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(2020/6/11)ピアノの練習のこと

6月、京都は梅雨に入ったようです。
週間予報ではあれだけ晴れマークが続いていた日々が、一気に傘マークだらけになりました。のびのび外出はできないものの、しとしと降る雨を眺めながら家に篭る生活も、あまり嫌ではありません(元来インドアなのもその理由かも)。

どこかのSNSでも書いたように思うのですが、今、自分の曲以外に、既存の楽曲の楽譜を引っ張り出して練習しています。ライブで演奏するつもりにはしていないので、まったくの趣味でということになりますが、これが結構楽しいのです。
今取り組んでいる曲は、塩谷哲さんの「あこがれのリオデジャネイロ」という曲。これを小曽根真さんがソロで弾いたバージョンが存在して、そのコピー楽譜を入手したので、それを少しずつ攻略しています。
いわゆるラテンジャズのナンバーなのですが、小曽根さんのアレンジはどこかクラシックの要素も漂っていて、一筋縄にいかない難しさがあるのですが。それがまた弾きたいモチベーションをくすぐるわけですよ(笑)。

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元の楽譜が譜めくり上大変使い勝手が悪いし、コード表記もないので、ええいこの際だ、ということで、譜面を一から書き直してみました(しんどかった・・・)。
複合的なサンバのリズムで、左手10度の跳躍がとにかく多いので、それなりに手は大きいと言われながらも、それでも10度で和音を押さえるのは結構しんどいんですよねー。
ただ、譜面に書くと、さらっと流していたような部分があることにもたくさん気づきます。難しそうに見える譜面にも、攻略ポイントはあるわけです。
ポイントは、細かいフレーズはなるべく手首の位置や手の形を変えないで、指の動きのみで弾こうとすることと、あとは脱力。脱力した上で、速いフレーズも弾き流さないこと。
難曲を練習するときは、決まって、ある程度の輪郭を理解できたら、セクションごとに超が3つつくくらいのスローペースで弾いていきます。指の位置を確認しながら、この次はこの動き、みたいなものを身体に覚え込ませていくようなイメージです。
ゆっくりのペースで確実に弾けるようになったら、徐々にスピードを上げていきます。結構王道ですが、たぶん、ダンスやスポーツの練習での身体の動きを覚える練習と似ているかも。僕は身体能力があまり高い方ではないので、かなりゆっくりとしたペースからでないと、動きを覚えられないのですが、この辺はスポーツと音楽は繋がっていると感じる所以です。

あと、実際に弾いてみてわかるんですが、聴いててかっこいいピアノソロ曲というのは、必ずと言っていいほど、左手の使い方にミソがある。ベースの役割とリズムの基本部分を司る役割があって、そこをどう弾くかで、曲のかっこよさが決まるように思います。
実際、セロニアス・モンクにしても、キース・ジャレットにしても、ピアノの弾き語りだとキャロル・キングしかり、矢野顕子しかり、左手のアプローチが弾き手の個性(グルーブ感やアレンジのセンス)を大きく左右していると思う。
そういう意味では、ピアノソロでアレンジなり作曲をするときの自分の引き出しは、まだまだだあ、と思うことしきりです。
なので、こうやって遊びでも、他人の曲をきちんと譜面から理解して実際に弾いてみるのは、アレンジや演奏の引き出しを増やすためのいい勉強にもなるわけです。

これは自分の考えでもあるのですが、ピアノを弾く際に、一番大事なのは、聞こえていない部分でも一定のリズムとグルーブ感を聞かせることができるか、であると考えています。
そのために、どこに音を乗っけるのか、という発想で作曲や編曲を進めていく方が、いいものができるような気がする。
普通、曲を作るとなると、音を鳴らすことで、リズムやグルーブをどうつくるのか、ということを考えてしまいがちなんですけど。そこを逆転した発想で、すでに身体の中にあるリズムをトレースしながら、音を考えていく方が、リズムやグルーブ感に意識的になりやすいのではないかと、そう思うのです。
今練習している曲も、手数が多そうに見えて、実は結構練られていて、必要なところに必要な音を最低限はめる、という考え方で作られているよなということがわかります。だからこそ難しいわけですが。。

本番で披露することはたぶんなさそうですが、なにかの機会に、クローズなコミュニティでしれっと弾いてみようかなとか思っています(笑)。
学んだ知識を元に、新しい曲か、アレンジものを作ってみようかな、とは思っていますので、それっぽい曲が出てきたら「ああ、あのときのあれが参考になっているのかな」と思っていただけたら嬉しいです。。

そんな今回の課題曲(?)が収録されたアルバムはこちら。

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こちら、小曽根さんと塩谷さんが当時所属していたユニバーサルとビクターと、それぞれのレーベルから同時発売という、なかなかオツな企画でした。
しかも、2枚購入者には限定で8cm CDのボーナストラック付き。ここに収録された「Mambo Inn」が、激烈オススメです(演奏中の漫才のような掛け合いも含めて!)
なんと、その音源をYouTubeで発見しましたので、参考に。


自分は、2005年に、今は無き大阪ブルーノートでのライブで、このCDに収録されている演奏の一部にも立ち会うことができました。
今まで観てきたライブの中でも、1、2位を争うほどの鳥肌もののライブでした。
ピアノ好きな方におすすめの一枚(2枚)です。

ぜひ!

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