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クランバトルヒストリー4th~5th

※ふだんクラバトをやらない人向けに書いているので略称はできうる限り用いていません
※ふだんクラバトやってる人にとっては当たり前の情報を多く含んでいます
【1/13追記】
「ダメージを受けた際のTP回復に関する計算式のアップデート」が予告されました。これを踏まえて記述の変更を含めた追記修正を3月を目処にリリースします。

〇「レベル止め」は本当に必要なのか?

 「レベル止め」。
 その概念は、プリコネのエンドコンテンツまで手を出してみようとした人なら聞いたことがあるだろう。プリコネは食らったダメージ量に応じて多くTPを獲得できる。そのため、防御力を低くすることでユニオンバーストが早く多く撃てるようになり有利になるという戦術が存在する。この戦術を最大限に生かすためにも、補助効果のユニオンバーストを撃つキャラはレベルを低く留めておくというのは確かに机上では理にかなっているだろう。
 ただ、「理論上レベルを止めていた方が強い」こともあるが故に、古参プレイヤーでレベルを上げてしまったキャラが星6才能開花等の強化でレベル止めが有効になってしまった時に「データが腐った」などと嘆いたり、初心者が「このキャラはレベルを上げて大丈夫なのか?」といちいち不安になる現象があちこちで見られた。
 
 しかし、改めて問いたい。本当に「レベルを上げてしまったらデータが腐る」のだろうか?「おまかせ強化ボタンにお任せしたらプリコネは不自由になる」のだろうか?
 
 結論としては「装備・ランク・専用装備レベルは吟味すべきだが、レベルに関しては基本的に止めなくても問題なくプリコネ(クランバトル)は遊べる」「クラン順位1位を目指すにあたってレベル止めが必要になりそうなキャラは一部存在するが、キャラビルドの範疇で収まる」、と個人的には考えている。
 装備やランクは、前作「クランバトルヒストリー3rd~3.5th anniv.」で触れたが、「ランクボーナス圏内の装備検討はプレイヤーに残された余地」と考えてるため、今後も考える必要はある。専用装備のレベル保留は30まで上げることはあったとしても、それ以上のレベル上げを止めることはリソース管理という実利もあるので、やむなく目を瞑ることとしたい。
 
 問題となる「おまかせ強化1ボタンで上がってしまう」キャラレベル・スキルレベルに関して、上げていることが問題になりそうなシチュエーションを考えると、
 
・メインクエスト
→レベルが上がって育成をしてれば攻略の手立てはいくらでもある
・イベントのスペシャルバトル
→5回以内のクリアであれば大して報酬に差は出ない
・ダンジョン(含SPダンジョン)、ルナの塔
→きちんと有効なキャラクターを収集、育成して適材適所で使えば数の暴力で最終的にはクリア可能
・アリーナ/バトルアリーナ
→キャラが倒されるほど不利になっていくので強い方が強い
・アドベンチャー
→当然戦力値が高い方が有利
 
 と、なるので、レベル止めが有効に働く場面はクランバトルに限られると考えられる。
 
 クランバトルにおいては、確かに過去にレベル止めが要求されたキャラは存在する。一例としては、
 
・星6マホ (特にスキル1のマホマホヒールとEXスキルのレベル止め)
・星6リン(ざっくりlv190~200くらい)
・ヨリ(エンジェル)(特にスキル1のエンジェルアテンションとEXスキルのレベル止め)
 
 辺りが挙げられる。
 
その他にもEXスキルで物理/魔法防御力が上がるスキルを上げていると、一部再現が不可能な編成・バトルタイムライン(バトルTL)があったことも否定はしない。

 しかし一方で、「レベルを最大にあげても使える編成・バトルTL」も同時に各種DiscordサーバーやYoutube、Twitterや攻略サイト等で発信されている。レベル止めキャラを使った派手な高難易度編成を使うよりも簡単に、相応のダメージは出せるため、実は「100位以内/順位最大報酬及びグランドマスタークラン称号」を獲得するためには、実はレベル止めは必要なかったりする。クランで100位以内に入るなら1人が高難易度編成でダメージを出すよりも、クラン30人がより高いダメージを出す編成を用いるよう周知したり、時間を合わせて攻撃してダメージの上振れを拾う、等の工夫をした方がよっぽど効果的なのである。
 
