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小判食え【毎週ショートショートnote】

コバンクエ(小判食え/学名:Economics kobans)

カネ目コバン科に属する金融性の高級食用魚。
寿命の長い出世魚で、時代や鋳造段階によりケイチョウ、ゲンロク、マンエンなど12の異称が存在する。
扁平な楕円型で金属質、食用魚としては小型。成魚でも体長72mm、重さ18gほど(ケイチョウ)。取引相場は一体につき1両(時価変動)。
近縁に大型種のオオバンクエ、変異小型種のゼニクエ、偽造種のメッキクエがある。

乱獲や度重なる改鋳、倒幕により江戸期に絶滅したが、造幣局および博物館、商店・個人所蔵の標本は相当数現存し、歴史的金銭的価値から埋蔵金と呼ばれる。

味は極めて淡白でほぼ無味無臭。金粉や金箔に加工して供される事もあるが、高価で長期保存が利くため、主に商取引や贈収賄、収蔵品に活用する。
近年は外貨種コインクエの流入が増えており、4年に1度のオリンピックイヤーには、金メダリストによるメダルクエの生食が風物詩となっている。


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