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オノマトペピアノ【毎週ショートショートnote】

声楽・器楽に関わらず、音楽を学ぶ人間が頭を悩ませるのが音楽用語だ。
音の強弱、速度や変化、曲想に関するものなど、楽譜には多彩な用語が登場する。しかしこれがイタリア表記の上、『自由に』『ほど良く』『中ぐらい』と総じて曖昧な為、演者の解釈次第でがらりと曲調が変わってしまう。
個人ならまだしも、アンサンブルや大人数のオーケストラでは、演奏以前に用語認識のすり合わせから始める必要が生じる。

この問題を解決すべく、音楽用語に代わる表現法を模索した結果、標識や指示案内でお馴染みのピクトグラムにならい、擬音擬態の共通言語であるオノマトペが採用された。
アンダンテはテクテク。コン・フォーコはメラメラ。トランクィッロはシーッ。といった具合に、各用語に対応したオノマトペが順当に決まっていったが、強弱記号のピアノ(弱く/小さく)に関しては候補が絞りきれず、日本音楽家協会が公募中である。
良案をお持ちの方は『オノマトペピアノ』で応募されたし。



副題:pにまつわるオノマトペ

アンダンテ(Andante)歩くような速さで。
コン・フォーコ(con fuoco)火のように、生き生きと。
トランクィッロ(tranquillo)静かに。
ピアノ(p)弱く/小さく