 とはいえ、「いずれ1位を狙うクランに入る可能性はゼロではないならレベル止めはした方がいいのでは」という反論もあるだろう。確かに、レベル止めをしたキャラの所持はそういうクランへのアピールポイントになりうる。が、同時に、それ以外の幅広いキャラ所持や、高難易度のバトルTLを完遂する技術、そしてコミュニケーション能力も問われる。レベル止めをしていなくても差し支えなく1位ないし表彰台を狙うクランに入れる、逆に言うとレベル止めをしていても表彰台クランに入るための必須条件にはならないとなると、「レベル止めをしなくてもプリコネは充分に遊べる」と言えるだろう。
 
 筆者個人としても、装備ランクと専用装備は吟味しつつも、全てのキャラをおまかせ強化で育成するスタイルでこれまで遊んできた。

 「これで致命的な問題が起きたらゲームのせいにする」として遊んできたが、自身で運営する300位以内目標クランの『Rushana』や10位前後に着地している連携クラン『明治桜』、表彰台目標クランである『微熱空間Re:act』にこれまで所属していたが、「編成が全くもって組めなくなる」レベルの致命的な問題には幸い至っていない。むしろ、「レベルが上がっているが、専用装備レベルと装備ランクは調整されている」育成のキャラが何かと都合がよく、サポートとして貸し出すことも多かった。
 
 ゲーム的には「育成することにデメリットがある」ことは確かに不健全ではあるが、別に気にしないでも充分遊べるし、より上を目指したいならレベル止め以外にもやるべきことはあるわけだ。レベル保留が活きる場面も来ることもあるだろうが、同様に苦しむ場面もあるだろう。いずれ修正が来るのかもしれないが、今は、自分のプレイスタイルに応じて、「与えられた環境でどう楽しむか」というポジティブな考え方で、遊んでみてはいかがだろうか。

(過去の栄光、ではあるが、1月2月は再び戦場に馳せ参ず予定。)

〇「多様化」が進むクランバトル

 2022年度のクランバトルをまとめるなら「多様化」という言葉がふさわしいだろう。
 
 物理パーティはジータが中心にはいつつも、残りの席は常に熾烈な争いが繰り広げられていた。
 サポーターは物理魔法双方で攻防一体のバフを配るカリンや、それを更に攻撃に寄せたかのような性能のユニ(聖学祭)、全体大回復と物理をいろいろサポートするUBを獲得したコッコロ(サマー)の星6等が代表的だろうか。
 敵の攻撃力も非常に高くなってきており、タンクキャラクターの採用も見られるようになった。ペコリーヌ(オーバーロード)やルカの採用が多くみられたが、新株としてもマツリ(ワイルド)の動向にも注目したい。
 アタッカーも続々と高火力のキャラクターが追加された。純粋なアタッカーだけでもスキル2がそのままUBになってしまうアリサ(星6)や、改めて(2021年12月当時の)最強火力として降臨したアキノ(クリスマス)、そして更にダメージ天井が分割された超火力のUBを引っ提げて戻ってきたエリコ星6が追加された。
 それらと差別化を測るべく、レイ(サマー)やアヤネ(エクスプローラー)等の「支援もできるアタッカー」、トモ星6やアキノ&サレン等の「攻撃もできるサポーター」も多数追加されており、どれが物理1軍に入るのか、いっそのことこいつらだけで2軍を組めやしないかなどで非常に混沌を極めていた。
 旧来の「デバフを分担する」戦術も強化が入ってきており、専用星6と立て続けに強化が入ったシェフィや、専用装備で令和基準に返り咲いたヒヨリ(プリンセス)、実は火力も出せるクロエ(聖学祭)、そして6月の登場以来ジータ軸のデバフ担当としても活躍していたシノブ(パイレーツ)等が追加されている。「物理万能」として一時期名をはせたラビリスタも専用装備によって復権の可能性も十分あるため、こちらの戦術の動向にも着目したい。

