俯瞰

大学卒業とともに、アカデミックな場所はもう自分とは無縁かな、と思いつつ、野戦病院とも揶揄される環境で最前線に立っていたわけですが、人間いろいろあるもので、これまたいろいろな縁に恵まれ、
(そして自由気ままにさせてくれる弊妻にも感謝しつつ)
気づくと単身赴任で、これまた自分の出身とはまったく違う大学の組織に身をおいているものだから、まったく不思議なものだ。

自分の臨床プラクティスをアップデートしていくこともとてもやりがいがあるのだけれど、それでは恩恵をうける患者は少ないので、もっと大きな目線のなにかが必要だというビジョン。自分がどんどんアウトプットすることで自分自身の勉強になるという側面も大きいのだけれど。

初期研修医2年目が1年目に教える院内の勉強会をシステム化したり、いくつか新たに立ち上げてみたり(自分の能力不足でほとんどは続かず、これは大きな反省点)。
院内感染と抗菌薬適正使用のサーベイランスを行ってみたりコンサルトを受けてみたり。
ものすごくシステマティックにすることと、ファカルティを育てることを意識して、EBMの勉強会を立ち上げてみたり(これは幸いにも自分が第一線を退いても続きそう)。
グラム染色の教育システムを作ってみたり(これも続いていそう)。
地域のために総合診療的なコンサルトをうけてみたり。
そして商業誌でいくつか原稿を書かせていただいて発信してみたり。
学会のシンポジストとして呼んでいただいたり。

臨床プラクティスを発信する、広めるといったことも含め、
様々な縁によりチャンスをいただけている。

そして、総合診療がない地域に総合診療科を立ち上げる、という野望のため、学生・研修医・専攻医の教育とシステムの立ち上げの勉強に大学にたどりついた。
やっぱり大学という場所はすごくて、人材育成の意味でも、行政との関連も含め、たくさんのミッションを持っていて、どんどん視野が広がる。

日本の医療を変えていくには、、、なんて目線で考えられることも出てきた。

ただ、気づいたことがあって、
次のステップとしては、まずは自分自身がそういったことを企画できるような人間にならないといけないのだ。
そして、その次のステップとして、自分が責任をもつ/指導する立場で、後進にチャンスを与えないといけないのだ。

これは現在あまり日本にないプラットフォームでは?と思われる、新たなプロジェクトをひとつ企画中。生みの苦しみというか、これがなかなか大変。めちゃくちゃ気をつかうし。

なんていろんなことを言ってますが、
新職場に来た当初は、当たり前ながら誰も自分のことを知らないわけで。
ところが、だんだん自分宛にコンサルトが来るようになったり、講演を頼まれたり、医療安全の仕事が降ってきたり、別組織のカンファに参加すると非常に喜んでいただいたり、なんていうやりがいがでてきて、現職場にも居心地がよくなってきたという話です。

しかし、教育はやっぱり難しいですな、
というのは、また次のお話。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?