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歩くということ 2021.4.8 前編/吉原宿~沼津宿
3日目の朝、目覚めると身体中が筋肉痛で、身体がめちゃくちゃ重い!(泣)
まだ、3日目なのに先が思いやられる。今日歩けるかな~っていうくらい両脚がパンパンで一歩あるくごとに、どっこいしょっ、どっこいっしょっ、て感じで右足、左足を持ち上げないと脚があがらん!これも初体験(苦笑)。大好きな、卵かけご飯をいっぱい食べたら元気出るかなと思って生卵3個を大盛白ご飯にたっぷりかけて食べたらようやく、元気がでてきた。3日目で休むわけにもいかんし、しょんない、元気だして今日も歩くか!
東海道を行くには富士駅を北に大きく迂回してから南に下るのだが、地図をみると迂回するのがすごい遠回りできっとつらい!東海道を歩いたことにならないけど、そんなこと気にしてる場合じゃないから、ここはショートカットして南に行って、田子の浦港を見ながら、そのまま千本松原を歩こうと決めた。沼津に辿り着けるか不安で、最初から弱気だ。
案の定、歩きはじめて一時間もしないうちに左足のふくらはぎがつった。脚をとめると痛くて動けなくなるから、つったまま、しかめっ面しながらのそのそ歩く。そうこうしているうちに、こんどは左足の太ももがつった。いってえぇぇぇ~なぁぁぁ~って叫びながら歩いてる変なおっさんだ。歩くことを甘くみてるからこんなことになるんじゃ、ドあほっ!とかどうでもいいことを呟きながら、でもなんか言ってないと、気がまぎれなくてホントに泣きそうになる。
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田子の浦港から見る富士山はどんな景色だろうかと楽しみにしていたけれど、あるのは製紙会社のでっかい倉庫、製紙工場やら、工業団地が田子の浦港周辺には広がっている。だから、なおさら気が滅入る。左に目を向けると、赤と白のしましま模様の煙突のさきっぽからもくもく煙が出てる。煙突と倉庫の合間からちょこっと富士山の山頂に雪が積もっているのが見えた。毎日ティッシュとトイレットペーパーのお世話になれてるのはこの製紙工場があるおかげだよな。なんて思いながらも、白いもくもくと山頂の雪の白さが被るこの光景に正直複雑な気持ちになった。小学生の頃、お正月に遊んだ百人一首に出てきた田子の浦。恥ずかしくもあの頃から記憶がとまってる。ネットでその歌を調べてみると、こうある。
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田子の浦に打出でてみれば白妙のふじの高嶺に雪は降りつつ
作者:山部赤人(やまべのあかひと。7~8世紀)。奈良時代初期の宮廷歌人で、万葉集の代表的歌人。
*当時の田子の浦は、現在の場所と異なり由比~蒲原のあたりらしい。
それでも、それはそれは言葉にならない美しい世界がここにも広がっていたのだろう。
戦後、この場所はヘドロ、大気汚染、健康被害など様々な問題を抱え改善しながら現代に至っている。自然を破壊するのもひとであれば、山部赤人さんが見たときほど美しくなくとも、元に戻せるのもひと。その元に戻すための一員にはせめてなりたいと思う。
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