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感謝を込めて。でんぱ組.incを語ってみようと思う。出会い編


アイドルは素晴らしい。当時の私が美容師としてお客様に言い続けていた言葉です。

今もアイドルグループができては消え、できては消えと<アイドル戦国時代>と言われた当時からも規模は縮小しつつも数多くのアイドルが自分たちのステージに向き合い、涙や汗を流している。

そんなアイドルグループの中で当時から異彩を放っていた<でんぱ組.inc>に私は衝撃を受け、のちの人生にも大いに影響を受け、今に至っている。

新しくメンバーを迎え、10人体制になったでんぱ組を過去の思い出を振り返りつつ、私に訪れた幸運に感謝しながら振り返っていきたいと思う。

時は遡ること10年ほど前、当時私は美容室のアシスタントとして一人前の美容師を目指しアシスタント業に励んでいた。当時のマイブームは美容の他に初音ミクなどのボーカロイドを媒体にしたイラストレーションや動画、音楽など新しいアキバカルチャーにどっぷりとハマっていて、いまでも家の本棚にはCDやDVD、画集などが並んでいる。

そんな中で私はWWDというファッション情報が載っているファッション業界人に向けて発信される業界誌を定期購読していた。

dior、ルイヴィトン、錚々たるファッション業界のビックネームが数多く並ぶ特集の中で、新聞の一番裏側の特集に一気に目を持っていかれた。

それはミキオサカベさんによるファッションショーの特集であった。

二次元にいそうな女の子をイメージしたファッション、頭につけたウィックはアニメ特有の<アホ毛>が再現されるなど当時のファッション業界にはないアキバカルチャーを踏襲したファッション記事がそこにはあった。イベントの名前は確か最前00。当時の私にはまだ聞きなれない言葉で何を表している言葉なのかはわからなかったが、その圧倒的なアキバイズムに目が離せなかった。

そのイベントでミキオサカベさんの服をきていたのが<でんぱ組.inc>だった。

私は今までに見ないファッションと今の自分のマイブームが具現化した世界の一端を見てとても感激したことを覚えている。「なんだこの服は?」「この服を着こなしている彼女たちは何者なんだ?」「また新しいイベントはやらないのか?」などたくさんの疑問や知的好奇心に満ち溢れていた。

当時の私のネット環境はガラケーが一台と、ほとんどの情報をテレビや雑誌などから得ていたため、ググるなどというデバイスの使い方をせず、ただその新聞に書いてある情報だけを隅々まで何度も見ていた。

そこで知ったのが彼女たちはでんぱ組.incというアイドルグループであるということ、秋葉原にある<ディアステージ>というライブカフェバーのキャストをしているということだった。

今までアニメなどのいわゆる<二次元>と言われるコンテンツには興味があったが、こと<三次元>となると上京したての時に先輩に連れて行ってもらったメイドカフェぐらいしかなく、メイドには興味があるが(?)アイドルは専門外、なんなら弟が小学生の時にハマっっていた<モーニング娘。>をバカにしていた私にはとてもハードルが高く、手を出しずらいポジションのコンテンツであった。

結果としてこの後一ヶ月後にディアステージに足を運ぶことになったのだが、今思うとあの時に勇気を出してその世界に飛び込んだことを本当に良かったと思っている。
もともと新しいことに積極的ではない性格だったためファッションが絡んだコンテンツでなければ嫌厭していたと思う。まんまともふくちゃんのマーケティングにハマった瞬間であった。


私は悪友とともに一度行ったメイド喫茶のいままで体感したことのなかった面白い場所という感覚が癖になり、友人にメイド喫茶に行ったんだよーのくだりから友達を誘いメイド喫茶に初心者の友人とともに月の何回かはメイド喫茶に行くという遊びを楽しく行っていた。場所はもちろん秋葉原、自分の大好きなアニメや漫画もあり、仕事で疲れた自分へのリフレッシュにもなっていた。

何回かそんな生活を続けていたある日、いつも行くメイド喫茶以外にも面白いところはないものかとアキバの街を散策し始めた。


JR電気街口を出てオノデンの前まで行って末広町方面まで向かい気になる店に片っ端から入って行く。怪しい電気屋、アーミーグッズショップ、アキバの美容室、ケバブ屋、膝枕耳かき、同人誌専門店などなど、色々なところを巡った。

そしてまた秋葉原駅に戻るために一本裏路地を歩いていた時に見つけたのが<ディアステージ>である。

初めて行った時に誰と一緒に行ったのかは今となっては覚えていないが、ディアステージという看板に過去のファッション情報誌に書いてあった店の名前だとピンと来た自分は興奮した。


え?あの店じゃん!!見つけた!!と思いテンションが上がったことを覚えている。

しかし先述にも述べたとおり私にとってアイドルは専門外の分野であり、浅はかな知識で行っては怪我をするという防衛本能が働いてしまい、その足で店内に入ることはできなかった。

