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◎R5BY酒造理念とその醸造法

□基本理念

誰でも、誰とでも。何時でも、どこでも、どこまでも飲めるような酒。

そしてどことなく出雲の香り、日本の香りを感じるお酒にしたいと考えて醸造しています。

それは穏やかな自然風景がおのずと言葉となって現れた俳句のような情景のあるお酒であり、人だけではなく動植物から微生物など全ての生物に共通する自然生命が表現された営みのお酒です。

古池や 蛙飛び込む 水の音

この自然生命の情景である営みの酒を実現するために酒造技術と利き酒を重ね、そこから生まれた言葉を皆様にお伝えすることを続けていきます。具体的な酒造技術としては以下の醸造法を確立してきました。

□主な酒造技術

・山陰吟醸造り(突きハゼ+超長期低温発酵)によって低グルコース、低フェロモンでありながら低アミノ酸の清らかなお酒を造ることに成功。これは出雲杜氏から継承した御神酒造りの具体的な醸造法として私の基本となっています。

突きハゼ3日麹

・突きハゼ麹によって醪の吟醸経過を実現しながら3日麹とすることで呈味性の良い、いと感じるLアミノ酸を増強している(Lグルタミン酸・Lアラニン・グリシン)。必須アミノ酸の多くは苦味を示しますが、突きハゼ麹はなぜかアラニン、グリシンといった甘みを感じるアミノ酸を多く生成することが報告されています。突きハゼ3日麹ならなおさら顕著となります。

甘味に感じるアミノ酸は必須アミノ酸ではスレオニン
非必須アミノ酸ではグルタミン、アラニン、アスパラギン酸、セリン、グリシン、プロリン
他は苦味、臭み、えぐ味を呈する。

この突きハゼ3日麹も御神酒マインドからはじめたものです。手仕事において祈りは現実の行動として現れるということで、麹も酒母も醪もなるべく長い時間をかけて造り、それが深みや強さ、余韻となって現れてくると考えて始めました。現在ではその効果もすこしずつ解明してきており、上記のようにアミノ酸の組成が呈味性の良いものに変化していったことが解ります。

職人の祈りは指先から発する

呈味性の良い、甘みや旨味を感じるアミノ酸を多く含む身近な食材では、エビやイカ、カニなどの甲殻類、肉類、レバー、うなぎ、豆などが上げられます。アミノ酸が熱変性していない甘エビやイカの刺身、レバ刺しの甘さを想像していただけると糖分の甘味とアミノ酸の甘味の違いを見いだせます。天穏の甘味はこのような要素が強くなっています。

・生酛系酒母の自然醸造の取り組みによって乳酸菌発酵から呈味性の強いDアミノ酸を蓄積している。(Dアラニン・Dグルタミン酸・Dアスパラギン酸)。苦味を示す物が多いLアミノ酸に対して、Dアミノ酸はほとんどが甘味や旨味を示す。

アミノ酸20種のうちグリシン以外の全てにD体(鏡体・反物質)が存在している。
Dアミノ酸は細菌・微生物が司る。
日本酒では乳酸発酵でDアミノ酸が増えるため、生酛、山廃、水もとで再現できる。
生酛、山廃、水もとでは、米と水のバランス(流動性)や蔵環境によって
乳酸菌の菌叢が変わるために有機酸のみならずLDアミノ酸の含有量や組成に個性が出ると思われる。
Dアミノ酸はほとんどが甘味を示す。

・酵母無添加からは協会酵母の強いフェロモンの分散と、野生酵母によって破壊(還元)のニュアンスを取り入れる。生物は先回りして自身の細胞を破壊することで細胞を生成しているため、自然であるとは破壊と創造を同時に存在させるものであると言えるのではないか。

また破壊した細胞の記憶を周囲の細胞に保存し、新たな細胞がそこにできるまで保持する作用もDアミノ酸が担っていることがわかっており、Dアミノ酸が細胞の破壊と創造に現実に関与し、生命を類推させる物質であると推測している。

生物はアミノ酸からタンパク分解酵素を造り古い細胞を破壊して排泄する。
破壊した細胞の役割は周りの細胞が一時的に記憶している(Dセリン)
細胞の抜けた部分は、食べたもののアミノ酸で細胞を作って埋めている
シェーンハイマーのネズミ実験
生命は川の流れのように絶え間なく破壊と創造をしながら個として存在している(福岡先生)
この流れはアミノ酸(窒素)の流れではないだろうか

□酒質、味わいについて

味わいとしては低グルコース低アミノ酸の清らかな酒でありながらも、麹由来のLアミノ酸と乳酸菌由来のDアミノ酸が甘味を与え、そこに酵母と乳酸由来の有機酸、協会酵母の様々な香り、野生酵母の薫香や木香やスパイシーさ、山水のミネラルが折り重なったものになっています。低グルコース、低アミノ酸ということで、老ねの原因物質が少ない酒です。

味が美味しいかは分からないけど、営みを表現した酒にしている

香りは分散され、甘さはアミノ酸に置き換えられていますので、人が過剰な糖とフェロモンを認知したときに反射的に起こる欲望、自我欲求や興奮作用が抑えられ、自我を増幅させる反応に支配される確率を低くできます。

糖とフェロモンを抑えて欲望を回避し、呈味性の良いアミノ酸主体の味わい構成にすることによって人間に以下のような作用を及ぼすと考えています。

□アミノ酸について

・唾液の中に含まれる細菌がアミノ酸を感知すると免疫機能を活性化する信号が送られる。免疫活性は生命保全に必須であり生存本能を満たすことができる。(この細菌は糖を感知すると免疫機能を下げる信号を体内におくる。免疫を下げることも必要なことで糖もアミノ酸も両方必要である)。また必須アミノ酸はストレス低減ホルモン(俗称:幸せホルモン)であるセロトニンの前駆体となるためストレス緩和に大きな影響があると思われる。

