峠を越えて神奈川県へ 大垂水峠→牧馬峠→裏ヤビツ峠、夏のヒルクライム祭りwithブロンプトン
なにジョジョ? 雨が降ると嫌だからサイクリングに出かけられない?
逆に考えるんだ、「雨が降っちゃってもいいさ」と考えるんだ
2014年の8月は雨続きで、せっかくの休日にもなかなか遠出ができず、やきもきしていました。そんな私の脳内に、ジョースター卿の名セリフが響き渡ったのです。
まあ確かに、サイクリング用の雨具はあるし、自転車が濡れたら翌日は分解整備すればいいか……そんなふうに割り切って、曇り空の下、ブロンプトンとともに出かけることにしました。ありがとうジョースター卿。
やってきたのは京王線・高尾山口駅です。この日の天気は雨のち曇で、午後から雨が止むということもあってか、曇り空にもかかわらず、高尾山への登山客でにぎわっていました。
この日の最初の目的地は「大垂水峠」。高尾山口から相模湖方面に向かい、国道20号線をまっすぐ進み、東京都と神奈川県の県境にある峠です。高尾山口からの標高差は約170m、きついところでも斜度は5度程度と、比較的楽な部類に入る峠道です。ヒルクライムの練習になればと思いましたが、国道20号線は交通量が多く道幅も狭いので、ここは何度も来るところではないかな……という印象です。
ロードバイクの人たちにどんどん追い越されていきましたが、無事登りきることができました。写真の道標は峠を上りきり、少し神奈川県側に入ったところにあります。
前回の国東半島の経験もあり、ブロンプトンでも多少のヒルクライムはこなせるようになったようです。よし、もっとキツいところへ行ってみるか、とこの時の私は思ったのです……(回想口調)。
相模湖に出ました。湖をわたる風が涼しくて気持ちがいいです。
今回はここから、相模湖休養村キャンプ場へ向かう道をまっすぐ進み続け、「激坂」・「険道」として名高い「牧馬峠」へ向かいます。
途中まで快調に登ってきたのですが、標識に思わずギョッ! 斜度12%の無慈悲な表示です。負けじとインナーローギア、時にはダンシングまで使って坂と激闘を繰り広げますが……
路面が加工されたゾーンであえなく撃沈。牧馬峠は、神奈川県道517号・518号の分岐から頂上までわずか2kmほどの短い峠道ですが、この激坂ゾーンの登りが非常に辛く、残念ながら途中で足をついてしまいました。やっぱり激坂には勝てなかったよ……もっと脚力を鍛えます。
峠の頂上、鞍部はたいへん狭い道になっています。ここから道志・宮ケ瀬方面へ坂を下りていくのですが、やっぱり「最後まで自転車で登りきった峠」と「途中で足をついてしまった峠」では、ダウンヒルの爽快感も違うなあと実感しました。きっとリベンジします。
さらに山道を抜けて、清川村の宮ケ瀬湖に到着します。いい具合に天気も穏やかになりました。
宮ケ瀬湖畔園地で休憩しつつ、名物のアユの塩焼きをいただきます。600円は少々高めですが、骨も内臓もうまーい!
さて、相模湖に続き宮ケ瀬湖も堪能したし、2本の峠を越えたし、今日はこれで……とも思ったのですが、思ったよりも天気が良くなり、時間もまだ早い。そしてなにより、宮ケ瀬からは、ヒルクライムの名所である「ヤビツ峠」が近いのです。
神奈川県秦野市側から登る「ヤビツ峠」は、都心からアクセスが良いにもかかわらず、すさまじい傾斜を誇る登りがいのある坂であることから、多くのロードバイク愛好者が訪れるそうです。一方、この宮ケ瀬湖側からアクセスするヤビツ峠、通称「裏ヤビツ峠」は、距離が長いかわりに斜度がさほどでもないという話を聞いていました。こんなに天気がいいし、行こうかな、と思うのですが、すでに脚力はだいぶ消費してしまっています。
なにジョジョ? 登りきれないかもしれないから、峠に行きたくない?
