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感想文部【毎週ショートショートnote】

小学校時代、夏休み一嫌いな宿題だった読書感想文は、中二の夏には宇宙一嫌いな宿題になっていた。

「怖い顔しないの。ほら笑って」
事の元凶がテーブルの下、ヒールで俺の靴を踏む。文芸部のOB/OG会、拍手喝采に飛び交う口笛。演壇では俺史上最悪の黒歴史がスライド上映中だ。
『主人公の想いは伝わるものの、言葉選びが稚拙で単調。(中略)ラブレターとして総合評価は二〇点』
原稿用紙五枚にわたるダメ出しの嵐。確かに読『書』&感『想』文だが、こいつのせいで俺のあだ名は『フラレター君』で定着、未だにネタにされている。
「大体なぁお前、感想文は本読んで書け」
「何よ今更。まさか『本』気じゃなかったとでも?」

「相変わらずのいがみ愛だのぅ、御両人」
半分はあんたのせいだろ元凶その二。せめてもの抵抗で満面苦虫の俺。
中二の学級担任兼文芸部顧問、ついでに仲人様なので退場願うわけにも行かない。
「晴れの婚約披露だぞ、ご感想を一言」
「最高です♡」
「最低です!」



副題:感想文と懸想文けそうぶみ