【酒造】イトナミ梅酒 奥出雲産梅使用
イトナミ梅酒
第1弾のイトナミレモンに続き、第2弾のイトナミ梅酒の製造を行いました。
イトナミブルワリーの酒は日本の農産物のイトナミを凝縮する酒。
レモンの時と同様に、梅のイトナミを天穏の純米酒に凝縮させるような梅酒の設計をしてみました。
漬け込み
まずは天穏純米酒に梅を漬け込みます。
一定の容量の純米酒に梅1個、2個、3個と漬け込み、最適な漬け込み量を探ります。
イトナミ梅酒はあらゆるイトナミを感じることが目標です。
梅の味だけをできるだけ強くするという考えではなく、天穏純米酒も梅もしっかり両方生きる漬け込み量にするように純米酒と梅のバランスを決定しました。
ひとつづつヘタを取り、純米酒に漬け込みました。
漬け込み期間は約2ヶ月。青梅の香りと酸を純米酒に移しました。
梅の香りと酸がありつつ、純米酒の旨味も感じるベースの梅酒が出来上がりました。
梅ペースト
青梅が純米酒の中で眠っている間、もう一方で、氷温冷蔵庫で青梅を追熟させました。
氷温冷蔵庫の温度はマイナス、普通は凍ります。しかし振動を与えているので梅は凍りません。
この冷蔵庫に入れておけば梅は悪くなることがないので、じっくりと梅を追熟させました。
追熟した完熟梅。ヘタと種を取り出してペーストにします。
ペーストにするのはこの機械。日本にはあまりない海外のすごい機械らしいです。
擦り潰すのではなく、ミクロで切断できるので、美味しいペーストができるらしいです。
刃は安来鋼。島根の技術が世界で使われています。
このペースト加工作業は、同じ出雲のかみありづきさんに依頼。
ペーストは真空パックにして冷凍。完熟梅のイトナミを凝縮した完熟梅ペーストの完成です。
調合
漬け込んでいた梅を引き上げます。青い頃とだいぶ変わりましたね。
青梅のイトナミが純米酒に抽出されました。しかしまだこいつはまだ生きています。
この漬け込み梅の儚いイトナミも取り込みたいということで、種をとって荒目にペースト化します。
梅酒のカリカリの梅も美味しいですもんね。
ここで材料が揃いました。
青梅を漬け込んだ純米酒
漬け込みカリカリ青梅の荒目ペースト
完熟梅ペースト
静岡 村上養蜂ビーハイブの完熟生はちみつ(百花蜜)
自社製造、島根県産のもち米ときぬむすめでつくった麹の甘酒
砂糖は使いたくないので、今回もちゃんとした蜂蜜と甘酒で味を整えます。
調合後。にごりは旨味。
瓶詰め・火当て
なかなかきれいな色になりました。
ビン底には完熟梅ペースト、青梅ペースト、甘酒の破片が沈殿しています。
梅の酸と甘酒のアミノ酸でなんだか体に良さそうですね。
エチケット
エチケットデザインはイトナミの画家、伊藤香奈さんに頼みました。
テーマはイトナミの俳人、松尾芭蕉の名句
「梅の香に のつと日の出る 山路哉」
まだ暗い山道を歩いていると、どこからか梅の香りが漂ってくる。
その梅の香りに誘われたかのように、日の出がそっと顔を出し、暗闇を徐々に照らしていく。
暗い道を行く不安な気持ちが、梅の香りと朝日の光で満たされいく様子が想像できます。
このイトナミ梅酒を飲んだ方々も、その様な心情になって貰えたらと、ラベルにしてもらいました。
芭蕉の句のように、時間をかけて見れば見るほど沁みいるようですね。
イトナミ梅酒の飲み方
口当たりは柔らかい純米酒と蜂蜜の質感。
その後は梅酒のイトナミを凝縮したしっかり酸っぱい梅酒になります。
青梅の酸、完熟梅の酸、漬け込み梅の酸、多層的な酸が押し寄せます。
まずは冷やしてストレート、ロック、ソーダ割りで。
温めると純米酒、はちみつ、甘酒が活性化して甘旨さが湧き出てきます。
飲むたびにすっぱうまい梅のイトナミにハマっていくでしょう。
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