逆に考えるんだ、「登りきれなくたっていいさ」と考えるんだ
ジョースター卿……! 今日はジョースター卿の名言に励まされてばかりです。無謀にもこのまま裏ヤビツ峠へ向かうことにしました。
キャンプ場をいくつか越えて、渓流沿いの道をじっくりと登っていく道です。多くのローディさんたちは表ヤビツ峠を登ってそのまま折り返すのか、こちらの「裏」ヤビツ峠に向かう道では、あまりロードバイクに乗った方とすれ違いませんでした。
本当に河の水が綺麗です。
そして坂道は緩やかなのですが、4~5度ぐらいの坂がしばらく続き、ちょっと平坦な道になり、再び坂が……という流れが延々と繰り返され、さらに、だんだん平坦な道の区間が短くなっていくという、真綿で首を絞めてくるかのような峠道でした。強烈な激坂を短く繰り出してくる牧馬峠とはまた違うタイプの強敵、裏ヤビツは伊達じゃない!
結果、地獄沢橋近辺でダウン。残念ながら脚力が限界で、途中休憩を挟みました。ここに来るまでに2本峠を走ってなければ休憩なしでいけたんだけどなー残念だなーと、まるで地獄のミサワのような言い訳をしていました。
ブロンプトンの横で正座してた私を見てギョっとされたローディの方々、すみません。ただ大腿部の筋肉をストレッチしてただけなんです……
丹沢・大山は霊山としても有名ですし、「地獄沢橋」「常世橋」なんていう、おどろおどろしい地名がついていることも、私を厳粛な気持ちにさせて休憩中に正座させるよう促したのかもしれません(違)。山は平地の民にとっての異界なんですね。
なんとか「きまぐれ」さんまで辿りつきました。表ヤビツ峠を越えてきた方々が、こちらの喫茶店で休憩することが多いらしいです。私は峠にたどり着く前にここで休憩させていただきました、お恥ずかしや。「名水コーヒー」とケーキのセットがとても美味しかったです。
気力を回復させて、再び漕ぐ、漕ぐ、漕ぐ。裏側から登るヤビツ峠は、激坂と呼ぶほどの坂はありませんでした。ですが、どこまでもどこまでも坂が続く感じです。箱根もこんな感じだと聞いていますが、このタイプの峠道は本当に脚力と気力の戦いですね。
GPSで現在位置を確認すると、峠までもう少しだと思いつつ、終盤はひたすら「漕ぐ、漕ぐ」と呟きながら登り続けました。すると、いつの間にか着いちゃってました。
標高761m、ヤビツ峠に到着です。宮ケ瀬湖側から、しかも途中休憩を挟みつつですが、なんとかブロンプトンをここまで連れてくることができました。
展望台からは眼下に秦野市街が広がり、はるか相模湾まで臨むことができます。すっごい!
そして下りも物凄かったです。確かに「表」のヤビツ峠は斜度が大きく、特に「蓑毛」のバス停付近の急坂っぷりは驚きました。ハンドル操作に夢中だったので写真は撮れていませんが、事故を起こす方がいるというのも頷ける坂でした。とにかく最低限人との接触事故は避けるよう、気をつけないといけませんね。
小田急線秦野駅から輪行して東京都内へ戻ります。3本の峠を走りましたが、最後まで自転車で登りきれたのは最初の大垂水峠だけと、まだまだ自分の脚力不足を思い知らされるツーリングでした。
かの有名なニンジャも「何事も脚力で解決するのが一番だ」とおっしゃっていますし、ブロンプトンでもっと多くの峠を越えられるよう、トレーニングを積んでいきたいです。
また、「雨に降られてもいいや」「登りきれなくてもいいや」と思っていると、雨に降られなかったり登れたりするものでした。そんな体験ができたのも今回のツーリングの嬉しいところでした。
今回のルートです。
http://yahoo.jp/Asm41z
最後まで読んでくださってありがとうございました。
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