自分の「広場」を持つには

糸井重里さんが、ほぼ日をつくる時に

「銀座四丁目交差点をつくろう」

とおっしゃったという有名な話がある。

つまりは人が放っといても沢山集まる状況を作れれば、マネタイズはいくらでも出来るよという事だと思う。

これは昨今のソーシャルメディアなんかで言えばまさにその通りだと思う。

僕らもビジネスの最終目標は糸井さんがおっしゃった「銀座4丁目交差点」と同じ意味で、

「自分たちの広場をつくる」事だと思っている。

ただどう作るのか、なにから手を付けるべきなのか、この言葉だけでは曖昧模糊としている。

いきなり「広場」の体裁を作ったところで、必ずしもそれが人が集まり活発に活動する場としての「広場」の機能を果たさないことは、流行らないWEBサービスを見れば明らかだ。

僕らが「北欧、暮らしの道具店」というECメディアからはじめて、ビジネスの成長に寄与する「広場」をどう作るべきなのか、あるいはどう作ってきたのかをもう少し因数分解してみたい。

1)広場への道1=ホームパーティ
広場に至る長い道のりの一歩目は、身内だけで行なわれるとびきり楽しそうなホームパーティだと思う。家の前を通る人に、楽しそうな声が聞こえてきたり、素敵な飾り付けがチラチラ見えたり、美味しそうなにおいが漂ってくる。周囲の人の印象としては「仲の良い家族だな」「楽しそうだな」という感じ。

広場への道2)ホームパーティにセレブリティを招く
次に出来るのは、とびきり楽しいホームパーティーに「セレブリティ」を招待する事だ。周囲の人の印象は「楽しそうだな」から「あの家のパーティーに行ってみたいな」「あの家の人たちってどんな人たちなんだろう?」に変化する。

広場への道3)パーティ会場を豪華に
家の庭にプールを作ったり、ピザ釜を作ったり、きれいな芝生のある庭を造ったり。そこに集まっている「人」だけでなく物理的な「場」の魅力も高めることで、そこに行って写真とってソーシャルメディアにアップしたい!みたいなステータス感が生まれる。周囲の人の印象は「あそこに招待される事がステータス」に変わる。

広場への道4)パーティ参加者のニーズにあわせてサービスの幅を拡充
沢山の人が集まれば特定の価値観を共有しつつも、異なるニーズが生まれ、やがて主催者の家族だけでそれに応える事は難しくなる。例えばパーティー会場野周辺にホットドック屋、ピザ屋、コーヒー屋、バー等の屋台を誘致する、あるいは自分たちの仲間で運営するなどして参加者の多様なニーズを満足させる。

広場への道5)収容しきれない参加者たち
パーティが満足を生み、一定の権威を持ち、波及して参加者、あるいは参加希望者の増大に対処しきれなくなるフェーズが来る。一時的に不満が高まり、評判が低下するなどの事態も発生し得る。

広場への道6)広場の形成
人々が招待の有無に関わらず、それぞれの欲求に従って比較的に自由に振る舞える広場を用意し、彼らの欲求に応えるためのサービス提供する種々のお店を周囲に整備する。集まる人が桁違いに多くなり、経済活動の規模も大きくなる。しかし規範や、集まる目的感が共有されにくくなるため種々の問題が頻発するようになる。

広場のへの道7)広場の中心に教会を建設
この場に集まる意義、集まる人に共有されるべき規範、集まる人が共通して持てる理想の世界観の象徴たる「教会」を建設する。この教会は周囲で経済活動している店の寄付によって成り立つ様な取組みを主導する場でもある。これにより、そこに集まる人の傾向が一定程度絞られるようになる。また先行して大きくなっていた経済活動に一定の方向性が与えられる。こうして教会を中心にした広場が完成する。

と、まあこういう過程を経て自分たちの「広場」を作ろうとしている。自分たちの感覚だと今4に取りかかってるところで、しばらくはこの段階で試行錯誤する必要があるだろう。

「ホームパーティ」「セレブリティ」「豪華な会場」「ホットドック屋」「お店」「教会」などなどのメタファーが何を指してるのかなどはぜひそれぞれのお立場で自分の状況に重ね合わせて考えてみてほしい。



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