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【小春の着付教室】第66号●着物:おはしょり(7)

こんにちは。着付師・着付講師の *小春*です(*^^*)
本日もよろしくお願いいたします。

補整の確認を

おはしょりを綺麗に整えるには、技術はもちろん大切ですが、補整も大きく関わってきます。

ウエストとヒップの差があれば、当然シワが出やすくなりますものね。ここの補整の足りなさは、腰紐を掛けたときに出るシワを基準にすることが出来ます。

腰紐を掛けた後、ウエストがキュッと締り腰回りが張っているようですと補整が足りていないことが分かります。腰のみの補整が足りないのか、ウエスト全体が足りないのかは鏡を見ながら自問自答して、タオルを当てる箇所や枚数を変えての着付け練習を進めてみてくださいませ。

腰紐を掛けた後に分かる補整の量から、ご自分にピッタリの美しい補整に気付いて頂けましたら嬉しいです。
当て過ぎはふっくら見えてしまいすので程々に~(*^^*)
この後にする胴に巻く帯の厚みも計算してくださいね。

ちゃんと補整をしても、多少のシワは出ます。これは仕方がありません。
補整が整っていないと、より多くのシワが出ます。
最小限にすることで、おはしょりの整えがしやすくなるのですね。
ですから、このシワを綺麗にする方法を身につけましょう(*^^*)

お太鼓結び時のおはしょり

お太鼓結びの時は、余分なシワをお太鼓の中へ入れてしまうことができます。そうすれば脇はスッキリしますでしょう。お太鼓の中がどのようになっていても、見た目には美しい着物姿です(*^^*)

でもね、いつもお伝えしていますが、見えないところも丁寧になのです。
やはりこれは大切です。余り分は折り紙のように丁寧に折りたたみます。
綺麗に整える方法としてお太鼓の中に入るところに、タックをとる!これだけです。このタックを伊達締めで押えれば良いのです。
背中心から左右10センチ程のところに、それぞれ一つずつタックを取り、背中心側に倒せばスッキリです。掛けた胸紐の下のおはしょりのみで行う作業となります。

これも練習が必要です。厚みなくスッキリと整えられるようタックの取り方の研究もされてくださいませね。
必要な箇所にスッキリしたタックを取る感覚は、練習の回数によって、その時のお召し物によって変わってきます。

お太鼓の中に余り分のおはしょりが入りきらない場合もあります。お太鼓の中へ無理に入れ込もうとすれば入らないことは無いけれど布地が歪んでしまうことも有ります。
そのような場合は、脇でひとつだけタックを取りましょう。
脇縫い線のところをつまんで、後ろ側に折り倒します。

おはしょり左脇のタック

脇縫い線上に綺麗にタックを取り、その周りにシワがなければ、充分に美しいおはしょりに整えられています(*^^*)
これは仕上げのときに行うことで整えられます。

後のおはしょりの長さ

後ろは前に比べておはしょりが長めになります。
衣紋を抜くので当然ですね。

身丈がご自分にちょうど良ければ、後ろが長めになってもお太鼓の中に入る長さですから問題はありませんが、少し身丈が長い着物の場合には注意が必要です。

振袖や小袋帯(半幅帯)の帯結びの場合には後ろのおはしょりが見える帯結びとなります。おはしょりの長さは前後同じくらいに整えますから、後ろのおはしょりも綺麗に整えます。見せるおはしょりです。

お太鼓結びでは、おはしょりが見えるのは脇までです。後ろはお太鼓のたれ先の長さよりも短めに仕上げますので、お太鼓結びの下(たれ先)からおはしょりが見えることは無い仕上がりとなります。

着物初心者さんによく見られる後ろ姿として、お太鼓のたれ先からおはしょり出てしまっている状態があります。お教室でまだ学ばれていないのでしょうね。この先学ばれましたらこのことが分かりますので一時のことです(*^^*)
温かく見守って上げたいですね。

後ろのおはしょりを短くする方法

後ろのおはしょりを短くする方法として、ふたつご紹介します。

■後ろのおはしょりを短くする方法(1)

腰紐をかける時に、後ろだけ腰紐の位置を高めに掛けること。これだけです。この方法はほんの少しだけお太鼓の垂れ先から出てしまう場合にお勧めの方法です。

■後ろのおはしょりを短くする方法(2)

後ろの腰紐の位置を高くするだけでは、おはしょり全てがお太鼓の中に入ってくれない場合は、腰紐の位置はいつもと同じ高さに掛けます。
そして、伊達締めをかけるとき、長い分を伊達締めに挟み込みます。
方法は伊達締めの回でお伝え致しますね。

帯を結ぶまでに長いおはしょりが下がってこないように伊達締めに挟み込んでおけば大丈夫!、そう考えると気持ちは楽になりますよね(*^^*)

後ろのおはしょりはう~んと短くても良いのですが、前から横へ、そして横から後ろへとの流れがありますから、後ろだけ極端に短くしますとその無理が横から分かってしまいます。それをちゃんと計算して、全体の流れを確認しながら進めます。

とりあえずは短めにしておきましょう。後から引き出すことが出来る長さにね(*^^*)

おわりに

後ろのおはしょりって、案外ご自分では気づかないのですよね。
でも、他人の着姿はとっても気になる~という方がほとんどですので、よく見られている箇所でも有ります(^-^;

横から見た時に、後ろのおはしょりが極端に下がっている姿を目にしたことはありませんか?
鏡を見たら「やだ!私がそうだわ・・・(大汗)」という方がいらっしゃるかもしれません。

後ろのおはしょりはどうしても前よりも長くなってしまうのです。衣紋を上手に抜けないうちは気にならないものですが、衣紋をしっかりと抜けるようになりますと、着物の身頃は後ろへ移動しますからね。
今まで気にならなかった方も、上手に衣紋が抜けるようなった時にはぜひ確認してみてくださいませ。

繰越も関係してきますので、必要以上に衣紋を抜かなければ、後ろでけタップリのおはしょり、ということを防げます。
いずれは衣紋の抜き加減で変わることも実感して頂けると嬉しいです(*^^*)

それでは、また明日に続きます♪
最後までお読みくださり、ありがとうございました。

■次回予告

*着付ポイント:おはしょり(8)

※この内容は、私が販売する着付け・帯結びテキストご購入者様向けに2009年より配信していた内容を一部修正および加筆編集し一般公開として掲載しております。

● 小春日和*小春流着付*着付師さん応援ブログ



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