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おうちにいるままでちょっとだけ誰かのためになることをしたよ

お外に遊びにも行けなくなった日曜日。

ぐずぐずラノベを読むのにも飽きたので、なにか面白いことは無いかな?と机を見渡すと、「何かに使うだろう」と思って買ったけど結局何も使っていないRaspberry Pi 4(ラズパイ)が見つかった。

そういえば、Rosetta@homeとかあったよなーと思いだしたのでラズパイにRosetta@homeを入れてたんぱく質の構造予測解析に参戦することにした。

以下はWindows PCからRaspberry Pi 4用のUbuntu 20.04 LTSをインストールしてRosetta@homeに参加するための手順メモ。

用意したもの

・Raspberry Pi 4
・32GBのmicroSDカード…8GBのmicroSDカードでは容量不足でRosetta@homeを実行できなかったので、多分16GB以上が必要っぽい
・SDカードリーダー
・Windows PC…UbuntuをmicroSDに書き込むために必要

Ubuntuのイメージャーダウンロード

ラズパイで使っていたRasbian OSは32bit OSなのだけど、Rosetta@homeをするためには64bit OSが必要らしいので、OS再インストールからスタート。

入れるOSはUbuntu 20.04 LTS 64-bit。ラズパイ用は
https://ubuntu.com/tutorials/how-to-install-ubuntu-on-your-raspberry-pi#2-prepare-the-sd-card
からダウンロードできるので、"Raspberry Pi imager for Windows"をクリックしてimager.exeをダウンロード。

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imager.exeはインストーラーなので、普通にインストールすればWindowsのスタートメニューに"Raspberry Pi Imager"が追加される。

SDカードへUbuntuのインストール

microSDカードにUbuntuをインストールするので、microSDカードを刺したSDカードリーダーをPCに接続しておき、Windowsのスタートメニューから"Raspberry Pi Imager"を実行。

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Raspberry Pi Imagerが起動したら、"CHOOSE OS"を選択→"Ubuntu"を選択→"Ubuntu 20.04 LTS (PI 3/4) 64-bit server OS for arm64 architectures"を選択。(32-bitのUbuntuもあるけど間違えずに64-bitを選ばないとダメ)

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次に"CHOOSE SD CARD"を選択→SDカードのドライブを選択。(下の画面キャプチャは8GBのSDカードになっているけれど、8GBでは容量不足でRosetta@homeできないっぽい)

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ここまで終わったら、"WRITE"をクリックするとSDカードにOSイメージが書き込まれる。書き込みが終わると"Write Successful"というタイトルのダイアログが表示されるので"CONTINUE"をクリック。Raspberry Pi Imagerは終了してOK。

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WiFiの設定(ラズパイを有線ネットワークで接続する場合は不要)

ラズパイを有線でネットワークに接続する場合は、ラズパイと有線LANを接続しておけばOK。有線ネットワークが無い場合は、無線ネットワーク(WiFi)の設定をここで実施しておく。

microSDカードの直下に格納されている"network-config"というファイルをメモ帳等で編集する。

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"wifis:"以降を以下のように変更して保存。

  wlan0:
    dhcp4: true
    optional: true
    access-points:
      "WiFiのSSID名を記載":
        password: "WiFiのパスワードを記載"

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ラズパイでUbuntuを起動&設定

microSDカードをWindowsからラズパイに移してラズパイを起動する。

ラズパイでUbuntuが起動したら、以下の設定を行う。
1. パスワードの変更
2. GUIのインストール
3. タイムゾーンをUTC(協定世界時)からJTS(日本標準時)に変更
4. キーボードの設定を英語キーボードから日本語キーボードに変更
5. サスペンド機能の停止

パスワードの変更

はじめは文字だけのログイン画面が出るのでアカウント名"ubuntu"、パスワード"ubuntu"でログインする。初回ログイン時はパスワードの変更を促されるので、新しいパスワードを設定して以下のコマンドでリブート。(リブートしないとWiFiに接続できなかった…)

$ reboot

リブートしたら再度Ubuntuにログイン。(アカウント名"ubuntu"、パスワードは前回設定したパスワード)

GUIのインストール

Ubuntuをインストールした直後はGUIが無いのでGUIをインストールする。GUIはいろいろあるみたいだけど、ラズパイなので動作が軽そうなlubuntu-desktopをインストールすることにした。

ただし、Ubuntu 20.04 LTSから自動アップデートが有効になったらしく、aptコマンドが競合してすぐにはGUIをインストールできない。しばらく(30分~1時間くらい?)待ってから、以下のコマンドでインストール。

$ sudo apt install lubuntu-desktop -y

インストールの途中でDefault Desktop Managerの選択する画面が出たら"gdm3"を選択。インストールが終わったらリブート。

$ reboot

再起動すると、今度は文字ベースのログイン画面ではなくGUIのログイン画面が表示される。

タイムゾーンをUTC(協定世界時)からJTS(日本標準時)に変更

次のコマンドでタイムゾーンを変更する。画面左上の"Activities" → "Show Applications"(点9個のアイコン ) → "QTerminal"からターミナルを起動して、次のコマンドを入力。場所を指定する画面が表示されるので、"Asia"と"Tokyo"を選択する。

$ sudo dpkg-reconfigure tzdata

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キーボードの設定を英語キーボードから日本語キーボードに変更

ターミナルから次のコマンドを入力する。

$ gnome-session-properties

Startup Applications Preferencesダイアログが表示されたら"Add"をクリック。

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"Add Startup Program"ダイアログが表示されたら、以下を入力して"Add"をクリック。
"Name" → "Set JP keyboard on X startup"
"Command" → "setxkbmap jp"

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"Close"ボタンでダイアログを閉じる。

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ターミナルでも、同じコマンドを打って日本語キーボードに対応させる。

$ setxkbmap jp

サスペンド機能の停止

"Activities" → "Show Applications"(点9個のアイコン ) → "Settings"から"Settings"画面を表示する。
"Settings"画面の左側のリストから"Power"を選択し、"Automatic Suspend"を選択。

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Automatic Suspendダイアログで、When idleのスイッチをOffにする。

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ここまででUbuntu 20.04 LTSの設定は終了。

BOINCクライアントのインストールと設定

ターミナルから以下のコマンドでBOINCクライアントをインストールする。

$ sudo apt install boinc -y

インストールが完了したら、"Activities" → 点9つのアイコン(Show Applications) → "BOINC Manager"からBOINC Managerを起動。"Projects:"のところで"Rosetta@home"を選択して"Next >"。

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はじめてRosetta@homeに参加する場合は"No, new user"を選択して、"Email address:"に登録するメールアドレスを、"Choose a password:", "Confirm password:"に登録するパスワードを入力して"Next >"。

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プロジェクトが追加されたことを示す画面が表示されるので"Finish"。

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ブラウザが自動的に開くので、"Name"と"Country"を設定。"Name"は何でもOK(ニックネームでよい)、"Country"は"Japan"を選択して"OK"。

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参加するチームの検索画面が表示されるので"key words"に"japan"を入力して"Search"。

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チームがいろいろ表示される。どのチームを選んでもよいが、メンバーが多そうな"Rosetta@Home Japan"を選択。

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チームの説明画面が表示されるので、真ん中へんにある"Join this team"をクリック。Welcome to Rosetta@home画面が表示されたらブラウザを閉じる。

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"No work available to process"と表示されているが、しばらく待っているとRosettaのタスクが開始される。

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こんな感じ。

使ってなかったラズパイでだれかのお役に立てるのはうれしい!

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