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「ウォール・シャドウ」のカルテ (クソカード医学会用資料2)

まえがき

 「ウォール・シャドウ」とは迷宮兄弟が使用したモンスターで、原作では「迷宮壁-ラビリンス・ウォール-」と「シャドウ・グール」の融合モンスターでした。それがOCGになるとなぜか特殊召喚モンスターとなり、これといった特徴もないある種のネタカードとして遊戯王の歴史に名を残すのみとなっています。
 そんなウォール・シャドウを現在のカードプールで使ってみたらどうなるのか……興味はないですか?
 多くの人は普通に興味ないでしょうが、私はあります。なのでやってみました。

ウォール・シャドウについて

 患者の性能は以下の通り。(出典:遊戯王デュエルモンスターズデータベース)

 ご覧の通り、ツッコミどころが多い
 まず効果モンスターではあるものの、実質効果がない。原作通りに効果なし融合モンスターで実装されていれば素材がバニラを含むので「切り裂かれし闇」や天威系のサポートカードがおそらく使えていたはず。さらに豊富な融合関連のサポートカードもあり、召喚する手間も減っていたかもしれない。
 そしてこの手のモンスターにしてはステータスも微妙。同じ初期の特殊召喚モンスターだと「究極完全体グレート・モス」「ゲート・ガーディアン」は圧倒的召喚しづらさの代わりにステータスは(初期の感覚で)破格、「ウォール・シャドウ」に近い召喚方法・立ち位置の「メタル・デビルゾア」や「レッドアイズ・ブラックメタルドラゴン」も最上級モンスター相応のステは一応持っている。一方「ウォール・シャドウ」は一応守備は高いものの、手間をかけて守備3000の壁を出す意味がわからない。てか迷宮壁のままでいい。なんならマシュマロンとかのがいい
 ついでになぜ戦士族になっている。迷宮壁は岩石族、原作で融合素材になった「ウォール・シャドウ」はアンデット族。こいつは戦士族。なぜ。ただ、この手の話題でも「ハングリーバーガー」という上位互換(?)が存在するので微妙に不遇。
 ……とまあ、実力的にもネタ的にもいまいち尖ったものがない。それが「ウォール・シャドウ」の1番の欠点かもしれない。

 一応、「ウォール・シャドウ」の特殊召喚に必要な2枚も確認しておきたい。
 まずは「迷宮壁-ラビリンス・ウォール-」。

 上級バニラとしては可もなく不可もなしと言ったところ。
 最近は効果モンスター以外のモンスターサポートもあるし、攻撃力の低さはサーチし易いメリットにもなる。岩石族なのはアダマシアで使える……かは微妙なものの、守備の高さから岩石族特有のサポートには対応している。
 なんなら「ウォール・シャドウ」より活かしやすいかもしれない。
 次は「迷宮変化」。

 「ウォール・シャドウ」を特殊召喚する効果のみ。コストやデメリットはない。いや、サポートしやすい上級バニラを消費して攻撃力が1600高いだけの効果モンスターを出す効果自体がある意味デメリットではあるけれど……。
 しかし、装備魔法なのでかなりサーチはしやすい部類。「ウォール・シャドウ」がなぜか戦士族なので、戦士族と装備魔法のシナジーを持つ焔聖騎士を有効活用できる
 時代が「ウォール・シャドウ」に追いついてきたわけだ。

相性のいいカード:迷宮壁-ラビリンス・ウォール-

 低攻撃力バニラかつ地属性岩石族なのでサポートは多い。

・おもちゃ箱
・人形の幸福
 破壊されると、攻撃力か守備力が0の通常モンスターを守備表示で特殊召喚できる「おもちゃ箱」とそのサーチカード。まさに迷宮壁のためのサポートカードと言える。ついでに「千年の盾」も出せたりするが、このデッキにはあんま意味がない。

・化石融合-フォッシル・フュージョン-
・古生代化石騎士 スカルキング
・古生代化石マシン スカルコンボイ
 化石モンスター。迷宮壁が岩石族で「ウォール・シャドウ」がレベル8なので、なんと最上級化石モンスターが出せてしまう。「ウォール・シャドウ」は耐性を持たないので破壊されるのは仕方ない。その分破壊されてから有効活用……という発想。

