新しい住居

タカオが来伊するタイミングで、アメリアの引っ越しが実施された
新しい住居は、レストランから目と鼻の先
VIA GIUSTIZIA に面したアパートだった
この通り沿いには大きなスーパーもあり、公園もあり、そして何より商業店舗が軒を連ねているのがありがたい
僕の髪の毛をオレンジ色に染めた美容室この近くだった

ここに移り住んでからは、休憩時間がかなり有効的に使えた
なんせ、目の前からVENEZIA PIAZZALE ROMA行きの L'autobus が出ており
そのバスはメストレの中心街も通るので、かなり好立地に移った感じになった

タカオとは一緒の部屋で、窓から緑も見えるなかなかの部屋だった
休みの前日や週末にはディスコテーカに行ったり、バールに行ったり満喫できた

ここでの生活は、言葉を覚えるために２人で歌を覚えよう！ということになった
選曲はその当時人気絶頂の「パオラ＆キャラ」の "BELLA" だった！

Che cosa c'e'?　どうしたの？
Che cosa non va dentro te?　何が納得いかないの？
E sei splendida　君はこんなに美しいのに
Seduta su quella seggiola　そのソファに座って
Ma nei tuoi occhi blu　君の青い瞳の中に
Non ti ci senti piu'　僕らは君をもう感じない

Sei cosi' bella e sai perche'?　君はこんなに綺麗なのはなぜか知っている？
Non ce'e' nessuna come te　なぜなら君みたいな人は誰もいないから
Unica al mondo, solo tu　この世の中、君だけ
Ma non ti basta vuoi di piu'　でも、君はそれ以上を望む
Vedrai, ti butterai　もっと貪欲に欲しがる、君を投げ打って
Sembra banale, che ne sai?　簡単なことだけど、君は知っているのか？
Sei bella, tanto bella sei　君が綺麗なこと、すごく綺麗なこと
Non lo dimenticare mai　君はそのことを忘れちゃいけない

こんな歌詞だが、メストレの街にある古着屋のマーガレットに語りかけながら
イタリア語の恋のささやき方を覚えた

ZOO、パパイヤ、アイダ、キング

市街地を走るアウトブスと違って、プルマンというブルーのバスは中長距離の高速バスで、街の中心地と中心地を結ぶ非常に便利な乗り物である

パドヴァやトレヴィーゾ、ヴィチェンツァなど隣街へは、列車で行くよりも安く、しかも街の中心地-チェントロチッタに乗り入れるので、駅からわざわざ歩かずにすむのが便利だ

ヴェネツィアの北に “Lido di Jesolo” (リド-ディ-イエゾロ)という避暑地がある　これが素晴らしく美しい街で、10kmほどの白浜の海岸沿いに、メインストリートが並走し、その道の両サイドにはブティックやレストラン、パブが軒を連ねている可愛い街だ
オーストリアやドイツからもヴァカンスに来るので、ドイツ語も通じる一風変わった街で、
昼の顔と夜の顔がガラッと変わるのも面白い！

ZOO、パパイヤ、アイダ、キングはこのイエゾロで有名なディスコクラブの名前で、週末ともなると人で溢れかえる
レストランのほかのコック達に連れられて、何度か行った　その中でも仲の良いコックだけ半休を取って、夕方の早い時間からディスコクラブに行ったことがあった
サマータイムで時間にしてはまだ外は明るく、踊っているイタリア人も少なかったが、僕らはDJに最接近して踊った
「Forza!! italia!!」(イタリア、がんばれ！)と周りにいるイタリア人達にワーワー言うと、皆ドン引きしていたが、その中に女の子が一人乗ってきて一緒にはしゃいだのは本当に楽しかった！

楽しい遊びを覚えたのだが、車を持っていない僕とタカオは、休みの前日の週末の営業が終わってから、このプルマンに乗ってイエゾロのディスコクラブに踊りに行こう！という流れになった

思う存分遊んだが…

初めはメッチャ楽しんでいた！覚えたての恋のささやきも試せる絶好のチャンス！のはずだったが…夜中からだんだん時間と共にお客も引いてきた、気づけばもう3:30すぎ、僕らも疲れがでてきて店を後にした　
外に出たがやっている店もなく、僕らは道路のベンチに横になって眠りについてしまった

アパートに戻ったが相当疲れたのか、そのまま寝てしまった。次に起きたのはもう夕暮れ時、何か時間の感覚がわからなくなって動揺したが、二人は起きて夕飯を食べた
それ以降バスでディスコクラブに行くことは無かった