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「ヒーローフラッシュ!!」のカルテ (クソカード医学会用資料30)

まえがき

 GX放送開始から現代に至るまでHERO関連のカードは数多く登場し、環境で活躍するものも多い一方、登場から今に至るまで見向きもされないやばい患者も多いという闇鍋めいた様相を呈していたりします。

 さて、そんな重症HEROカードの中ではまだ治療が楽そうなのがこちら「ヒーローフラッシュ!!」になります。
 「ヒーローフラッシュ!!」はアニメGXで十代があの「スピリッツ・オブ・ファラオ」を切り札とするアビドス3世戦で初披露したカードで、特撮レンジャーものの合体技をイメージしたと思われるカードです。
 ヒーロー業界の健全化を目指し、手始めにこのカードを治療してHEROの結束を示していこうと思います。

ヒーローフラッシュ!!について

 患者の性能は以下の通り。(出典:遊戯王デュエルモンスターズデータベース)

「!」が2つも付いている辺り、気合が感じられる。気合だけ

 効果はE・HERO通常モンスターのリクルートと直接攻撃付与。
 "E・HERO"かつ"通常モンスター"のみとはいえ、なかなか悪くはない効果です。
 「ヒーローアライブ」と違い最上級モンスターの「E・HERO ネオス」をリクルートできますし、相手のライフ次第ではそのネオスを素材にせず直接攻撃するのもアリ。またHERO通常モンスターを複数並べておけば発動後に全員ダイレクトアタック可能です。
 【ネオスビート】系のデッキであればかなり強力なカードになるでしょう…………この面倒な発動条件さえなければな!

・「H-ヒートハート」
・「E-エマージェンシーコール」
・「R-ライトジャスティス」
・「O-オーバーソウル」
 この4種の通常魔法カードを墓地から除外して初めて使える効果です。途端に「そこそこ使えそうな効果」が「発動条件に比べてメリットがささやかすぎる効果」になりましたね。
 一応これらの必要カードも見てみましょう。

使い捨ての打点アップと貫通効果
エアーマンみたいな効果1。便利
エアーマンみたいな効果2。微妙
蘇生

 E・HERO万能サーチのEはもちろん、他の3枚もそれほど癖のない、使って使えなくもないカードではあります。
 しかしながらこれらはすべてサーチ手段の少ない通常魔法。ちまちま普通に引いて使っていてはいつまで経っても「ヒーローフラッシュ!!」は発動できません。
 じゃあ直接「おろかな副葬」を用いて墓地に送るか、となっても4種が揃う必要があるためそれでも遅い……つまり下準備がめんどくさい
 めんどくさい下準備をしたあとに通常E・HEROをリクルートしてダイレクトアタック…………絶対他のカード入れたほうがいい……。
 おまけにこのカード自体も通常魔法。サーチが難しいし、枚数増やしても発動できずに事故る。厄介ですね。

 とどめに、仮に「E・HERO ネオス」を3体用意して発動したとしても、2500×3で初期ライフ8000を微妙に削りきれません。
 ここまで手間をかける以上、発動したらワンキルを狙うくらいでやらないと割に合わないわけですが、リクルート先の問題がだいぶ大きいです。
 上記の「H-ヒートハート」を発動してようやく8000ジャストにはなるものの、他の打点補強手段を用意しないと確実とは言えないのは明らか。

 まとめると、
①発動条件が厳しい
②手札に加える手段が乏しい
③打点確保も必要
 となります。

 このカードを使うベースとなるデッキは【ネオスビート】で異論ないでしょう。
 問題はここにどんな特効薬をどう組み込むかですが、墓地肥やしにいつもの【推理ゲート】や「隣の芝刈り」、イシズギミックを用いると雑に墓地を肥やすことはできますがリクルート先のネオスや「ヒーローフラッシュ!!」が消滅する可能性があります。
 また【暗黒界未界域】でも同様に下準備自体は整いますが、いかんせん「ヒーローフラッシュ!!」が不要になりがちです。
 ピンポイントに手札交換を行い、デッキを圧迫しない手段が必要ですが……。

フラッシュネオス

 まず③の打点問題にはネオスデッキ特有のいくつか簡単な解決法があります。
 軸となるのはおなじみ、イゾルデ。

 「ネオスペース・コネクター」⇒「N・アクア・ドルフィン」でリンク召喚可能な上、サーチ効果で「E・HERO オネスティ・ネオス」をサーチし、リクルート効果でリナルド⇒「『焔聖剣ーオートクレール』」を回収すれば翌ターンには攻撃力5000の2回攻撃が可能です。

