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台にアニバーサリー【毎週ショートショートnote】

記念noteの第二ページに、踏み台がたらはんと座っていた。
白と青の箱型で、目と口と手の様なヒレが付いている。消しゴムに混じって紛れ込んだのだろう。どかそうとヒレを指で抓むと、踏み台はオモムロに『ア二バーサリー』と鳴き、カ二歩きで罫線を伝って行った。
 
端まで来たら落ちると思いきや、箱足で器用に罫線を踏み、一行ステップアップして今度は逆へカ二歩きを始めた。踏み台を使う踏み台か、一寸面白くなり好きにさせる。週回しつつ罫線を一本越す毎、踏み台は線と線を繋いで奇怪なお題を紡ぎ、noteの書き手達に伝え歩いている様だった。
時折三十秒ほど猫を鳴きつつお題を唱え、罫線の底辺から天辺までカ二歩いた踏み台は、ページの間をたらはんと跨ぎ、はにかんだ四角い目でこちらを見た。
『ダイニ』『アニバーサリー』
 
あにたらはかにらんや、お前も書けというのか。
私はニ本の指で助走をし、踏み台を跳び箱にバサリと第三ページへ参入した。


副題:台二讃頌さんしょう
たらはかにさん、毎週ショートショートnote2周年おめでとうございます🎉