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「二重の落とし穴」のカルテ(クソカード医学会用資料64)
まえがき
お久しぶりです。忙しくて投稿間隔が空いてしまいました。
そんな間にニコニコ(てか角川)がえらいことになってますね。私も忙しくてまだ拝見できていない報告書動画とかあったんですが……。
ここは我々note報告書勢が代わってクソカード治療を盛り上げていくべきでしょう。求められてなさそうだけど頑張ります。
というわけで、今回はまたデュアル関連のカード「二重の落とし穴(デュアル・ホール)」です。
「二重の落とし穴」は「ユベル」が登場した第5期終盤のパック『PHANTOM DARKNESS』で登場した通常罠カードです。
このパックには「ユベル」を筆頭に、「終末の騎士」「超融合」といったパワーカード、マイナーだった種族を大きく盛り上げた「超古深海王シーラカンス」「ギガプラント」、そしてあの「ウィンドフレーム」といった錚々たるメンツが登場しており、デュエルの歴史を語る上では地味に重要なパックです。
そんな中ひっそりと登場したこの落とし穴の実力は、いったい如何ほどなのでしょうか。
二重の落とし穴について
患者の性能は以下の通り。(マスターデュエルのカード拡大機能が強化された&効果欄が最新テキストになったので、今後はMDからキャプチャします)
![](https://assets.st-note.com/img/1718621146671-tSDFv44PGq.png?width=1200)
再度召喚されたデュアルモンスターが戦闘破壊された場合のみ、相手フィールドのモンスターをすべて破壊できます。
つまり条件付きサンボル……もしくは劣化ミラフォ……。
このカードが(というかデュアルが)登場した当時は、「サイクロン」すら制限の除去カード大デフレ時代だったので、当時の禁止・制限カードの調整版が多く登場していました。これもその1枚で当時環境ではまだ使い所がギリギリであったと言えます。ギリギリ。
しかし、現代ではミラフォは無制限、サンボルも準制限、除去は巷にありふれており、わざわざ発動に手間のかかるこのカードを採用する意味はないです。
しかも除去がありふれているということは、当然相手からの除去も増えているので、攻撃反応罠すら遅い現代で被戦闘破壊トリガーの発動は至難を極めます。じゃあ自爆特攻を……とするとそれこそサンボルなどで十分となります。
このカードを今の時代にわざわざ採用するとなれば、やはり『落とし穴(ホール)』通常罠である点を活かすしかないでしょう。
つまり、
![](https://assets.st-note.com/img/1718621995343-GOvaHoFHgd.png?width=1200)
「フレシアの蟲惑魔」はデッキから『落とし穴(ホール)』通常罠を墓地に送り、その効果を適用できる汎用ランク4モンスターです。
このカードで自分のデュアルモンスターが戦闘破壊された場合に効果を発動、「二重の落とし穴」を墓地に送って相手モンスターを全滅できる…………と言いたいところだが!
「フレシアの蟲惑魔」や「トランザクション・ロールバック」といったコピー効果はダメージステップでは発動できない裁定なので、デュアルモンスターが戦闘破壊されたタイミングで発動する「二重の落とし穴」の効果の適用は行えません。
まとめると、
①競合となる除去が多すぎる
②発動が手間
③効果のコピーは不可
となります。こいつはなかなかの問題児ですよ。
まずはサンボルやミラフォにない利点を見出さなくてはなりません。
それら2つにない特徴といえば、やはり『落とし穴(ホール)』通常罠である点なので蟲惑魔の採用は必須でしょう。効果のコピーができない以上、何らかのサーチ手段は必要ですから。「セラの蟲惑魔」が最も確実です。
![](https://assets.st-note.com/img/1718624892557-8hb4PVMEMt.png?width=1200)
また、『落とし穴(ホール)』通常罠である点以外には、発動に必ず戦闘を介する点があげられます。
それはデメリットだろ……と思われるかもしれませんが、それも使いようです。例えば、こんなカードであれば。
![](https://assets.st-note.com/img/1718624513802-KvNLnLAVeJ.png?width=1200)
「マジック・スライム」はざっくりと言えば御巫効果のデュアルモンスターで、このカードによる戦闘ダメージを相手に押し付けることができます。
つまり、このカードによる自爆特攻であれば、サンボルからの総攻撃よりも、「二重の落とし穴」からの総攻撃のほうが総ダメージが大きくなりやすいわけです。(壊獣を併用すればさらに確実)