相性のいいカード:迷宮変化

 装備魔法なのでやはりサーチしやすい。

・アームズ・コール
 ノーコストで装備魔法をサーチ可能。相手ターンに破壊された「おもちゃ箱」から出てきた迷宮壁にそのまま「迷宮変化」を装備できる他、「ウォール・シャドウ」に「最強の盾」を装備してコンバットトリックを狙うなど。

・焔聖騎士-ローラン
・焔聖騎士-リナルド
・聖騎士の追想 イゾルデ
 説明不要な戦士族/装備魔法サポート組。

・イグナイト・マグナム
 「おもちゃ箱」の効果で迷宮壁のついでに特殊召喚できる炎属性戦士族モンスター。リナルドの特殊召喚⇒イゾルデに繋げられる。

・増援
 焔聖騎士のサーチ用。

相性のいいカード:ウォール・シャドウ

 頑張って特殊召喚しても守備が高いだけのモンスターなので、そこをどう活かすかが課題になる。さらにデッキからしか特殊召喚できないので、手札事故防止も大きな課題。逆に言えば、本体はわざわざサーチしなくてもいいという数少ないメリットと言えるかも。

・最強の盾
 「ウォール・シャドウ」に使えば実質攻撃力3000アップの装備魔法になる。1枚で4600というと召喚までの手間の割に微妙だが、2~3枚つけることで真価を発揮する。

・聖剣クラレント
 直接攻撃可能になる。戦闘破壊できない相手やさらに攻撃力でまさる相手を避けて、奇襲的に攻撃できる。迷宮の壁を伝って自在に移動する「ウォール・シャドウ」のイメージにも合う。聖剣持ってる影と考えると合わないけど。

・バオバブーン
・打ち出の小槌
 手札入れ替えカード。金謙とは喧嘩するので、注意。

・炎王の孤島
・炎王獣ヤクシャ
 「おもちゃ箱」や「バオバブーン」を破壊して能動的に効果を発動可能。「テラ・フォーミング」と合わせてデッキ圧縮も兼ねる。最悪、デッキに戻せない迷宮壁やウォール・シャドウを手札破壊⇒化石融合することもできる。

デッキ構築

 序盤は金謙や各種サーチカードで必要なパーツを集める。「おもちゃ箱」を破壊し、装備魔法を2種手札に加えればいいので案外初手で「ウォール・シャドウ」を出せたりもするし、手札事故で何も出来ないこともある
 「ウォール・シャドウ」を召喚できれば「最強の盾」をつけて殴る。破壊されたら化石融合。シンプル。

メインデッキ(40枚)
・イグナイト・マグナム×2
・迷宮壁-ラビリンス・ウォール-×2
・おもちゃ箱×3
・焔聖騎士-ローラン×3
・焔聖騎士-リナルド×3
・バオバブーン×3
・炎王獣ヤクシャ×1
・ウォール・シャドウ×2
・増援×1
・テラ・フォーミング×1
・打ち出の小槌×3
・化石融合-フォッシル・フュージョン-×1
・金満で謙虚な壺×3
・迷宮変化×1
・最強の盾×3
・聖剣クラレント×1
・炎王の孤島×2
・人形の幸福×2
・アームズ・コール×3

EXデッキ(15枚)
・古生代化石騎士 スカルキング×1
・古生代化石マシン スカルコンボイ×1
・聖騎士の追想 イゾルデ×1
・残りの枠は金謙用に汎用リンクなどを。

 デッキの実力としては、壺魔人デッキと違いソロモードなら楽勝。でもランクではズタボロと言った内容。汎用手札誘発をもうちょい積めばやや勝てるようになるかも。
 そして弱点も汎用手札誘発が一通り刺さる点。こればかりはどうしようもない。

 一応、運良く勝てたこともある。

あとがき

 なぜか戦士族にされたことにより、サイオーホース的に装備魔法サポートの恩恵を受けられるようになった「ウォール・シャドウ」。
 今後も装備魔法にまつわる戦士族のテコ入れが入れば、そのおこぼれをあずかることができるようになるかもしれないですね。

 8/3のあまくだりさん主催・第3回クソカード医学会に参加しようと思ったんですが、ルームが満員で入れず、ミラールームのほうで数戦やらせてもらいました。やっぱり事故はしょうがないけど、いくらかよく回った印象。
 次は同じく上記学会のミラーで使用した「タイム・ボマー」デッキのカルテを紹介したいです。

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