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恋愛って性欲じゃないかって、実は内心思っていて

令和6年9月1日(日)   雨 最高気温33.6℃

PM14:00 青山ブックセンター
川上弘美×小池真理子トークイベント「女性作家であること ~エッセイと小説のあわい~」にやってきた。
父のトイレ本であった芥川賞受賞作『蛇を踏む』を読んでから、自由に感じたり、遊んだり、学ぶことの出来る奥行きのある文章の世界観にハマり、はや25年。
はじめて肉眼で捉えた生身の川上さんは、ジーンズとジャケットを無造作に着こなし、優しい微笑みが輪郭に馴染んでいて、なんと素敵なこと。
67歳の川上さんは、「年齢の割に」の枕詞なしに、若々しい!

トークセッションはおよそ1時間ほど。
今回本を編んだ女性作家たちについての話題だけでなく、川上さんが物を書くにあたって考えているいろいろなことを聞くことが出来た。
「言語化してしまうと、その言語の外に出られなくなる感じがある」
「恋愛って性欲じゃないか、って実は内心思っていて。それなのになんで恋愛を素敵って言うんだよ。それよりも、良い人間関係を築ける方が、よっぽど素敵」
「体は衰えても精神は老いないですよね」
軽やかに飛び出す芯喰った言葉に、私の心は弾みっぱなし。
ない記憶や情感がふんわり蘇ってくる川上さんの滋味深い文章も愛してるけど、私は川上弘美さんという人自体が大好きなんだなぁと実感。

弾みがついたまま、なんとなく収まりがつかず、帰宅後『テルマ&ルイーズ』を視聴。
主体性を取り戻して煌くジーナ・デイヴィスに、飽きもせず熱狂。
AM1:30、寝床に着くと、急に寒気が襲ってきた。
急いで圧縮袋から羽毛布団を取り出し、ヒートテックを着込み、2ℓペットボトルを枕元に置く。
汗かいて体温下げないと。熱が上がり過ぎている。


令和6年9月3日(火)  曇り時々雨 最高気温27.4℃

精神保健相談員との定期面談。
体調について聞かれ、2日前に急な発熱があったこと、今は微熱に落ち着いており業務に大きな支障はないことを話す。
相談員の心理士さんは、超勤時間が長過ぎることを指摘し(んなこと言われても)、ワークライフバランスに絡めて、心身を休める大切さをお話してくれた。
「今、緊張を弛めたら蓄積されたダメージが顕在化しちゃいそうで怖いです。まぁでも今回の発熱は、好きな女性たちに会えたことが原因かもしれないんですけどね。たはは」という本音は、戸棚の奥に隠す。
そろそろ戸棚の棚卸をしないと、何がどこにあるのか自分でも分からなくなってきた。


令和6年9月6日(金)   曇りのち晴れ 最高気温33.5℃

PM19:00 新宿
データを持ち込み、専門的な見地からの意見を仰ぐ。
硬膜外、硬膜下、くも膜下、どれが何の下にあって、どの部位の血管が傷ついたらこのような血腫になり得るのか。またどの程度の衝撃を受けた時に、血管は傷つくのか。
ない頭を必死に回転させながら、自分の言葉で説明責任を果たせるように、同じような質問を何度もしてしまう。
毎回、嫌な顔せずに付き合ってくださるのは有難いが、本当は専門家から直接お話してくれたら良いのにとも思ってしまう。
ひと段落して、お茶うけに出してくれた巨峰を口に含み、皮ごと咀嚼。
「あ、このヌルッとした薄皮がくも膜で、紫色の皮が硬膜ですかね」と言うと、教授は「まぁ、そうですね」と薄く笑った。
複雑なものこそ、出来るだけ単純に捉えようとする思考の癖は必ずしも悪くはないと思っているが、こんだけ詳しく話を聞いた後で言うことではなかったかもしれない…。


令和6年9月7日(土) 晴れ 最高気温33.8℃

PM15:30 山種美術館
ジムのインストラクターさんに頂いた美術館のチケットがあったので、若者を巻き添えにして(ごめんね、ありがとう)、ちょっと広尾まで。
特別展示は「東山魁夷と日本の夏」。
日本の風景画家、東山魁夷の豊かなあおいろ表現の極致を見る。
川端康成に「京都は今描いといていただかないとなくなります、京都のあるうちに描いておいてください」と言われて、東山が描いたのが、今回メインで展示されていた『京洛四季』というシリーズ。なんと眺め甲斐のある絵画。
川上弘美さんの文章と一緒で、絵を眺めていると、経験したことのない記憶や情感が蘇ってくる。
経験がないのだから蘇るという表現はおかしいのだけど、本当に良いものに触れると、度々こういう感覚に陥る。

そのまま若者たちと一緒に、2丁目で朝まで飲み明かす。
乙女、2軒目のバーの店員さんの忍耐強い接客に感動。

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