【蟲惑魔】はあまり打点の出るテーマではなく、「アティプスの蟲惑魔」で打点3000前後を並べるのがせいぜい。それらを上回る暴力には苦戦しがちです。しかしスライムならその欠点を逆利用可能です。
また、【蟲惑魔】は昆虫族・植物族のテーマなので、最強デュアルモンスターの「ギガプラント」も採用しやすいのも嬉しいところ。
「セラの蟲惑魔」で効果をコピーせず「二重の落とし穴」を用意できるようになり、「マジック・スライム」の自爆特攻で他の競合先との差別化も可能となりました。
あとはこの面倒な発動条件……セットされた「二重の落とし穴」と再度召喚した「マジック・スライム」を如何に用意するかが課題になります。
蟲惑魔デュアル
初動は「捕食植物オフリス・スコーピオ」(およびそれをリクルートできる「ローンファイア・ブロッサム」)となります。
①オフリスから手札コスト1枚消費してダーリングコブラのいつも流れ⇒「ブリリアント・フュージョン」をサーチ
②捕食2体でインヴォーカー⇒ゴルドナイトをリクルート
③「ブリリアント・フュージョン」で適当なジェムナイトと「Emトリック・クラウン」を素材に「ジェムナイト・セラフィ」
④墓地からトリック・クラウン蘇生
⑤セラフィで増えた召喚権でゴルドナイトを再度召喚⇒「デュアル・アブレーション」をサーチ
⑥ゴルドナイトとクラウンでランク4「シトリスの蟲惑魔」をエクシーズ召喚⇒効果で「キノの蟲惑魔」サーチ
⑦インヴォーカーとセラフィでマスカレーナ
⑧「シトリスの蟲惑魔」を素材に「セラの蟲惑魔」
⑨「キノの蟲惑魔」を特殊召喚して「セラの蟲惑魔」で罠セット
これで盤面にはセラ、マスカレーナ、罠1枚、アブレーションが揃います。「幻影騎士団シェード・ブリガンダイン」か「ホールティアの蟲惑魔」がある場合は
⑧'「キノの蟲惑魔」を特殊召喚して「セラの蟲惑魔」リンク召喚
⑨'罠を発動してセラで「トリオンの蟲惑魔」リクルート⇒罠をセット
⑩罠モンスターとトリオンで「フレシアの蟲惑魔」
となり、妨害が+1されます。
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![](https://assets.st-note.com/img/1718626334773-BwLnRdRyTS.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1718626335521-pB34BxEQwS.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1718626363918-v6GTl2qGGS.png?width=1200)
参考(ランクマで迷走してた頃)
半端なデッキじゃ今のランクマで実績も撮れないため、十二分にパワーを足した結果、デュアルが活躍する前にサレンダーされるようになった【蟲惑魔デュアル】がこちらになります。 #マスターデュエル pic.twitter.com/PiIs0oAqh6
— 幸記アキミ@good_sky (@koki_akimi) May 23, 2024
これで相手ターンに蟲惑魔モンスターの効果を使えば、「セラの蟲惑魔」で「二重の落とし穴」をセットでき、「デュアル・アブレーション」で「マジック・スライム」もリクルートできます。
マスカレーナからリトルナイトを出せば、②の効果で適当な自爆特攻先の確保も可能です。
ところで、これらの展開を考えているさなか、私は【デュアル】と【蟲惑魔】さらなるシナジーを発見しました。
それがこちらのデュアルデッキでおなじみ「二量合成」です。
![](https://assets.st-note.com/img/1718626927728-VLlRJvyQQt.png?width=1200)
いつもなら「化合電解」をサーチするこのカードですが、このデッキで注目したいのは「完全燃焼」と化合獣モンスター1体のサーチのほうです。
![](https://assets.st-note.com/img/1718627019298-pY3LqF4m0A.png?width=1200)
この一見何の変哲もない化合獣サポートカードをよく見てください。
……気づいたようですね。そう、通常罠です。
つまり、「二量合成」は通常罠1枚モンスター1枚の2枚に変換できるわけです。「捕食植物オフリス・スコーピオ」は手札のモンスターを、「ホールティアの蟲惑魔」は手札の通常罠をそれぞれコストに要求するため、「二量合成」はそれを1枚で賄うことができます。
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![](https://assets.st-note.com/img/1718627237970-entMwrdTG6.png?width=1200)
それだけ……? と思いましたか?
