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お笑い芸人になる前のお話

まず最初に、前回のnoteの記事の内容を飛ばし過ぎてしまった事を謝罪したいと思います。

思いついて書き始めて、気付いたらあんな事になっていました笑 面白いって言ってくれた人もいましたが、大半の人は頭が「?」で埋め尽くされた事でしょう。あのたんちゃんが10回読んで理解したくらいですから(10回はいくらなんでも盛ってる可能性大)。

また攻めたnoteを書くかもですが、温かく見守って下さい。喜びますので。


さて、本題に入ります。

今回は僕がお笑い芸人になる前のお話。

小学5年生の時からお笑い芸人を夢見て、高校卒業後はすぐ吉本の養成所(NSC)に入るつもりでした。

父親に「お笑い芸人になりたくて40万払ってNSC行きたい」と言ったら、「金は出さん、自分で稼いで貯めていけ、あと家を出て行け」と言われました。

え、怒ってるの?めちゃくちゃ言うじゃん。

父親曰く、

そんな不安定な収入の仕事は応援出来ないと(確かに自分が父親だったら同じ事言うと思った)。

本当にやりたいかどうかお前の決意を確かめる為にも働けと(これは今となっては凄いわかるけど、当時は一刻も早く行きたかったので嫌だと思った)。

弁護士や税理士になるなら応援するし、金も出すと(うちにそんな金ないだろと思った)。


それから色々話し合いを重ね、月8万の定額貯金をし、家に少しお金を入れ、家の手伝いをする事を条件に貯まるまでは家に居ていい事になった。

次は仕事を見つけなければ。

考えている暇はない。行動だ。

僕はとにかく給料のいい仕事に就きたくて、引越しの日雇い派遣のバイトに登録しがむしゃらに働いた。この時、力は無かったがバスケで鍛えた体力はあったのでどうにかいけていた。

でもなんか違う。

父親の言葉の意味はこうして稼ぐ事なのか?

いや、違う。

バイトはお笑い芸人になってからも出来るけど、正社員として働くのは出来ない。

人生で正社員の経験は今しかない。

考えている暇はない。行動だ。

僕は引越しのバイトを辞めた。

当時、兄ちゃんがスーパーで正社員として働いていて、しかもその店の店長は兄ちゃんの同級生だった。

これだ。

僕はすぐさま兄ちゃんにお願いして一緒に店長の所に行き、頭を下げて雇ってもらった。

もちろん最初はアルバイトから。

スーパーのレジ(キャッシャー)をパートのおばさま方と一緒に、来る日と来る日も打ち続けた。

これを半年間みっちり。

スキャンはもちろんのこと、商品をレジ袋に入れる作業も格段に早くなった結果、おばさま方から袋詰めのムトちゃんの愛称で親しまれていた。

(今でもコンビニ店員さんの袋詰めが甘いとついつい気になってしまう)

そしてついに正社員として正式に認められた。正しい言い方をしたら新卒扱いではないので中途採用である。

朝の8時に出勤して夜の11時まで週5でみっちり働く事に。(気合いと当時19という若さで)

スーパーは大まかに8つの部門に分かれていて

「青果」「鮮魚」「精肉」「日配」「食品」「お菓子」「雑貨」「キャッシャー」

となる。

ちなみにスーパーの入り口から入って出口まで行く導線はこの順番で並んでいる事が多いと思います。

理由は日持ちしない物ほど早くお客様の目に留まるようにする為。

(うんちく入れて軽くドヤ失礼します)

僕が担当する事になったのが「日配」という部門である。

上の8つの中でこれが一番ピンとこない名前だと思います。「日配」とは日を配ると書くのですが、要は日持ちのあまりしない食品などを扱います。

例えば、牛乳、納豆、漬物、練り物、たまごなどがあり、缶詰めやレトルトなどは「食品」の部門の担当になります。

でもなぜかアイスと冷凍食品も「日配」の担当でした。

最初はチーフ、サブチーフが仕入れた商品を永遠に売り場に出す「品出し」という作業をやっていました。同時にスーパーでよく目にする半額割引とかのシールも貼ったりしながら。

(お客さんが見てる時に貼ってあなたの為に貼らせて頂きましたよスマイルをするとより効果的に商品が売れます)

1番キツかったのが冷凍食品が半額割引セールの日の品出し。馬鹿でかい冷凍庫に入ってダンボールから商品をだし、特大の台車に乗せ、手が凍るまで出す作業は地獄でした。

(3割引、4割引とかあるけど。半額になるとスーパー側は赤字になります。お客様に沢山来てもらい他の商品も見てもらう為。なので半額の時はガッツリ買った方がお得です)

(あとアイスの特売日でもハーゲンダッツさんだけは仕入れ値を下げず原価で売ってきます。なので安くしてるのはスーパー側のみ。まさに横綱の貫禄です)

ちょっとうんちくばっか多くなってきましたが、そんなこんなで一生懸命に業務をこなしていたらなんと1年もしないうちに部門で2番目に偉いサブチーフに昇格。まだ19歳です。

売り場も自分で管理してどこに何の商品、特売品を置くか。そして発注や粗利の計算なども任され、正直、袋詰めのムトちゃんから普通に仕事出来ますね武藤さんに進化していた。

この時、ドヤマックスな事がひとつあった。

あの横綱ハーゲンダッツさんが新商品を出す時に店に置いてもらう為、サンプル品を僕が試食するのだ。わざわざハーゲンダッツさんがスーパーに来て。

19歳作業着、相手はバッチリスーツの40代。
もちろんお互いに敬語だし腰を低くして商談する。

むとパン「この商品は凄い濃厚で美味しいですね。売れると思います。」

心の中で自分カッケーと思っていた。
いまもなお人生で経験しておいて良かったなと思う事の上位である。

逆に冷凍食品半額セールを超えるガチキツ仕事だったのが、年末年始のおせち商品の管理だ。

発注する時、
品切れにさせてはいけない
余らせてはいけない
日持ちは全くしない

これを去年、一昨年のデータをもとに毎日の発注を繊細にしなければならない。

これが本当に大変な作業。

年末年始は店に泊まり込む事も多々あった。

こうして色んな仕事をこなし社員になって2年が経った。学費と一人暮らしのお金も貯まった。

最初の決意と変わらない。

お笑い芸人になる為、この苦労して貯めたお金を使いたいと思った。熱は冷めるどころか増していた。

上司にその旨を全て伝えたら、「今まで一生懸命働いてくれてありがとう。頑張れよ。」と認めてくれた。凄く嬉しかった。

そして僕はスーパーを退社して一人暮らしを始めNSCに通い始めた。

あの時の父親の判断は間違っていなかったと思う。遠回りが最大の近道みたいな事だと思うけどこれあってますか?
とにかく父親には感謝を伝えたい。

まだまだまだまだだけど、いつか「よくやったよ、お前」と言ってもらえるよう頑張るのみだ。

もしかしたら1番の目標はコレなのかもしれない。

自分にしか出来ない事。

でも父親、実家蕎麦屋で蕎麦アレルギーなんだよな〜。1番ボケてんだよな〜。

最後まで読んで頂きありがとうございます。今後の参考にしたいので感想聞かせて下さい。よかったらサポートもよろしくお願いします。


おしまい。

ピンタンパン むとパン


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