後ろ髪を引かれつつ私は結局その日はそのまま帰路についた。

後日お店のパソコンから<ディアステージ>についてググって見た。

私はあまりウェブに詳しい方ではなかったが、もふくちゃんプロヂュースだからなのかWebページの作り込みがすごくて、なかなかページが表示されなかったことを覚えている。ローディングの時に同期や先輩が近くを通るたびにページを消してごまかし、やっとの思いで見たページには面白いイベントを毎日行っているような見出しや、あの気になっていたでんぱ組メンバーのプロフィールなども書かれていてさらに興味を掻き立てられた。


一回だけ行ってみよう、それで合わなければやめよう。そんな気持ちで私は次の自分自身の休みをディアステージに捧げることにした。


後日、ディアステージ前に到着した私であったがあまりにも気合いが入りすぎていたため15時に店の前にいた。ディアステージに行ったことのある人ならお分かりだろうがその時間にはディアステージは開店しておらず、18時の開店まで行きつけのメイド喫茶でお茶をすることに。


メイド喫茶の方もその頃には推しができてアニメのこと、アキバのこと、BLというジャンルがたまらなく好きだという話を聴きながらピピヨピヨピヨひよこさんライスを食し、ディアステージに向けて気持ちを高ぶらせていた。


そして18時。私は初めてディアステージに足を踏み入れた。


入ってすぐにある厚手のカーテンを手で押しのけると「いらっしゃいませー」とアニメ声の店員さんと目が合った。この時は気づかなかったが対応してくれたのはりさちーこと相沢梨紗だった。

「初めてですか?」右も左も分からない私にりさちーは優しくディアステージのシステムを教えてくれた。

ディアステージのあるでんぱビルは1階にステージ施設のあるライブパフォーマンスフロア。2階3階は飲食ができるバーカウンターフロアとして営業している。
ライブは日に3回行われ通ってた当時は回を重ねるごとに盛り上がって行くようなライブが観れるということだった。(今は近隣の騒音の迷惑になることもあったので3回目のライブはおとなし目のセトリが多くなって行った気がします。)


2階3階はテーブルチャージがかかるがご飯ものも食べれて時間によってはお楽しみ会的な当日のみ行われる特典券の抽選や、出勤してるキャストとゆっくりおしゃべりができるそうだ。


初めてなこともありとりあえずはドリンクチャージの500円を払い、一階のフロアで様子見をすることにした。入るだけでもめちゃくちゃ緊張したのにさらに奥にある常連が行くようなとこにいけるわけがない。そう思ったのとあまりにも受付のキャストさん(りさちー)が可愛すぎる。といった理由で一階に留まった。


30分程して一階の人が増え始め、ライブが始まるのだろうなという空気を初めてながら感じていた。

そして一瞬フロアの音が大きくなり、フェードアウトすると、照明が暗くなるとともに演者となるキャストが現れた。

みなさんこんにちは、という前説と呼ばれるライブ中の注意事項など、みんなに守ってほしいことを告げ、ライブはスタート。そこからの光景に私は驚いた。


いままで黙していたオーディエンスのお客様が体を打ち振るわせるほどの声とともに拳を大きく突き上げコールが始まったのだ。


「うりゃおい!ウリャオイ!ウリャオイ!ウリャオイ!」

なんなのだこれは。


私がいままで経験したどんなジャンルのアクティビティよりもギアの入り方が段違いすぎる。あなたそんなに声出るんですか?と言わんばかりに声を張り上げ体全体でコールする姿に驚きと動揺を隠せなかった。さらに驚くのは曲の進行とともに振り付けやコールが変わるのである。どこで予習したんだ。

そしてサビに入った途端客がサンダースネーク(オタ芸で一番オーソドックスな振り)を始め、私はステージの上の演者よりも客の一挙手一堂に目を奪われてしまった。


その後も何人かの演者がステージでパフォーマンスをしたが最初の衝撃から立ち直ることができず、私はただただ呆然とライブが終わるまであっけに取られてしまった。

その中でも最前でオタ芸を打っていた古参の一人があまりにもキレッキレでかっこいいとまで思った。この男の人はのちに私のオタ芸の基礎を教えていただいた師匠のような方だ。(成瀬瑛美推し)


とにかく凄まじかった。


アイドルのライブでこんなにも熱狂できるのか。私はいままでメロコア系のバンドをすかしながら聞くような人間だったのでこんなにも自分をさらけ出し熱狂している姿は新鮮で、何度も繰り返すが衝撃がすごかった。

家の位置関係もあり、2回目のライブを見終わった後に帰路についたがその道中も胸の鼓動が高鳴っているのも感じたし自分もあんな風に打ちたい!と思ったいた。(オタ芸を)
そしてその時に初めてメイド喫茶以外でチェキというものを買いしばらくはそのチェキに映し出されたりさちーをニヤニヤする日々が始まったのであった。


次回のブログではりさちー以外のメンバーとの出会いと私が歩んだドルオタの一歩を書く予定です。




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