私はいつだってお前の話が聞きたいんだよ
令和6年8月7日(水) 晴れ時々豪雨 最高気温34.5℃
フワちゃん炎上中。
誹謗中傷文化は昔の方が酷かった気がするけど、「私の見えてる社会は、私の見たい社会」でしかないと最近強く思うので、実際のとこは、わっかんねぇ。
令和6年8月9日(金) 快晴 最高気温35.1℃
PM20:00 twilight
6月に刊行されたphaさんの著書「パーティが終わって、中年が始まる」のトークイベントに滑り込み。
タイトルから滲み出る切実さと、微かな安らぎの匂いに誘われた私はカブトムシ。
本の内容にこそ共感しなかったが(面白くないという意味ではない)、この蜜の生産者には強く興味を持った。
phaさんには「ジェーン・スーさんや能町みね子さんと仲の良い人」という、うっすらとした印象しかなかったが、お話をしている様子を見聞きして、何故自立した女たちに愛されているのか、少し分かったような気がする。
極めて能動的(他者に働きかける)なのに、積極性(すでにやると決まっていることを意欲的に取り組む)は感じられず、主体的でありながら核に自分がいなかったりするので、捉え所がないんである。よって今何を考えているのか、どんどん話が聴きたくなる。
しかも相当賢いだろうに、こんなに素直で、猜疑心の少ない人、なかなかいないよ。
この無防備さで、よく無事に生きてこられたな。(尊敬の念を込めて)
中年クライシスの導入期を瑞々しく書き切った本書に、私と同様、共感しなかったと言ったのは、対談相手の桜林直子さん。
Podcast番組「隣の雑談」での語りにすごく親近感を感じていたので、近くで見られて嬉しい。
「共感はしないけど丁寧に話を聞く」「過去からしか、未来を想像できない」の言葉にマリアナ海溝より深く頷き、「テーブルの上に話題を広げて、どんな風に見えるか話し合う」という雑談の姿勢には思わず膝を打ち、膝が割れた。
桜林さん、可愛いかったなぁ。リネン地のワンピースが似合う選ばれし人よ。
2人の対談を聞いていると、何故私が「パーティが終わって、中年が始まる」のフレーズに安らぎを覚えたのか、見えてきた。
パーティは「ノリ」や「モラトリアム」という言葉に言い換えられるが、私には上手に「ノリ」や「モラトリアム」をハンドリング出来ない。
時にパーティの場では、個を埋没させ、顔のないone of themとして集団に溶け込むことが必要とされるけど、私はいつだってお前の顔が見たい、お前の話が聞きたいんだよと願い、わざわざ個が引き立つような会話を仕掛けてしまう。
つまるところパーティと相性が悪いので、「パーティが終わって、中年が始まる」のを想像した時、正直なところ、少しほっとしたんである。
Phaさんは「ノリだけでは、もうつまらなくなってしまった」と言っていた。
これからphaさんのようなノリ界隈の人たちが、こちら側に降りてきてくれて、楽しくお話出来るかもしれない。
そうだと良いな。
令和6年8月10日(土) 快晴 最高気温35.1℃
AM11:30 麻布十番パレットギャラリー
「高峰秀子の言葉展」の開催を知った12時間後、私は500円払い、高嶺さんのお写真をまじまじ眺めています。うっとり。
書籍は3冊購入。(渡世日記、コットンが好き、高峰秀子と12人の女たち)
高峰秀子が書くエッセイが、こんなに面白いとは知らなかった。
豊かな語彙、鋭い審美眼、優れている部分を挙げたらキリがないけど、「子役上がり往年の銀幕スターが、愛する伴侶と出会い、自らの意思で質素だが掛け替えのない日常を掴み取る」という物語自体が、性癖に触れてくるんだよなぁ。
そのうち熱は冷めると思うけど、熱いうちにガンガン内側に取り入れていきたいです。
PM20:00 AとYと電話
Aに主体性が足りないという話題。
「主体的な人は楽しそうやけど、流され続けるのが幸せな人もいるんじゃない」と寄り添ったら、「実は、流されるままに彼氏が出来ました」とAによる鮮やかなカウンターパンチを喰らい、ちびった。風呂場でよかった。
さっきまで、年始に集まろーって話してたやんけ!
Yが「彼氏に年始の予定あけといてって言われたらどうすんの?」と尋ねるや、即座にAは「友達と集まるから無理って言って断る」と返答。
すかさずYと私が「主体的〜!!」と手を叩いて喜んだのは、なかなか良いシスターフッドだったのでは。
これ、いつまでやってんのという気持ちもあるけど、いつまでもやるんだよ、という気持ちがやや優勢。
令和6年8月11日(日) 快晴
阿佐ヶ谷七夕祭りのため、パール商店街は朝から賑わっている。
至る所に垂らされた色とりどりの吹き流しが、風に乗ってさらさら流れている。
趣向を凝らした手作りのハリボテは、制作過程まで見えるようで、製作者に労いの言葉をかけたくなる。
せっかくの風流も、熱気のこもった人渦に飲み込まれては、ただただ疲れてしまうので、私はいつも深夜に鑑賞させてもらっている。
今年は、鳥山明作品が多かったな。
PM13:00 国立ハンセン病資料館
出張でよく行く病院の先に、この資料館があることは認識していたが、ハンセン病についてはよく知らなかった。
元々人に誘われていたが、一緒に行くことはもうないだろうと思い、清瀬行きの電車に1人で乗り込んだ。
資料館は閑散としていたが、資料や掲示物は丁寧に作られ、手入れも十分行き届いている印象。
ハンセン病(らい)の病理、差別と闘ってきた長い歴史、患者さんの実際の生活を知る。
最終の展示コーナーで、まだ国内ですら700人以上の人が、入所施設で生活しているのを知り、衝撃を受けた。
展示を回ってる時ですら、この病気で苦しむ人は、過去のことだと思い込んでいた。
こういう無知が、平気で他人の尊厳を踏んづけたりするんだよな。
家に帰って、もののけ姫を見直した。
駿は偉いよ。自分に出来ることを疎かにしなかったんだから。
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