見出し画像

【小春の着付教室】第60号●着物:おはしょり(1)

こんにちは。着付師・着付講師の *小春*です(*^^*)
本日もよろしくお願いいたします。

おはしょり

前回お伝えしましたが、腰紐の掛け方によってもおはしょりの美しさが違ってきます(*^^*)
ちょっとしたことで、見違えるような変化がありますね。
おはしょりを綺麗に整えるためには、腰紐の掛け方の研究も必要です。

しかし、腰紐だけでは解決しない部分もありますね。
腰紐を上手に掛けた後、更に綺麗に整えられるよう色々と試してみましょう。

注意点(^^)

おはしょりの整えは、長さだけに気を取られがちですが、他にも注意しなくてはならない点があります。

・生地のよれ
・衽線の揃い
・おはしょりのライン
・おはしょりの厚み
・脇のおはしょり
・後ろのおはしょり

など。

これら全て揃ってはじめて美しいおはしょりとなるのですね。
いかがでしょう?
気になるところはありますか?

生地のよれ

生地がヨレてしまっているおはしょりは、着物初心者さんの目にも、着物の知識のない方にも、美しくはない状態であることが分かります。

おはしょりの生地のヨレは、生地に無理がかかっているから起こります(涙)

原因として、腰紐をした後におはしょりを綺麗に下げていないことが考えられます。手刀状態にした手でおはしょりの内側から綺麗に下げていないと、おはしょりの内側から外側へかけて生地に無理がかかってしまうためヨレが生じます。

「衿合わせの後でおはしょりは整えるのだから」と腰紐を掛けた直後におはしょりを下げる作業を行わない流れになっている方はキケンです。
今のうちにすぐに確認する癖をつけておきませんと、いつまで経ってもおはしょりの生地のヨレと仲良く付き合わないといけなくなってしまいます。永遠の課題とならないよう、手に覚えさせてくださいませね

腰紐を掛けましたら、おはしょりを綺麗に下げる

内側に入り込んでしまっている生地よく確認し、目いっぱいおはしょりを下げます。これはとても重要な作業です(*^^)v

次に考えられるのは、上前を合わせすぎていること。
上前が正しい位置に合わさっていませんと、余計な引きよる負担がちょうどおはしょりあたりにかかります。その為ヨレが増します。
右腰骨の位置の確認もしてみましょう。

衽線の揃い

先程の「上前を合わせすぎていること」も、影響してきます。
衽線は前の中心~やや右寄りにくるように、裾合わせの際に気をつけ確認しておくと、おはしょりが整えやすくなり、袵線も合わせやすくなります。

衽線は、着付けが終わってから整えようとしても無理な場合があります。着付け師ほどの経験がある場合にはこの限りではありませんが、仕上がってから直すのではなく、美しい着付けになる流れをまず掴みましょう。

腰紐をかけ、おはしょりを整える際、しっかりと衽線の確認をします。
ずれていればこの時に直しましょう。この時でしたら綺麗に整えられます(*^^*)

直すことができないほど位置がずれているようでしたら、裾合わせをもう一度行いましょう。袵線を意識しての裾合わせです。とても良い練習になります。

おはしょりのライン

綺麗なおはしょりのラインは一直線。やや丸みをあるとより美しいです。
下線がとても綺麗な着物姿に憧れますね。

ウエストゴムベルト5

おはしょりは長すぎてもダメね。七歳のお衣裳かと思われてしまいます(汗)
身長・体型に合わせておはしょりの長さを決めますので、基準の長さを何センチとはお伝えできません。
おはしょりの目安は、お着物をお召しの方の指一本分くらいの長さです。
あくまでも目安です(^^)

お背の高い方は指も長いでしょう。おはしょりも長く決めた方が美しいですね。
全体のバランスでおはしょりの長さを決めるのがベストです。

ふくよかさん体型の方は縦よりも横に目線が気になると思います。おはしょりが短いと、より横幅が気になってしまいますので、若干おはしょりを長めにしておきますとバランスが取れます。
ただ、ふくよかさん体型の方は腰紐の喰い込みが深くなりやすいため、おはしょりを出しにくいことがあります。
そのため、お誂えのとき、またレンタルの場合にも長めの身丈にされますと充分なおはしょりを確保できますので、おはしょりが出しやすくなり美しいおはしょりを作り上げられます。

美しいおはしょりにするお勧めの方法

おはしょりの長さの判断に困った時は、やや短めに決めておきましょう。
そして着付けを終えた時点で「短かったかも(^^;)」と思いましたら少しずつおはしょりを引き下げ、ピッタリの長さに整えましょう。
面白いほど、おはしょりを長くすることができますの。

こちらの写真は着付け師さん向けに販売のプレゼントテキスト用のサムネイル写真です。比較が分かりやすいので掲載いたします。

画像2

慣れないうちは、着物の着上がり時点では、帯を締めた後のおはしょりの長さをイメージしにくいものです。帯を締めてから「おはしょりが長すぎた」「おはしょりが短すぎた」となりやすいです。慣れてくればこの様なことはほぼ起こりませんが、締めやすい帯、滑りやすい帯によってなど帯の高さが違ってくることもあります。

長すぎるおはしょりを着付け終了後に整える技師は高度となりとても大変なのですが、短いおはしょりでしたら引き出すことで美しく整えられます。
ですから、おはしょりの長さに迷ったら少しだけ短めに整えておくことを覚えておきますと、長い着物人生に大いに役立ちます。

おわりに

おはしょりって、着付けを習い始めたころは、それほど気にならない部分ですね。でも、そのうちにとても気になってきます。
自分では分かったつもりでも、実際に処理してみると何故でしょう(涙)
どうやら分かっていなかったようで・・・(涙)
上手に整えられないものです。

成功と失敗を繰り返しながら着付け技術は上達して参ります(*^^*)
着付けの練習では常に「何でなの?」「どうして?」と疑問に持ちながら、様々な方法を試してみることが大切です。

そのうちに「これだわ!」という答えを見つけることが出来るのですね(*^^*)

それでは、また明日に続きます♪
最後までお読みくださり、ありがとうございました。

■次回予告

*着付ポイント:おはしょり(2)

※この内容は、私が販売する着付け・帯結びテキストご購入者様向けに2009年より配信していた内容を一部修正および加筆編集し一般公開として掲載しております。

● 小春日和*小春流着付*着付師さん応援ブログ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?