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いわゆるひとつのメークドラマ8 見えた 何が イトナミが
神は人々に米を贈与しました。
巫女は米に命を贈与して酒にしました。
巫女は酒を神に贈与して、神は御神酒になりました。
巫女は人々に御神酒を与え、人と神は群れになりました。
人と神はともに酒を飲み、ともに踊り、その力を高めて、ともに未来を創りました。
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人は酒を造り、酒を飲むことで、自然や神という縁を万物に広げます。
そこで発生した縁は、全ての存在と時間を包み込み、全ては1つの大きな共同体であるイトナミの姿に還元しました。
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存在と時間を忘れた世界、それを無限といいます。
日本の酒の縁起儀礼は、現実に無限を表現する、実無限の儀礼でした。
日本人は神と酒を通じた縁起儀礼を行うことで、人々の存在と時間を忘却し、人も神も何もかもを縁で包んだ日本というイトナミの群れを作り上げました。そしてその営みが未来永劫に続くことを人々に体感させたのです。
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人間は、明るい未来が想像できて、自分がそこに対して貢献できていると実感できれば、大抵のことは乗り越えられます。各々が日本という大きなイトナミの群れに貢献し、百の姓をなしてこの国を存続させてきたんですね。
百姓と八百万の神、この言葉の背景には数え切れない人と神の縁起があり、とてつもない時間があったことを想像させます。
百姓と八百万の神の縁起によって生まれたものが酒なのでしょう。
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現実に無限を表現する実無限
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すべてのものは存在と時間の忘却により縁起し、永遠回帰によって無(0ゼロ)に還元されます。無には縁が満ちており、すぐさま存在と時間を与えられて今までの存在を持ちながらも新たなものに書き換えられます。
その時、その当事者は星の時間を体験し、全てにとっての両義的存在となります。
なんかめんどくさい話ですね。
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次の私のテーマは、実無限を表現することになるでしょう。
私の造る酒が人に存在と時間を忘れさせ無に還すものであるならば、その酒は新たな営みを造る酒になるからです。
覚えるためにも、産むためにも、造るためにも、いちど無に帰る必要があるのです。
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それには縁起的醸造法が必要です。
それは異なる性質を持つ者同士を互いに贈与させて意図的に縁を起こす製造方法です。
私が杜氏になったときに、生酛と吟醸を掛け合わせたように、また3BYで水もとと吟醸を掛け合わせたように、あらゆるものに縁起の概念を組み込みます。
これらは実験に近いものになり、清酒免許の範疇を超え、私のライフワークにもなるでしょう。
確定した情報だけを縁起させてもなんの意味もありあせん。
わかっていることも、わからないことも、縁起させてやってみます。
長い長い試みです。
縁は儀礼によって意図的に起こすことができる。
しかしその結果の形は誰にもわからない。
それでは今回のコラムの大きなきっかけとなった
立花隆の「エーゲ 永遠回帰の海」とともに、この実無限の世界を少し紹介して終わります。
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魂の不死というものはない。
肉体の死とともに魂も死ぬ。
それによって人間の魂は無に帰す。
しかし、やがて、すべてが永遠に回帰するのだ。
一切は行き、一切は帰る。
一切は死滅し、一切は再び花開く。
一切は破れ、一切は新たにつぎあらわされる。
一切は別れ、一切は再び相まみえる。
存在の円環は 永遠にみずからに忠実である。
すべての刹那に存在ははじまる。
万物は永遠に回帰し、われわれ自身もそれとともに回帰する。
時間は一つの方向に不可逆的に流れるものではない。
時が円環であるならば、はじめもなければ終わりもない。
過去は同時に未来で、未来は同時に過去である。
現在は永遠に過ぎ去りゆく一瞬一瞬ではなく、永遠そのものである。
現在はすでに無限回繰り返されたことがあり、未来においても無限回くり返される。人はまさにこの現在の一瞬において、過ぎ去りゆく時を生きているのではなく、永遠を生きている。
見よ、これが永遠なのだとニーチェは言う。
頭で考えている限り、わかったようなわからないような思想と思われるかもしれない。
しかし、人気のない海岸にある遺跡で黙ってしばらく海を見ていると、これが永遠なのだということが疑問の余地なく見えてくるような気がすることがある。
見えた
なにが
永遠が
かつてそう書いて詩人を廃業した詩人がいた。
永遠を見る幻視者たりたいと思うが、それをほんとうに見るのは怖いような気もする。
私はこの文章と日本酒をとりまく営みがリンクして、大きな感動を覚えました。
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わたしでもあり妻でもあり、そのどちらでもない縁起的存在
1つのことを極めるとその反対側が見えてくる。
後ろの正面が見えはじめました。
その2つを贈与させると縁が起こり、永遠回帰して無に還る。
その世界を見た者は縁によりもう新しい存在となっている。
「見えた。なにが。イトナミが。」
わたしも確かに見たんだと思います。
イトナミ(縁)を。
見てしまったら、やるしかないでしょう。
大日如来の大不思議世界
大不思議すぎて理解不能
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南方曼荼羅
ルとヌ
私が見たイトナミはオかワからみたイだろう
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怪物曲線
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永遠に増殖するフルクタル
岡潔
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数学で無限を表現(難しすぎて一切わからない)
岡本太郎
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過去、現在、未来、表、裏を同時に表現
エッシャー
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風景のなかに存在する無限の縁を可視化
宮沢賢治
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すべてに縁を持ったイーハトーヴの世界を文章化
ドゥルーズ
千のプラトー リゾーム(挫折した)
誰か教えてください
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日本酒の儀礼については
神埼宣武先生が
そして過去と現在と未来をつなぐ巫女的存在として
中沢新一先生の本が
わたしに縁起を伝えてくれました。
そして岡潔やフロムが、自分の情緒から発したことを素直に出すことの大切さを伝えてくれたことで、このような話を公にする勇気を持つことができました。
その他いろいろなものごとが縁起され、いまの私の酒造りがあります。
先人の方々、本当にありがとうございます。
私もいつか懐かしさの一部になれるように。
夏の自由研究 日本酒の縁起について
2022.8 小島達也
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