 またオネスティがすでに引けているなら、サーチ先を「E・HERO スピリット・オブ・ネオス」にすることで相手ターンの壁に加えて「ネオスペース」をサーチ可能。この場合はスピリットでもネオスをリクルートし、ネオスペースで打点3000となったネオス2体+オネスティで計8500ダメージとなります。

 「ヒーローフラッシュ!!」の地味な弱点であるうららで止まるという点を「N・アクア・ドルフィン」で事前にチェックしたり、複数のフィニッシュルートで回避しやすいのもイゾルデ採用の利点です。初動を止められるかもですが。

 次に①のH・E・R・O魔法カードの墓地送り手段は、「マジカルシルクハット」を使いましょう。

 相手バトルフェイズ限定かつ罠なので遅いですが、実質「おろかな副葬」2枚分の働きをしてくれます。
 除去される危険性はありますが「トラップトリック」を経由すればリスクを多少軽減可能。
 ただし、「マジカルシルクハット」はデッキからしか墓地に送ることはできないので手札に来たH・E・R・Oカードを墓地に送る手段も欲しいところです。
 そのために採用したいのが「マジシャンズ・ソウルズ」になります。

 「儀式の準備」「イリュージョン・オブ・カオス」のいつもの出張セットを組み込めば手札の不要な魔法・罠カードやH・E・R・O魔法カードをドローに変換できます。
 「ヒーローフラッシュ!!」を3積みしても事故を軽減できるため②の問題点解決にも繋がります。

 十代の主力のネオス系デッキに、「マジカルシルクハット」「マジシャンズ・ソウルズ」と初代主人公・遊戯を思わせるカードを追加することで「ヒーローフラッシュ!!」は輝けるようになるわけです。熱いですね。
 こうして出来上がったのが【フラッシュネオス】です。

相性のいいカード

 ランクマで使うならセンサーやサモリミも。

・「打ち出の小槌」
・「イリュージョン・オブ・カオス」
 イルカやリナルドやネオスはデッキで寝ててほしいので戻す。

・「擬似空間」
 「チキンレース」だけでなくコスト使用した「ネオスペース」をコピーすることも。

・「増援」
・「E-エマージェンシーコール」
 サーチ先が少なく主要なカードはイゾルデで十分賄えるので、うららに対するデコイとして使うことも。それを相性がいいカードとは言わないが。

デッキ構築

 イゾルデで必要なカードを集めて、相手ターンはスピリット・オブ・ネオスやシルクハットでしのぎ、然るべき後にダイレクトアタックで決める。
 普通にやればムリですが、制圧系永続罠と【ネオスビート】が相性いいので、「サモンリミッター」などで相手の展開を止めれば意外と決まる。

メインデッキ(40枚)
・E・HERO ネオス×3
・マジシャンズ・ソウルズ×2
・焔聖騎士ーリナルド×1
・N・アクア・ドルフィン×1
・ネオスペース・コネクター×3
・E・HERO オネスティ・ネオス×2
・E・HERO スピリット・オブ・ネオス×1
・イリュージョン・オブ・カオス×2
・増援×1
・テラ・フォーミング×1
・打ち出の小槌×3
・H-ヒートハート×1
・E-エマージェンシーコール×1
・R-ライトジャスティス×1
・O-オーバーソウル×1
ヒーローフラッシュ!!×3
・儀式の準備×3
・『焔聖剣ーオートクレール』×1
・ネオスペース×1
・擬似空間×1
・チキンレース×3
・マジカルシルクハット×3
・トラップトリック×1

EXデッキ(15枚)
・リンクリボー×1
・聖騎士の追想 イゾルデ×1
※他はほぼ使わないけど汎用リンクやランク7を

 使用感としては、相手が「ヒーローフラッシュ!!」以外にうらら打ってくれるので準備さえできれば案外決まった印象。ネオス自身には効果はないのでヴェーラーなども効かないし。
 一方で初動を押さえられると動けなくなるのは普通のHEROデッキと同様。サブプラン組み込む余裕もないですね……。

 実績。奇しくも三幻魔デッキが相手。重症度は2。永続罠込みなら
3くらいあるでしょうか。

あとがき

 そもそも【ネオスビート】と相性がいいので治療簡単やろと思ってましたが、やっぱ難しいもんは難しいですね……。でもそんな「ヒーローフラッシュ!!」より使いづらいHEROサポートはあるので、今回の経験を糧に随時治療を試みようと思います。

 この資料ももう30回。早いものです。医学会での使用に向かないデッキも多いですが、これからも気ままに続けようと思います。
 次回は「必殺!黒蠍コンビネーション」か春化精使った「インセクトクイーン」か、もしくは「邪悪なるワームビースト」か……。
 どれも細かいところは考えてないので研究を進めようと思います。

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