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軽自動車の電動化動向

 今やCO2排出量削減に向け、ガソリン車の販売を将来的に禁じて電動化を推し進める動きは世界的な流れだ。しかしながら、自動車業界の中でもとりわけ軽自動車メーカーに大きな動揺が広がっている。世界標準の普通車に比べて、日本独自の軽は電動化が大幅に遅れているからだ。その軽自動車にも一律に同じ目標が課せられ、今後は本格的な電動化対策が避けて通れない。

 軽自動車は国内独自の小型車規格に沿っており、車両価格が安い上に毎年支払う自動車税も優遇されており、人気が高い。エンジン排出量660cc以下、長さ3.4m以下、幅1.48m以下、高さ2m以下。2020年の軽自動車の新車販売台数は133万台で、国内乗用車全体の35%を占める。

1位 ホンダ N-BOX 20万台

2位 トヨタ ヤリス 15万台

3位 スズキ スペーシア 14万台

4位 ダイハツ タント 13万台

 特に公共交通機関が限られる地方では、通勤や買い物の移動手段として軽自動車が日々の生活に欠かせない。最近では、「スーパーホワイト」と呼ばれる車内空間を広くしたタイプがファミリーカーとして人気だ。このような軽自動車も一律で2035年までに電動化を課すべきかは議論の争点となったが、自動車業界全体の中で軽自動車を例外にはできない状況。

 軽自動車の電動化の実情としては、HVは全て簡易型のマイルドHVに分類され、あくまでエンジンで動き、発進時などにモーターが補助駆動する仕組みで燃費改善効果はたったの1割程度なのだ。一方の普通車はストロングHVに分類され、発進時や低速時にモーターで動き、スピードが上がるとエンジンに切り替わるなど、2つの動力使い分けや栄養によりエネルギー効率を最大化、ガソリン車より燃費性能は4割以上高いのだ。経産省はこのダイハツやスズキがシェアを占める軽自動車のマイルドHVも電動化の定義に含めることとしたが、生き残る手段は見通せない。電動化により大型電池を床下に積む影響で、売りにしている車内空間は狭くなり、今では普通車のコンパクトカー(ストロングHV)が軽自動車を燃費性能で上回るのだ。

#自動車 #軽 #電動化 #EV

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