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スタートアップ初期メンバーへの期待と処遇

4月の創業に向けて、創業メンバー・初期メンバー集めが佳境に入っています。

自分でも驚くような人間的に魅力があり、能力的に優秀な方々にお会いできています。

まだスタートしていない僕の会社に興味を持ってくれて本当に有難い限りです…。

2月中旬、遅くとも2月末には創業メンバーを確定させたいと思っています。

改めて、創業メンバー・初期メンバーに期待すること、処遇などについて整理しました。

(すべてのスタートアップがこうあるべき、という考えではなく、僕が創業するスタートアップはこうしたい、という考えを書いています!)

⚫︎創業メンバー・初期メンバーへの期待

お互いにミスマッチがないように、ジョインして下さる方には創業メンバー・初期メンバーに期待することはきちんと言語化して伝えたいと思っています。

①共感性

起業準備をするにあたり、最初に取り組んだのが企業理念(ミッション・スタイル)の策定です。

私が大切にしたいこと、やる事業を踏まえ、言語化しました。

これまで数十社(直接的だけではなく間接的なものも入れると数百社)のスタートアップを見てきました。

創業後から拡大期に陥るのが、スキルの調達という観点だけで採用してしまい、カルチャーフィットがなく、その後組織が停滞、崩壊してしまうということです。

どれだけスキルの高い人が集まったとしても、バラバラの方向を向いてしまっていてはパフォーマンスに繋がりません。

特に創業期は右に行くかも左に行くかも定まらない時期なので、迷った時に最低限の判断基準が揃っているというのは有効だと思います。

創業期なのでカルチャーが現存するわけではありませんが、「こういうカルチャーをつくっていきたい」という合意は大切です。

そのために、これからつくる会社のミッション・スタイルをしっかりと伝え、共感性を確認するようにしています。

逆にそうやって人を集める以上、僕がミッションからブレない覚悟を持つというのは組織づくりの大前提になります。

②柔軟性

スタートアップを創業していく際には、取り組むプロダクトも、チームも、様々なことが変化していきます。

プロダクトづくりにおいては、初期的な仮説が崩れてしまい、違うアプローチを試みなくいけなくなることも出てくるでしょう。

その際に「聞いていたことと違う」と捉えるよりは「だったらどう動けば良いだろうか」と自分で考えられることはとても重要です。

また、チームも状況に応じて変わっていく必要があります。メンバーが一人増えるごとに各人が役割を見直すという姿勢が求められます。

特定の役職や役割に個人的な理由で固執するタイプよりは、組織の合理性で自分で役割を調整できるタイプの方が良いかなと思います。

(但し、役職と報酬は分離させ、いかなる役職や役割であろうと成果や能力に対してしっかり処遇します。)

まずは僕自身が柔軟性を発揮する必要があると思っています。

プロダクトの初期的な仮説には相応の自信がありますが、創業後も抜かりなく情報取集や仮説検証を進め、必要であればテーマ以外はゼロリセットする覚悟を持ちたいと思います。

またチームについても、僕よりもミッションを実現するリーダーにふさわしいメンバーがいれば、喜んでCEOを譲りたいと思っています。

(ちなみに、VCからの資金調達も進める予定ですが、外部取締役が僕がCEOにふさわしくないと判断したら、解任され、かつ後任に保有株式も譲渡する仕組みを入れても良いかなと思っています。)

③自走性

創業期は、少ないメンバーでプロダクトづくりとPMF(プロダクト・マーケット・フィット)に向けて取り組むことになります。

正直、指示や育成などのコミュニケーションコストは最小限に留めるべきであり、自分で考え、動くことが全メンバーに求められます。

指示をもらえれば動けますというタイプが多すぎるとチーム全体のコミュニケーションコストが必要以上に増えてしまいます。

また、その逆の観点で言えるのは、指示は出すけど、手や足は動かしませんというタイプがいるとこれもまた不要なコミュニケーションコストが増えます。

(ちなみに私も最初の100社くらいまでは一人で売って納めるくらいの腹ぐぐりでいます。)

