喩えるのはムズカシイネの整理

10月1日金曜日に配信された「いんよう!科学ニュース雑談」から。

https://youtu.be/y_sGTftY_U0

理系科目はすべてポンコツであるわたくしが雑につまみますと、光遺伝学という脳の研究を行なう際にアーキアを使ったことが奏功して、研究者が賞をもらったらしい。脳に光を当てるとナンカがわかるのが光遺伝学、生物を大きく三種類に分けた一つがアーキアではないかと理解してる(理解できてないけど)。

界隈の人々にとって、アーキアと光遺伝学の組み合わせは「お?」となるものらしい。そしてこの「お?」なニュースを解説するのにアートを持ちだした記事があり、牧野曜さんはそれを紹介している。「もにょった」ということだった。かわいい。

詳しくはYouTubeを見ていただきたい。牧野さんはサンキュータツオさんにその「もにょり」を聞いてもらって、タツオさんは豊富な知識から見事にそれを解説して、この記事を書いた人は横井軍平を知らなかったんだねという結論へ導くわけだが、常識のないわたくしは横井軍平氏も「枯れた技術の水平思考」も存じ上げず、うんうん、うーんと?そうなんだ、と頭からハテナを出しつつわかったようで納得しないまま配信を見ていた。ものを知らないって困る。

その後横井軍平氏をググって今さらながら「すごいな」となり、泥縄でうすーく自分なりに整理したことを書いてみたい。うすい泥縄だからすぐに崩壊しそうだし、崩壊してたら鼻で笑ってください。

まずマグリットだ。マグリットはいい。中学の頃に「大家族」を見てからずっと好きだ。生まれて初めてのデートは竹橋の近代美術館での「マグリット展」だった。このくだり全然関係なかった。

さてマグリットはダダイズムとかシュールレアリスムから出発してポップアートへの橋渡しをした人だと思っている。伝統芸術くそくらえがシュールレアリスムの根源の一つだから固定観念を崩して驚きを与えるのは当然と言える。あなたの見ているものは本当にそこにある?これはパイプの絵だけどパイプじゃないよ?

ここから「枯れた技術の水平思考」を引っ張り出したタツオさんすごいな。まさにそういうことだ。今まで普通だと思っていた世界、物体に違う感覚を与える。便器を持ってきてこれ作品です!という価値を見せる。硬いはずの時計を溶かして見せる。組み合わせの妙で常識を揺さぶる。

アートにおいてcreationはsurpriseをもたらす。

開店しないプラダも、海戦記念広場であるトラファルガーにある子供の像もsurpriseをもたらしたcreationだ。決してcreatしたらsurpriseになりましたよハハハ、ではない。それは気を衒ってみたらたまたまよさげに見えただけ。

光遺伝学にアーキアを使おうと思った研究者たちは、creationしたわけではない。目的をもって合理的に実験を行ったのだ。結果としてsurpriseな組み合わせであっただけで。

さらにマグリットや銅像は合理ではない。制作の意味なんて単に表層的な枝葉末節である、と中島智さんも言っている。シュールレアリスムを持ち出すまでもなく、芸術に存在意義や目的を求めても意味はない。既存の制度の中に組み込んでどうする。

つまりcreat、surprise、合理、おもしろい組み合わせだね、という共通項でサイエンスとアートをくくろうとしたところに二重のズレが生まれてそこに「もにょり」の一端があるのではないだろうか。というのがわたくしなりの結論。

とても尻つぼみになってしまった。牧野さんとタツオさんにようやくここまで追いついた。牧野さんからするとうーん全然違う、かもしれないんだけどわたくしはひとまずすっきりしましたのでよしとします。と言いながら大丈夫かな、とドキドキしている。

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