ワグナー.ナンドールさんの事

2011年1月21日
ブログ「Kのリポート」より

約30数年前、勤め先の研修会に、益子在住の彫刻家ワグナー.ナンドール夫妻が講演に来社した。
講演の内容は忘れたが、当時担当した作品を鋭く批評していただいた事を良く覚えている。
故ワグナーさんは若い頃建築を学んでおり、自分のアトリエも自力で建築する人であった。
来社する前に、益子のアトリエを見学させていただいた事があり、その変化に富んだ空間構成は今でも鮮明に覚えている。
後日2度ほどアトリエを訪問したが、その度にアトリエの増築が行われ、様相が変化していた。
アトリエは今も、益子共販センターの東の小道を上がった窯業指導所の先にある。

現在は奥様が故人の意志を引き継ぎ、世界平和を願って、 歴史上の哲人をテーマにしたワグナー.ナンドールアートギャラリーとし、期間を決めて公開している。

実は講演をしていただいた当時、ワグナーさんが私も昔訪れて感激した 、ウィーンの郵便貯金局の設計で有名な「近代建築の父オットー.ワグナー」の血縁者とは 知らなかった。
(ご自身でも紹介しなかった。)

気がついたのは、去年ワグナーさんの伝記「ドナウの叫び」-幻冬舎版ーを読んだ時であった。
その内容は、第二次世界大戦中ナチスを逃れ、戦後ソ連の共産主義に揺り動かされる東欧を生き抜き、日本に辿り着いたワグナーさんの波乱に満ちた物語である。



なおワグナーさんの作品は、現在も県立美術館に常設展示されている。

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