品で使えないのは玉に瑕。

アステカデッキのカード

・アステカの石像
 反射ダメージを倍にする。迂闊に触れば即死する石像。D2シールドなどのコンボを見せてやれば相手はおいそれと攻撃してこなくなる。というかそもそもそこで決めるのが本来の勝ち筋。

・機動砦のギア・ゴーレム
 守備2200に直接攻撃効果も持つ。「反転世界」「砂漠の光」とも合う。

・D2シールド
・仁王立ち
・牙城のガーディアン
 守備を上げてコンバットトリックをねらうカードたち。「結束-UNITY-」も欲しかったけどまさかのUR。

・メタル・リフレクト・スライム
・神・スライム
 壁&アタッカー。まったくこちらから動かないと制圧モンスター出されて蹂躙されるので、こちらからのアクション用に。さらに攻撃・効果の対象を自身に集中させる効果もある。序盤のつなぎや緊急時の盾としてはもちろん、「タイム・ボマー」の準備の時間稼ぎにもなる。

・化石融合-フォッシル・フュージョン-
・古生代化石騎士 スカルキング
・古生代化石マシン スカルコンボイ
 化石モンスター。アステカが岩石族、神スライムが高レベルモンスター、天獄さんは両方を満たす。「タイム・ボマー」でダメージが足りなかった場合に次へ繋げられる他、化石モンスター自体を破壊しても化石融合が手札に戻るので色々シナジーがあったりなかったり。

デッキ構築

 本来の動きはアステカで仕留めるつもりで動き、決めきれなかったら神スライムや化石で牽制。逆に膠着状態になったら「タイム・ボマー」の出番。手札に「天獄の王」、伏せに「砂漠の光」があれば、

相手エンドフェイズに「砂漠の光」発動
⇒「タイム・ボマー」リバース
⇒「天獄の王」特殊召喚
⇒「反転世界」(すでにあるなら「仁王立ち」等)サーチ
⇒自分のスタンバイフェイズに守備上昇からの攻守反転、射出

が可能。手札とフィールドを見て適宜必要な罠をサーチできる天獄さんが強い。天獄さん単体射出で1500、D2シールドで3000、仁王立ちも含めれば6000ダメージ。一発芸の域ではあるものの、アステカの地雷戦術とも噛み合ってる。

 今回医学会で使用したのは、アステカと相性の悪い「金満で謙虚な壺」や「強欲で謙虚な壺」を入れたパターン。アステカデッキなのを相手にそれとなく教え、迂闊にアステカを殴って「タイム・ボマー」出る前に即死するのを防ぐ意図。余計な世話である。
 「タイム・ボマー」で勝つことにこだわった結果、アステカ要素が邪魔になってしまったものの、それなりに上手くはいった印象。

メインデッキ(40枚)
・タイム・ボマー×2 ※本来は1枚
・ワーム・リンクス×2 ※本来は増G
・アステカの石像×3
・牙城のガーディアン×3
・手をつなぐ魔人×3 ※本来は壊獣など
・機動砦のギア・ゴーレム×1 ※本来は2~3枚
・天獄の王×2 ※3枚ほしい……
・強欲で謙虚な壺×3 ※本来は強貪、強金など
・金満で謙虚な壺×3 ※同上
・化石融合-フォッシル・フュージョン-×1
・砂漠の光×3
・反転世界×3
・D2シールド×3
・仁王立ち×3
・メタル・リフレクト・スライム×3
・スクラム・フォース×2 ※本来は指名者や無限泡影など

EXデッキ(15枚)
・古生代化石騎士 スカルキング×1
・古生代化石マシン スカルコンボイ×1
・神・スライム×2
※↑全部3枚ほしい……
・残りの枠は金謙用に汎用リンクなどを。

 アステカデッキ自体がそもそも安定した勝率を求めるタイプではないし、かなり型遅れでもあるのでランクマ勝率は悪め。たまにハマってワンキルするけど「タイム・ボマー」は出て来ない……
 一方でソロモードでは相手の思考が単純なので面白いほど決まるけどやっぱり「タイム・ボマー」は出て来ない……
 あと地味な利点として、デッキを組むのに高レアをほとんど使用しないので、またNRフェスとかが来れば大きな活躍が見込めるかもです。

あとがき

 前回も書きましたが、8/3のあまくだりさん主催・第3回クソカード医学会に参加しようと思ったものの、ルームが満員で入れず、ミラールームのほうで使用しました。「ウォール・シャドウ」デッキと入れ替えながら。勝率はどちらも微妙ですが。
 そしてそこでなんと「タイム・ボマー」デッキのミラーが発生し、2戦1勝1敗。お相手は私とは全く違うティンダングルにボマーを組み込んだ型だったんですが、そのコンボの流れの美しさたるや、素直に感動しました。
 クソカード医学会は得るものが大きいですね。またやりたいです。

 次回はクソカードというよりロマンカードな「ユベル」か「ギャンブル」のデッキを紹介したいです。

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