全身でアートを浴びよう!『サルバドール・ダリ ― エンドレス・エニグマ 永遠の謎 ―』【鑑賞レポート】
この記事は、
角川武蔵野ミュージアム プレゼンツ 360度体験型デジタルアート劇場
第3弾『サルバドール・ダリ ― エンドレス・エニグマ 永遠の謎 ―』
についての鑑賞レポートです。
◇本題に入る前に知っておきたいこと
・「 体験型デジタルアート劇場 」ってなに?
⇒1100㎡以上の空間を映像と音楽で包み込み、全身でアートを感じることができる場所のこと。すべての壁面と床面をシームレスにつなぎ合わせた映像体験は、角川武蔵野ミュージアムならではです。
*場所:角川武蔵野ミュージアム 1階 グランドギャラリー
・「サルバドール・ダリ」ってどんな人?
⇒20世紀を代表するスペインの芸術家。独自の世界観をもっており、シュルレアリスム(超現実主義)の先駆者としても知られています。その活動は絵画だけでなく、オブジェ、舞台芸術、宝石デザイン、映画、広告、など、多岐に渡っていました。
◇いざ!ダリの世界へ
①卵に入る
入場すると、卵の殻を突き破るダリがお出迎え。卵は3つあり、背景を変えて撮影を楽しむことができました。
☑ ダリは卵を「愛と希望」のシンボルだと評しており、絵画のモチーフにするだけでなく、自身の家や美術館にもオブジェを置いています。
②世界観に没入する
ダリについてのざっくりとした情報が書かれた廊下を抜けると、いよいよデジタルアート劇場へ。
本編の映像は約30分で、全12幕ありました。BGMは全編を通してピンク・フロイドの楽曲。映像に合わせた 無料の音声ガイド もあり、幕ごとに簡単な解説を聞くことができます。
360度どこを見てもダリワールドで見ていくうちに、どんどん世界観に引き込まれました。絵画だけでなく、ジュエリーや映画などの作品も映像に構成されており、ダリの様々な面に出会うことができました。
私は平日の開館すぐに訪れたのですが全く人がいない、、、わけではありませんでした(10~15人はいたかな?)。
もし、クッションに座ってくつろぎながら見たい!という方は、映像が終わるころに入場し、入れ替わりのタイミングを狙うといいでしょう。
映像はただ作品を動かすのではなく、上の写真のように面白い表現方法になっており、ダリの世界観をより引き立たせていました。
見る場所によって流れてくる映像が違うため、目が何個あっても足りない!といった感じで、一度で全部見るのは至難の業です。
☑ 再入場可能なので、一回で全部見ようとしないで大丈夫◎
➂言葉に浸る
デジタルアート劇場を抜けると、「言葉の回路」へ。ダリの自伝から抜粋された言葉たちが空間全体にちりばめられています。
ダリの思想、妻のガラに対する想い、さらにはピカソへの気持ちがわかる言葉があり、ダリの奇想天外な頭の中をのぞいた感覚になりました。
④もっと知る
「 言葉の回路 」を抜けると、ダリについて詳しく知ることができる空間になっています。
年表のほかに、ダリが表紙を飾った雑誌『TIME』の写真や、作品についての説明、ダリがプロデュースした香水の展示もありました。
⑤手に入れる
会期中は、SNSに写真を投稿するとポストカードをもらうことができます。
2階のロックミュージアムショップ には、ダリのグッズがたくさんありました。どっぷりダリワールドに浸った後は、おうちにその世界観を持って帰ってはいかがでしょうか。
☑ 特にポストカードは種類豊富で、選びがいがある、、、!
◇ダリの世界に迷い込んで、、、
今回この企画展を訪れた理由は、私が美術分野に興味を持ってからずっと好きな美術家の一人が、ダリだからです。初めての体験型ミュージアムということで、「どんな感じなんだろう?」と思っていましたが、期待を裏切らない有意義な時間を過ごすことができました。
映像を見始めると、ダリの世界が自分にも投影されていて、作品の中に入った気分になりました。まさに、イマ―シブ体験!(=没入感のある体験) 映像領域に関心がある私にとって、ダイレクトに映像を活用している場を見るということは、学びにもなったと思います。
ダリのことを知っている人も、知らない人でも誰でも楽しめて、その世界に迷い込むことができる素敵な企画展でした。
ぜひ訪れてみてください!
◇概要
◆展覧会:サルバドール・ダリ ― エンドレス・エニグマ 永遠の謎 ―
◆場所:角川武蔵野ミュージアム
1階 グランドギャラリー
◆会期:2023年12月20日(水)~2024年5月31日(金)
▽アクセスはこちら
◇おまけ
公式サイトには、映像を使ったユニークな撮影方法が紹介されているので、訪れる前に一読してみてはいかがでしょうか。
https://kadcul.com/news/212
◎お読みいただきありがとうございます。
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