いいえ、まだあります。「二量合成」のもう一つの効果は、再度召喚したデュアルモンスター含む自分のモンスター2体のうち1体の攻撃力を、もう1体に移すというもの。
攻撃力2400の「ギガプラント」と攻撃力800の「セラの蟲惑魔」で、片方を攻撃力3200、もう片方を0にするといった感じです。
これで蟲惑魔の打点を補えるのはもちろん、「マジック・スライム」の攻撃力を0にして自爆することもできます。
さらに、スライム以外のデュアルモンスターの攻撃力を0にし、「転晶のコーディネラル」で相手に送りつけて殴ることもできます。
なんと「二重の落とし穴」は相手のデュアルモンスターが破壊されても効果が発動できるのです。穴に無理やり叩き込んでいくスタイル。 決定力に欠ける【蟲惑魔】にゴリ押しという選択肢が加わります。
これが罠でじわじわ戦う【蟲惑魔】に、【デュアル】のたちの悪い当たり屋スライムとコストと突然のモンスター除去を詰め込んだデッキ【蟲惑魔デュアル】です。
相性のいいカード
落とし穴は除去より展開妨害の「底なしの落とし穴」か「墓穴ホール」が有力。
・「ジェムナイト・ラズリー」
ジェムナイトはなんでもいいんだけど、こいつはオフリスのコストでデュアルモンスターを切った場合に回収できる。
・壊獣
除去兼スライムの当たり先。攻撃力の高いサンダー・ザ・キングやジズキエル、ギガプラで蘇生できるクモグスやガダーラが選択肢。
「No.41 泥酔魔獣バグースカ」
寝るっきゃねえときもあるさ。相手モンスターの効果を封じた上で、送りつけたデュアルモンスターをリンクモンスターで戦闘破壊し寝たまま「二重の落とし穴」に落とす……という外道戦術が可能。消費重いのでどうしようもないとき用。
デッキ構築
そもそもデュアルはランク4が立てやすく、蟲惑魔も妨害を立てやすいので相性はいいです。
ただ、「二重の落とし穴」を決めようとするとほぼ専用構築になるので、普通に蟲惑魔混合デュアルデッキを組むならもっと洗練できるはずです。
使用感としては、全然決まらないですね。
単純に環境が辛いというのもあるんですが、どうにか理想展開できてもサレンダーされるんですよね。なまじデュアルと蟲惑魔のかみ合わせが良かったせいで、先行で上振れると相手に「もういいや」と思わせる盤面になってしまうというか……。罠デッキ嫌われすぎだろ……。
重症度は3.7か3.8か。ブラッシュアップすれば普段使いもできそう。
実績。マジック・スライムで殴れてないけど、これが精一杯やったんや……。
【蟲惑魔デュアル】デュアル時空のみんな〜! やっとランクマで「二重の落とし穴」が決まったぞ〜! #マスターデュエル pic.twitter.com/IWX5ETcdrW
— 幸記アキミ@good_sky (@koki_akimi) May 26, 2024
あとがき
超きつかった。いや【蟲惑魔デュアル】自体はいい出来なんですけどね。「二重の落とし穴」を決めようとするとかなりきつかった。
やっぱモンスターと違って魔法・罠の治療は辛い……。
次回は「魂喰神龍ドレイン・ドラゴン」の予定。
デュアル関連では「ブラック・ブルドラゴ」「フォース・リリース」、それ以外では「暗黒恐獣(Ver.3)」「ポンコツの意地」を研究中です。
強力な特効薬(新実装カード)が増えたので治療も捗りそうです。
おまけ
最近作ったデッキ。
【スキドレジェネレイド】:デュエルトライアル「スキルドレイン」で使用。「ジェネレイドって自身をリリースすればスキドレ関係なくね? 最悪イモムシに食わせりゃいいし」という思いつきで作った。まあ普通にジェネレイドですね。
ちなみにデュエルトライアル「二重召喚」では【BKデュアル】使って三連勝でした。(あまくだりさんがデュアル詳しくないまま半端なデュアルデッキ使ってて、視聴者に弱い弱い言われてるのは複雑でしたね……。とはいえ配信ってそういうものよね)
【サイバー・オーガ】:「フュージョンリンクフェス」で使用……しようかなと思って組んでみたけどやばい弱かった。なんだこいつ。
【サクリファイス】:「フュージョンリンクフェス」で使用……したはいいけど、サポートカード全部「サクリファイス」出てからしか使えないのに気がついて戦慄し、すぐ崩した。
【シンクロ抜きHEROゴーティス】:「フュージョンリンクフェス」で使用。シンクロしないならゴーティスいらなくない? 確かに。まあでもなんか面白いデッキを思いつかなかったので、手持ちのデッキを適当にいじるしかなかったのよね。
【メルフィースプライトゴーティス】:「リミットワンフェス」で使用。同じく思いつかなかったので、レベル2テーマ連合にしました。案外強かったわ。
現在のWCS予選も面白いデッキ思いつかなかったので、【雪花ゴーティス】と【チェーンバーン】使ってミッション消化だけやってます……と思ったらLv18なってた。今の環境、バーン意外と刺さるな。
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