【インタビュー第6回】京都円町 島酒店 島健太さん
2022年08月03日
京都 島酒店 島健太さん
島酒店 インスタ
京都府京都市中京区西ノ京円町24-4
TEL.075-463-7166
FAX 075-320-3557
[営業時間][月・火・木~土] 10:00~21:00
[日・祝] 10:00~20:00/日曜営業
[定休日]水曜日
島さんは天穏がきっかけで島酒店の店内に15度セラーをつくってくださいました。
今回の訪問では、そのあたりを中心にお話をお聞きしてきました。
若いスタッフが多くていい雰囲気のお店ですね。早速、天穏の印象を教えていただきたいです。
「島さん:体に浸透していくような柔らかさ。すごくプロ好みの酒のようだけど、若い人に飲んでもらってもナチュラルに美味しいが伝わるお酒ですね。」
「あと、ちょっと怖いのは杜氏のカリスマ性が強すぎてあと5年後、10年後とかどうなってんのかなって笑。」
「いまのフラット感、清らかさがさらに極まっていった時にスーパーナチュラルにフラットになるのか。思想が極まったときに僕が天穏についていけるかなあとか、色々思いますね笑。」
「小島さんは革新的なことをやってるつもりではないかもしれないけど、こういう酒が若い人にもバッて伝わって浸透したら良いなと思います。だから欠品が多いのを何とかしてください笑。」
島さんは天穏の蔵見学がきっかけでお店に15度貯蔵の部屋を作ってくださったんですよね。
「天穏のお酒って燗酒のイメージが強いから常温においてあるところが多くて、でもそうじゃないねん、ひとくくりに常温に置いとく酒じゃないねんってずっと思っていました。でも冷蔵管理するのも冷酒って誤解を招く気がして…。」
天穏は燗酒でもあり冷酒でもありどちらでもない。
ジャンルに落とし込める酒ではないですもんね。
「それで蔵にお邪魔した時に試飲酒を15度でズラッと並べてはるのを見て、これだ!これを酒屋としてこれをやりたい!って思って天穏部屋をつくりました。はい、この場所は天穏部屋って呼んでます笑。」
ありがとうございます、これは視覚的にもお客さんに適正温度が伝わりやすいですよね。
島さんの中で常温貯蔵(20度以上)で管理してある天穏と、蔵で試飲した15度貯蔵の天穏は明確に違ったんですか?
「試飲した酒は15度に管理されたの蔵の中で開栓放置されていたんですよね。生酒も15度で置いてあったし。開栓してから何ヶ月も経った酒もあった。でもそれがとても美味しくて良かったんです。」
「ふわっとした酒屋だけど芯は持っておきたいって思って蔵と同じ環境の天穏部屋をつくりました。」
この天穏部屋が島さんを象徴してますね。
天穏は名前の通りに、飲んだ人の心を穏やかにする酒がコンセプトなので、冷酒であり、燗酒でもあり、色々なジャンルの間に存在する両義的な酒である必要があります。
どっちが良いとかではなくて、異なる2つ世界をつなぐ存在でいればいいかなと思っています。
味の好みで分断をつくるのは穏やかではありませんから。
だから天穏のおすすめの温度は?と聞かれると冷酒、燗どちらも行けます。
そのためには15度で酒質が安定していないといけないので、常温で美味しい酒を狙っていると答えます。
「天穏はそういう存在になりつつありますよね。」
天穏でおすすめの1本はありますか?
「天頂を推したいですね。感動して。一口でもう満たされる感じ、普段の天穏よりも色気を感じて、これは置いとかないかんなって思いましたね。舌先の当たりの柔らかさとかもあるし、ワッ!て感じる酒でした。」
天頂は4~50年熟成してもいいくらいの酒ですね。
島さんのお客様で、天穏を使ってくださっている京都のお店も教えて下さい。
日本のお酒と肴 澄吉 京都市中京区押小路通室町西入蛸薬師町291-3
日本酒と日本ワインに特化しておられるお店です。
お酒の仕入れを担当している方が生酛の世界に魅せられて、そこから天穏の凄さに感動してくださり、当店が扱う全ての天穏を使ってもらってます。 実は当店の天穏部屋を作る際にこちらのお店のセラーも参考にさせて頂きました。
柳馬場鱗 京都府京都市下京区相之町141 1F 奥 TSビル  
京都といえば鱗さん。蔵見学にも一緒に来られましたね。わたしも富小路時代には伺いました。
「柳馬場 鱗さんには天穏を扱うきっかけも頂きましたし、その歴史も教えてもらいました。」
いま京都で注目のお料理人さんで、こちらはカジュアルながらもハイセンスなお料理にペアリングを想像して天穏を扱って頂いております。
島酒店さんは店内に蔵と同じ環境を作ってしまうほどの天穏愛。
嬉しくなりました。
島さんありがとうございました!
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