 魔法パーティも、驚くことに、これまで最強の呼び声が高かったキャル(ニューイヤー)の使用率が2022年3月以降下がっていったのである。その環境の変化は予想もできないうちに進んでいた。
 キーワードは「ダメージ上限(通称Logバリア)」。キャル(ニューイヤー)実装当初、あまりにも強力すぎたため、彼女に課せられた「枷」。85万以上のダメージの増加が対数関数的に減少し、だいたい120万以上は相当な攻撃力アップを積まないと伸びなくなるという、ユニオンバーストで与えたダメージによって攻撃力アップ効果を得るキャル(ニューイヤー)にとっては痛いぐらいの弱体化だったはずだったが、それでも彼女は長い間前線を走り続けていた。
 環境が大きく変わったのは22年3月のキャル(サマー)の星6の実装。一見「高火力の魔法アタッカー」で実際にその通りなのだが、問題はユニオンバーストが端的に換言すると「魔法防御力ダウン時にダメージを2回与える(HIT数が2というわけでなく計算処理上2回攻撃を与えている)」効果となっていること。実質的にダメージ天井が2倍になっているというわけだ。しかし、生放送で実践、その後検証された攻撃倍率はそれほど高くなく、実装当初はそれほど期待感を持ってみられていなかった。事実、「実質的なダメージ上限の突破」をする効果を持ち、それがあからさまにウリであろうキャラが既に物理で実装されていたが(ミソギ&ミミ&キョウカやペコリーヌ(オーバーロード))、両者ともそれほどでもなく、この効果を持つキャラが環境を壊すに足るとは見られなかったのだ。が、その評価は22年3月のクラバトでひっくり返ってしまったのだ。事前に実装されたネネカ(ニューイヤー)の専用装備がキャル(ニューイヤー)軸のパーティの補助キャラの枠に留まらず、「全ての魔法キャラを環境クラスに引き上げる」代物であったことが判明し、とうとうキャル(ニューイヤー)の牙城を崩すに至ったのだ。それ以降は「ダメージ上限が高いキャラ」(ex:ホマレ,マホ(サマー),キョウカ(サマー))を相手の魔法防御に応じて使い分ける環境がしばらく続いたのである。
 ちなみに、キャル(プリンセス)も専用装備実装以降は「バフをそんなに要せずとも120万ダメージを連射するデバフ持ちアタッカー」としてこれまた環境に食い込んでいる。

〇そして時代はアメスへ


 
 と、これまで「多種多様なキャラが現れては消える」2022年のクランバトルを軽くまとめてみたが、この項では2022年下半期のクランバトルの主役とも言え、そしてこれまでのプリコネの全てを破壊したキャラを紹介したい。
 
 その名はアメス。またの名をフィオとも言う。
 
 それはユニオンバーストで物理魔法バリアを展開しつつ防御力バフとリジェネを撒き、スキルでも回復やダメージカット、防御力アップの補助をしつつ、アメス本人の魔法攻撃力に依存した目玉が飛び出る量の攻撃力バフと全体TP回復をするという(しかもバフとTP回復は2~3行動に1回のペース)、他界隈だとデドダムだの鍾離だのアコだのと言われるレベルの「人権」であった。防御力アップは当初はマイナス面として危惧されていたが、まとまった数値の防御バフは逆に「不可能を可能にする」側面が大きく、防御面をアメスに任せてなるべく攻撃に寄せる編成が登場したことで杞憂に終わった。むしろ、敵ボス側の効果で被弾TPが大幅に減少したこともあり、ちょっとした被弾TPの増加よりも魔攻依存のバフ量を高めたり、防御力を上げることで無理やり強い編成を通すことが1位争いクランの中でトレンドとなった。(事実、最終日に公開される1位争いクランの編成は、アメス以後は魔法攻撃力が最大となる装備構成になってたことが多い。)
 アメスの影響で評価ががらりと変わったキャラも多数見受けられた。TP回復&バフのスキルを沢山撃つためにクランバトルでは速度バフ効果の評価がまた一段と上がり、例えば盾役や状態異常の受け役としてモニカが復権したり、速度バフとアタッカーを両立できるトモも星6実装以降物理パーティーのレギュラー入りをはたしている。魔法方面も初動でバリアを撒きつつ自身も魔法攻撃力依存のバフや少量のTP配布を行うミサキ(ステージ)が環境上位の立ち位置を確固たるものとしたり、攻撃と補助をワイバーンと本体で分業するランファも、全体TP回復の恩恵が大きいため環境入りした。(ランファはキャル(プリンセス)の登場で立場が危うくなっているが……)