自走性(自ら走れる特性)は初期メンバーに求めたいポイントです。


⚫︎創業メンバー・初期メンバーの処遇

メンバーへの期待と同時に、メンバーがどんな処遇を期待して良いのか、という処遇を明確にすることもミスマッチを防ぐために必要なことなので言語化してみました。

①リスクテイクに対する報酬

スタートアップである以上、成功した際には関わる人たちに可能な限りのキャピタルゲインを得てほしいと思います。SOプールも可能な限り確保する予定です。

その上で成功した際のキャピタルゲインを「誰に配分をしていくか」は、雑ですが、大きく分けると2つの考え方が世の中にはあると思います。

1つ目は優秀なメンバーは後からジョインしてくることが多いので、SOを後に残しておくという考え方。

2つ目は初期のメンバーは大きなリスクを取っているのだから、より大きな比率のSOを得るべきだという考え方。

僕は後者ですね。

やはりスタートアップもステージが後半になるに従ってIPOなどの可能性は高くなっていくはずです。

逆に序盤でジョインするメンバーはキャピタルゲインがゼロという可能性も大いにあります。

勿論、バランスは大事ですが、各事業年度ごとに割り当てるSOを決めておき、メンバーが少ない序盤の事業年度はその分一人あたりに割り当てられるSOの比率は多くなるべきだと思っています。

②パフォーマンスに対する報酬

また、SOを配賦していく際に「いつ比率を決めるか」という論点もあります。

これも大きく分けると2つの考え方があると思います。

1つ目は入社時に比率を約束するという「期待」に対して配分するという考え方。

2つ目は入社後に比率を決定していくという「成果」に対して配分するという考え方。

僕は後者です。

どんなに素晴らしい経歴や職歴を持っていたとしても、実際にジョインしてみなければ分からないのが不確実性の高いスタートアップだと思っています。

比率を約束しないとなかなか優秀なメンバーが採用できないという考え方もあると思いますが、本当に優秀で自信があるメンバーはフェアに処遇されるイメージが沸けば入口ではそれを求めないという実感値もあります。

予めグレードごとに割り当てられるSOのイメージを設定しておいて、事業年度ごとの評価も加味しながら割り当てていくべきだと思っています。

③報酬に対するフェアネス

①や②を実現していくためにも重要なのが、フェアなルールがオープンになっている状態です。

「生株を渡す」というような不可逆な方法はデメリットが大きすぎるように僕は感じますが、一方で後からSOの比率を決める方法はCEO次第でどうとでもなってしまうリスクがメンバーに残ります。

起業準備を始めて企業理念の次につくったのが人事制度です。

スタートアップ初期のタイミングは人事制度も多分にフレキシリビリティが必要なのですが、少なくとも何もルールがない中で創業者の感覚だけでひとりひとりに相対で処遇を決めていくような方法はジョインするメンバーにとってリスクが高すぎると思っています。

人事制度を候補者の方々にオープンに開示しながらオファーを出そうと思っています。

またSO中心に書きましたが、サラリーについても、「スタートアップだから年収は低くあるべき」ということに捉われすぎず、「年収500万のメンバー二人よりも、年収1000万のメンバー一人の方がコミュニケーションコストを踏まえると遥かにパフォーマンスが高くなる」というような視点はきちんと持ちたいと思います。


勿論、これから起業するにあたり最も大切なのはプロダクトであり、PMF(プロダクト・マーケット・フィット)であり、それらを生み出す期間を走り抜けるキャッシュです。

会社が成長しなければキャピタルゲインどころではありませんし、SOはすべて紙屑になります。

(1月はプロダクトイメージを深めるための時間もしっかり取り、ビジネスやプロダクトイメージの解像度は数倍になったと思います。)

ただ、いかなる時もビジネスを成功に導くのはひとりひとりのメンバーであり、チームです。

素晴らしいメンバーを集め、迷いなく走り抜けるチームをつくるための「期待」と「処遇」は明確にしておきたいと思います。


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