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「この時期に音楽フェス」の何が問題だったのか(掲載「水道橋博士のメルマ旬報」21年8月30日)

 「水道橋博士のメルマ旬報」に連載している「忘れえぬ人~スポーツライター余禄」。

 今月は、議論を巻き起こした「真夏の音楽フェス」について、思うところを書きました。

 

  ロックインジャパンフェスは、茨城県医師会からの要請を受けて中止が決まり、フジロックは新潟県内の医療機関からSNSで「新潟の病院はどこも一杯。体調が悪くなっても十分な対応が出来ない」と警告を受けながらも開催されました。

 2つの音楽フェスについて、様々な議論がありました。「今年こそ開催したい」という主催者・ミュージシャン・観客の強い思いは分かります。

 が、地域の医療機関の「今の状態で大規模な音楽フェスを開催して、もし感染爆発が起きても対応できない」という危惧も分かるつもりです。医療従事者の友人、知人から、この1年半、絶えず「現場はギリギリの状態」「元々人手が足りないのに、コロナ対応に追われて限界を越えている」「国からは何の支援もない。現場まで届かない」という悲鳴を聞いてきたからです。

 では、どうしたらいいのか。

 この1年半、コロナ禍によるイベント中止期間を経験したのち、イベント再開後は「感染拡大防止」の観点から様々な制約を受けながらイベントを開催してきた格闘技やプロレス、ボクシングのケースが参考になるはずです。

 ちなみに、コロナ禍でのイベント開催・運営に腐心してきた主催者を取材してきた私からすれば、音楽フェスの開催概要を見て、本当に驚きました。正確に言うと、あきれました。

「このイベントを、今、この時期に開催するというのか?」

 今回、取り上げたのはロックインジャパンフェスとフジロックです。NAMIMONOGATARIの問題が起きたのは入稿した後でした。

 NAMIMONOGATARIは論外です。「コロナ禍でのイベント開催」がいかに困難で、イベントスタッフは感染拡大防止のためにどれほど工夫を凝らし、膨大な作業をして臨んでいるかがまったく分かっていない、という感想を持ちました。

 なぜそう思うかも、丁寧に説明したつもりです。ぜひご購読をよろしくお願いいたします。

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