・アミノ酸の味覚情報は舌から大脳皮質前頭前野に入力され、その後に人間の情景や記憶、概念を司る大脳辺縁系扁桃体に伝達される。そのためアミノ酸の摂取は味わいに加えて自身の記憶や歴史に対して類推(アナロジー・共通点探し)が発生させることができる。味わいと記憶が結びつくことで酒が自身の記憶と同一となることが考えられる。日本酒から私の情緒と縁起してイトナミや余韻という概念が生まれたことはこの作用によるものと言える。

出汁(水に生物由来のアミノ酸が溶けたもの)や発酵食品にも同様のことが言える。酒、出汁、発酵調味料といった味覚情報に文化、伝統、民族性、感情的な懐かしさが紐付けられていることはアミノ酸の情報が扁桃体に入力されるためである。

出汁が重なるということは
それだけ生命数とその習性が入力されるということ
生命を取り込むとその種社会や環正解をみれるようになる
テラフォーミング能力がほしい
納豆キムチは日本と韓国の融合と置き換えられる
味噌ラーメンチーズ乗せはアジア人であり遊牧民であるモンゴル人に大ウケする?

・上記と同様に、アミノ酸からは自然生命を類推することができる。生物を定義するときに「体内のアミノ酸からタンパク分解酵素を合成して自身を前もって破壊し、摂取したアミノ酸で破壊した部分に新しく自身を合成する有機体が生物である」とするならば、様々な生物のアミノ酸の出し入れによる循環こそが自然生命の正体であるといえる。

自然生命とはヒトとヒトという2者が存在することでヒトは人間であることと同じように、個体や単体ではなく、多種多様な生物のあいだで流れるアミノ酸(窒素)の絶え間ない歴史であり、この流れはすべての存在に共通するイトナミの正体であるとおのずと類推できる。

ルフィのヒトヒトの実(モデル:ニカ)は世界に満ちたイトナミを形にするはずだ

この地球上の動的なアミノ酸の流線上に存在するすべての生物に対して、あなたは私の類縁であると認識することができれば「私はあなたである」という御神酒の果たすべき使命である直会(人と人、人と神が直り合う。日本の神とは自然神である産土と御先祖様である祖霊を指す)を全うすることができる。人間は頭の中で、概念の中で、異なる存在を同じにできるとても素晴らしい能力を持つ。

類縁

窒素やアミノ酸の流れや自然生命は、古代思想、東洋思想の縁や縁起の儀礼と密接に関係していると思われる。窒素の流れ(自然生命)はもちろん人間の眼には見えないが、空気、水、土、作物、人といった現実世界に存在するものを利用して様々な方法で表現され、人と人、人と神のつながりを再確認してきた。

手塚チルドレンだから生命を描いてみたくなる

お酒を飲んで繋がりをつくるといいますが、お酒を飲むと私たちはすでに繋がっていることに気づいてしまうと言ったほうが正しいのかもしれません。お酒を飲んで欲望と自我を増幅させれば繋がりは消え、お酒を飲んで共感すれば繋がりがおのずと現れる。

お酒が美味しいことも、自然が美しいことも、家族が大切なことも、子供が可愛いことも、仲間が必要なことも、お祭りが楽しいこともつながりを確認できるという意味で、すべて同じ喜びがあるように感じます。

自分には何かが足りないという欠乏からお酒を飲むのではなく、自分や他者にはすでに同じものが満ちているということに気づくためにお酒を飲めると良いなと思いました。人と関係しているとどうしても色々あって、それはなかなか難しい。

現代社会は欠乏からはじまることが前提とされており、私たちは何者かにならなくてはいけないし、生活するにはお金を稼がなくてはならない。何もしなければ自身の価値もお金も足りないから、自分にはなにもないと思いこんでしまう。そうして自我や自己愛、承認欲が広がって欠乏の社会が維持される。その環境で子どもたちを育て、子供がまた親になりと欠乏が永遠に連鎖していく。だから何もしなくても自分には満ちていると思うことはとても難しい。

持つことから既にあることへ
フロム先生が言っていた

本来、人間は存在しているだけで十分だった。おばあちゃんは存在しているだけで尊く、子供は存在しているだけで可愛らしい。そのことが成長するに連れて欠乏の自我に包まれていくとわからなくなってしまう。

本当は食べて排泄しているだけも、存在しているだけでも自然生命の窒素循環の一部を担っているのだからとても大切な生命であり存在だ。私たちは山で1回排泄するだけでもそこから多くの生命を生むことができる。このことを知っていても怒りや悲しみがきっかけで簡単にわからなくなる。

マイフンウンコロジスト

地球規模でも宇宙規模でもこの世は10次元で影響しあっているから無意味な生命など存在しない。我々の4次元的認識では4次元空間に6つの次元が干渉しそれが無限の層になっているため1つの事象が全ての次元に即波及する仕組みだ。認識の次元を上げれば次元も増えるから、私は全てであるし、全ては私であるから足りないことなどなく常に充足しているはずだ。

お酒は不思議なもので人の欠乏も充足も大きくする。できれば充足に気づくお酒にしたいと思う。いや、それは欠乏から始まる言葉だから、すでにあるからはじめたい。私にはそんなお酒ができるポテンシャルがすでにある。ないことはない。それが現れるかどうかは祈りの行動次第であり、オートポイエーシス(なるべくしてなる)だ。

すでに繋がりやできる土壌はあるのだから、それに気づけるような酒が現れてくれると良いなと思います。今季はアミノ酸主体でやってみます。



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