不安を減らす方法

幸福の自己責任論では自分で自分を大切にすることで自己肯定感を高める生き方をご紹介しています。これにより自分を肯定できる分だけ自分以外をも肯定できるようになり、悲観的観測や不安感などの否定的な思考や感情も減っていきます。そこで今回は不安を減らす方法について掘り下げてみたいと思います。

はじめに不安とは何かについて考えてみます。まず過去のことに対して不安になる人はいないので、不安は未来に向けた感情であることがわかります。そのため不安は未来＝行動前だけに存在し、過去＝行動後には消えるという性質があります。また二度寝の瞬間や何かに没頭しているときやランニング中や瞑想中などの思考が弱まるときには不安も弱まります。このことから不安は思考から生まれているものと考えられます。つまり行動前の思考である先入観が不安を生んでいるんですね。

次に不安のスパイラルについて考えてみます。先入観が不安を生むと心身が緊張状態となりパフォーマンスが低下します。それにより失敗体験が増え自信が低下し｢また失敗したらどうしよう｣という先入観から次の不安が生まれるという悪循環が形成されます。以上より不安への対処法として①不安のスパイラルを止める方法と②先入観を減らす方法の2パターンに分けて考えていきたいと思います。

①不安のスパイラルを止める方法ですが、遠回りなようでも小さな成功体験を積み重ねることがその近道となります。壁を飛び越えるより階段を作って1段ずつ登っていく方が簡単だし安全なので、急がば回れ作戦ですね。具体的には最終目標までを小分けにして階段(スモールステップ)を作ってゆっくり着実に登っていきます。失敗しない高さまでハードルを小分けにすれば失敗しようがないですからね。これにより階段を上がる度に小さな成功体験が積み重なり、気がつけば高いところまでいけて大きな成功とやればできるんだという自信(自己効力感)が手に入るという作戦ですね。

②先入観を減らす方法ですが、とりあえずやってみて後から考えるというDo Firstが基本となります。考えるから不安になるのですから考える隙を与えなければ不安になる暇もない訳です。不安は行動後には消えるため後味には干渉できないんですね。同じ理由で何でも良いので行動していれば不安は減っていくし、立ち止まっていると不安は増えやすいという傾向があります。

でも不安で行動できないときや立ち止まったまま不安を減らしたい場合などは、この方法が使えません。そこで思考を弱めるため、ただただじーっと見つめてみるという方法があります。見つめたり耳を澄ますということは理性の世界から感性の世界に移るということなので、理性の世界にしか存在できない先入観が弱まり、不安も弱めることができます。

あとは幸福の自己責任論にもあるように感情は行動に一致するという性質があり、これを利用して不安を減らす方法もあります。例えば歌って踊っていると何だか楽しくなってきますよね。これは歌って踊るという行動に一致するような楽しいという感情が後からついてくることによります。楽しいからこそ歌って踊る訳ですから、その行動に感情が一致していく訳ですね。

そのためスキップしながら落ち込むことは難しいし、1日中ベットで横になりながら前向きな気持ちになることもまた難しい訳です。不安に一致した行動とは逃げたり抵抗したりすることなので、逃げもせず抵抗もしなければ不安が弱まったりします。上を向いて歩くだけで気分が上向くと言われているくらい、感情を変えたければまず行動を変えてみるのも有効な手段となるんですね。

後は想定される最悪なシナリオが起こっても大丈夫なように準備をしておくか、またはそうなってもいいやと開き直るという方法もあります。例えば｢自分のことをよく知らない人からは嫌われてもいいや。だってそれは誤解だから｣と思えたら最強ですね。まぁ何でも良いので未来への目処が立てば未来への悲観的な先入観も減るので不安も減るという訳です。そして究極の不安対策はいつ死んでも良いと思えるように生きることでしょうね。人生いつ何が起こるかはわかりませんが、いつ死んでも良いように生きることは可能ですから。

まとめると長期的な視点で不安を減らしていくためには自分で自分を大切にすることです。それにより自他に対する肯定的な視野が広がるため否定的な思考や感情が減り不安も減ります。また今の自分への信頼(自己肯定感)が高まることで未来の自分への信頼(自己効力感)も高まり｢未来のことは未来の自分が何とかするだろう｣という楽観が生まれ不安が減っていきます。更に自分の後味を最優先することで、いつ死んでも後悔のないような充実した人生にすることができれば死への不安すら減らすことができます。

短期的な視点で不安を減らしていくには考える前に行動することや、とにかく足を止めずに行動し続けること、そして不安から逃げるのをやめただじーっと見つめることで先入観を弱めることができるので不安も減らすことが可能です。もしも不安による失敗が続いているときは失敗しないレベルまでハードルを小分けにして1段ずつステップアップしていきましょう。それでもダメなら｢まぁいっか｣｢何とかなるさ｣｢死にゃしない｣などと楽観的な言葉を口に出して不安を振り払いましょう。何とかしてたったの1歩でも歩み始めれば、そのうち不安は減っていきますから。