構文から読み解く英語

§1. 英語における5文型

(書籍、新聞記事、メール等で)目にするあらゆる英語のテキスト(文=センテンス)は、「文型」で言うと、必ず以下の5パターンのいずれかに当てはまります。

第1文型:SV

第2文型:SVC

第3文型:SVO

第4文型:SVOO

第5文型:SVOC

今、「すべての英文は上記のいずれかに当てはまる」と書きましたが、これは我々が目にする英文は必ずこれら5パターンのいずれかに分類されるということで、これら5パターンの特徴をそれぞれ把握してしまえば、英語は5つの型に分類され、後述の通り、それぞれの訳出を「公式化」することで、大まかな意味(=「大意」)をつかむことができるということになります。

すなわち、第1文型は「SがVする(した/ するだろう...etc. )」で主語(S=Subject)と述語(P=Predicate)のみからなる、英語で最もシンプルな構造の文ということになります。言い換えれば、英語が文として成立するには最低限、主語(S)と動詞(V=Verb)が必要ということになりますが、Sに当てはまる名詞(単語とは限りません。名詞句や名詞節が主語になることもありますが、それに関しては【第6回】§5: 英語の要素~その 1; 主語(S)~をご参考下さい)とVに当てはまる動詞(助動詞が前についたり、語尾が活用したり、andやor等で複数が接続されていたりはするものの、基本動詞のみの形で置かれます)の意味さえわかれば、大意はつかめます。

次に、第2文型は「S=(イコール)C」で、S(主語)とC(補語)はイコールの関係にある(というだけの)意味となります。ここで大切なのはVの動詞の特殊性です。代表的な例がbe動詞で、「Sは(すなわち)Cである」といった状態そのものを表すものや、becomeといった「Sは(時間差を経て)Cになる」等の状態の変化を表す動詞のみが第2文型を作ることができます。(ちなみにSとVの間のイコールの関係は、ニアリーイコール e.g. look like, resembleや、五感全体での認識 e.g. feel, taste, smell 等も含まれます。)

同じく、第3文型は「SがOをVする(した/ するだろう...etc. )」、第4文型は「SがO2にO1をVする(した/ するだろう...etc. )」、第5文型は「SがVしてOがCする(した/ するだろう...etc. )」ということになります。第5文型について付け加えるならば、SとV、OとCのそれぞれの間に主語(S)と述語(P)の関係がある文ということになります。つまり、一つの文の中に、主語と動詞の関係が2組ある、ということで、英語の文型においてはこれが最も複雑なパターンです。(詳しくは【第18回】§17: 英語を複雑にするもの~その 2; 隠れた主語(S)→述語(P)の関係~をご参考下さい。)

最後、思いっきり端折りましたが(笑)、要はその英文が、上記5パターンのうちの、どれに分類されるかが判別できれば、上の「公式」に当てはめることで、大まかな意味(大意)はつかめる、ということになります。

もちろん、そのためにはどのパターンに当てはまるかは特定しなければなりません。しかし、逆に言えばどのパターンに当てはまるか(5択)さえ特定できれば、(極論すれば)英文を解釈する上で8割の目的は達成されます。(残りの1割は単語レベルの問題で、難しい名詞や動詞等の単語は辞書を使って意味を調べてもらって構わないので、問題ではありません。もう1割は修飾要素(M=Modifier)をいかに見つけて「無視」できるかということと、どこ(どの単語)からどこ(どの単語)までがSやVやOやCを構成しているのか、という「ブロック(塊)化」の作業となります。詳しくは【第17回】SS16: 英語を複雑にするもの~その 1; 修飾要素~【第22回】Conclusion: 英語攻略の極意~ブロック化と修飾要素(の無視) ~をご参考下さい。)

以上、だいぶ舌足らずですので、今後、月1回程度の更新ペースで不足分を書き足していきますので、よろしければ今年一年お付き合い下さい。





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