 クランバトル以外にもアメスは様々な局面でこれまでの常識をひっくり返した。例えばアリーナでは主に耐久パの大幅な強化となり、生半可な火力の攻めははじかれるようになってしまった。筆者も中速魔法アグロでよく耐久パを破壊している。

(残りの1キャラは相手によって組み替えている)  

また、初心者にとっても非常に強力なキャラとなっている。ダンジョンEXTREME2のジャバウォックの終盤の毒攻撃をバリアで耐え、被弾TPを利用して追加の全体回復や攻撃を行う戦術をより低レベルかつ現実的な範疇(過去にもユイ(ニューイヤー)でできたが限定キャラなのでハードルが高い)で行ったり、ベリーハード25-1や32-3等の難所をより低レベルで攻略したりするなど、「シーケンスブレイク」として多いに役立つことが有志からの報告が上がっている。メインクエストやルナの塔などでもより低レベルで安定してクリアする助けにもなるので、非常に心づいよいと言えるだろう。  フェス限定キャラとはいえ、プリンセスフェスは短いスパンで来るかつ200連で確実に手に入るため、アメスは入手はしやすいキャラとなっている。人権度合ではプリコネで1を争うレベルなため、入手していない方は年末や2月末のプリンセスフェスでぜひとも入手していただきたい。 

〇「ユニオンバースト即発動機能」がもたらした恩恵とは


 
21年の話になるが、ジータやアリサ等のキャラはユニオンバーストを沢山撃てる一方、UB回転力をフルに生かすためにはどうしても連打が必要となっていた。連打力の問題で同じ編成なのに同じダメージを出せなくなったりなどの問題が発生し、一部の人は規約的にはグレーなのを承知で連打マクロを使用したり、一部の人は前線から退くこともあった。 
 そんな問題を運営は把握しており、22年4月に「ユニオンバースト即発動機能(通称SET機能)」が追加された。その名の通り、TPが1000になったその瞬間ユニオンバーストを発動する機能である。AUTOは行動を終わらせた後の待機時間でユニオンバーストを撃つ一方、SET機能はスキルが不発になるリスクはあるものの、よりユニオンバーストを早く多く撃てるのでこちらの方が強いこともよくある。
 この機能の実装により、連打に困ってた人が復帰のきっかけになっただけでなく、プレイヤーが出せるダメージの平均値の向上にもつながっており、よりクランバトルがハイレベルなものとなった。3段階目の4体目5体目のボスも1回の攻撃で2体倒せるようになり、上手く活用すれば3段階目のボスの持ち越しで4段階目のボスを倒したり、初心者に前半のボスの貫通を任せたりとよりクラン全体のスコアを高める動きができるようになった。手動のバトルTLを練習する際も失敗の原因が減っているため、より効果的な練習もできるようになっている。
 クランバトルの上位層のハードルは、一般の人が思うよりは低い。興味があれば門を叩いてみてはいかがだろうか。これまでとは違った楽しみが、そこにはある、と私は信じて疑わない。

※後半部分は3月をめどに公開予定【1/13変更】
※製本時に有料版として出しなおす可能性もあります

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