ふりかえるとよみがえる【毎週ショートショートnote】

――令和の平面ガエルは有能です。
という著作権法に抵触しそうなコピーで、新型の校正ソフトが発売された。
『ルビがえる振ろっぐ君』なる商品名から校正が必要そうだが、ルビ（ふりがな）ソフトらしい。
ルビ振りは出版社泣かせの業務だ。一般の文法チェックや禁則処理に比べ独自性が強く、人手と時間を割かれてしまう。

早速ソフトをインストール。ゲンコゲンコ、カエロカエロと鳴きながら二匹のカエルが画面に跳ねた。
名前は振りかえる君と読みがえるちゃん（振ろっぐ君どこ行った）。原稿に放流すると行間を泳ぎつつおカナじゃくしを産み、文面に広がって殖字が完成するらしい。ルビがえるに成長後は、音声認識による合唱機能――はうるさそうなので切っておくとして、全自動かつ次代継承方式なのがありがたい。
きもち絵面がグロイのも我慢しつつ、完成原稿を試し読み。

最初から怪しいと思ったが、やはり悪質なコピー商品か。
でたらめだらけの原稿に、まちがえるが大繁殖していた。

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副題：Copycat frogs🐸🐸