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【CryptoPunks】成功しているNFTプロジェクトは決して新しいことをしているわけではない

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おはようございます。
web3 researcherの三井です。

今日は、最低価格が約2,000万円、世界最古のNFTプロジェクトとも呼ばれる「CryptoPunks」についてリサーチしました。

CryptoPunksとは?

CryptoPunks(クリプトパンクス)とは、24×24サイズのピクセル絵(ドッド絵)で作られたNFTアートです。

https://cryptopunks.app/

2017年に作られ、世界最古のNFTアートとも言われます。2022年時点で、最低フロア価格は約2,000万円ほどと、その価格は高騰しており、非常に人気となっています。
“ジェネラティブNFT”と呼ばれる方式で作成されており、5つの人間(元になる顔)と92種類のアクセサリーが組み合わさり、世界に一つだけの作品として販売されます。なので、希少な組み合わせの作品ほど高値で取引されるといった特徴があります。
また、合計で10,000点という作品数の上限も決まっており、価格高騰の理由の一つになっています。

ジェネラティブNFTとは?
いくつかのパーツをあらかじめ用意しておき、コンピューターが自動で組み合わせて作っていくアート作品(をNFT化したもの)を指す。作品を購入すると、アルゴリズムに従ってランダムなアート作品が手元に届くという仕組みです。
そもそも”ジェネラティブアート”という仕組みがアート業界に存在しており、それをNFT化したものがジェネラティブNFTです。


CryptoPunksの名前の由来は?

CryptoPunksは2017年にMatt Hall(写真左)とJohn Walkinson(写真右)により作られました。2人はカナダ人でトロントの大学在学中に出会いました。

https://jinseimanabi.com/cryptopunks/

その語源は、”サイファーパンク(cypherpunk)”から来ています。サイファーパンクとは、社会や政治を変化させる手段として暗号技術の広範囲な利用を推進する活動家のことです。
また、「Crypto」は暗号を意味し、「Punk(パンク)」はパンクロックのパンクと同じで、スラングでは、青二才、若造、くだらない、粗悪な、ひどく劣った、こてんぱんにやっつける、いたずらを行うという意味があります。
なので、CryptoPunksは、”暗号技術で規制をこてんぱんにやっつける(暗号技術で社会を変化させていく)”といった意味を持っています。

高騰の理由は?

ここからはなぜここまで高騰したのか、その理由について解説していきます。

○世界最古のNFTアートであった

2017年にスタートしたNFTプロジェクトで、NFT業界の盛り上がりと共にその象徴として有名になっていきました。今では定着しつつある、ジェネラティブNFTという形の先駆けでもあります。

○世界で10,000点という希少性

10,000点と聞くと多く感じるかもしれませんが、成功しているNFTプロジェクトで全世界で10,000点はかなり少ないです。CryptoPunksはその希少性に対して価値がついている状態です。

○有名人や企業が購入した

2021年8月に世界的大企業であるVISAがCryptoPunksを購入したことで一気に話題となり、そこから価格が高騰していきました。

また、過去最高額は2022年2月12日に約26億4千万円(8000ETH)で取引された【CryptoPunk #5822】という作品です。

https://cryptopunks.app/cryptopunks/details/5822

○コレクションとして機能し、ほとんど売りに出されない

二次流通の盛り上がりによって価格が高騰していくNFTプロジェクトがほとんどですが、CryptoPunksの購入者はコレクションとして保有している人が多く、ほとんど売りに出されていません。
こちらの画像をご覧ください。

それぞれ背景色が異なっていますが、それぞれの背景に意味があります。

  • 青色:オファーはあるが積極的に販売していない

  • 赤色:販売可能

  • 紫色:積極的な入札がある

  • 緑色:ラッピング(セット販売)されている

それを踏まえて、再度上記の画像をご覧いただくと、そのほとんどが積極的に販売していないことがわかります。(HPを見ると、背景色の最新情報がわかります。)
この特徴によって、ほとんど買えないNFTアートであり、売りに出されたときは高額で取引されるので、さらにその希少性や価値が上がっています。

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成功しているNFTプロジェクトは決して新しいことをしているわけではない

これらの特徴や高騰の理由をリサーチしていく中で、成功しているNFTプロジェクトの作り方や共通点が少し見えてきます。
以前に【BAYC】についてのリサーチも行いましたが、そこからの学びも加味した上での考察です。


結論、「成功しているNFTプロジェクトは決して新しいことをしているわけではない」ということです。

CryptoPunksは世界最古のNFTアートであり、ジェネラティブNFTの先駆けです。これは新しい概念のように見えます。ただ、そもそもジェネラティブアートというものは1980年代頃から存在していて、そのNFT版として作っただけです。

「過去の○○をNFT(最新テクノロジー)でしてリメイクする」

人類の歴史はこの連続です。例えば、通貨の歴史を辿っても、ヤップ島にあった”フェイ”という通貨はビットコインの思想(全員で持ち主や移動を管理するから不正ができない)を持った通貨でした。当時はそれを石に刻んでいましたが、ビットコインはデジタルで管理できるようにしました。

人間が根本的に面白いと感じること、歴史で培ってきたこと、これらを現代版にアレンジすることで、世界中の情報感度が高いイノベーターに響きます。そして、そのイノベーターが熱狂することで、アーリーアダプターやマジョリティー層に届きます。

CryptoPunksはNFT市場を開拓してきた先駆者であり、BAYCと同じく、NFT業界のイノベーターがコレクション的に購入していったからこそ成功したという背景があります。

ただ、このNFT業界のイノベーター向けのNFTコレクションはこれから作ることができないので、それ以外の道で作っていく必要があります。
なので、「NFT業界以外のどこかの業界のイノベーター向けのNFTを作る」は成功の可能性がありそうです。そして、その業界のイノベーターに届けるために、その業界の歴史に紐付け、過去の○○のNFT版として出すことで、とっつきやすくなり、イノベーター層に届きます。

少し整理します。

  1. 届けたい業界のイノベーター層を分析する。

  2. その業界の歴史を知り、過去の○○をNFTとしてリメイクすることでイノベーターに届きやすくなる。

  3. イノベーターが熱狂することで、マスに広がっていく。

CryptoPunksもBAYCもその名前の由来や語源にあるように、Cryptoの未来を信じる人たちに向けたプロジェクトで、そういった人たちが集まり、熱狂していった歴史があります。過去をリメイクすることで、その人たちにその価値や背景にある想いを伝えやすくなります。
成功の1要素かもしれませんが、個人的には今成功している他のプロジェクトを見ても、何かしらの歴史を使った作品が多いので、意外に重要な要素ではないかと思っています。


というわけで、今日はCryptoPunksのリサーチ結果でした。記事が面白いなと思った方はぜひ「アドレス登録」と「SNSでシェア」をしていただけると嬉しいです。引き続きweb3をリサーチしていきます。

おわり。

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