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【小春の着付教室】第62号●着物:おはしょり(3)

こんにちは。着付師・着付講師の *小春*です(*^^*)
本日もよろしくお願いいたします。

前回に続き今回もまたおはしょりについてですが、今回はおはしょりが短くなってしまう場合についてお伝え致します。

おはしょりが短い場合

身丈が短くおはしょりを出しにくい場合には、腰紐の位置を下げることでおはしょりの長さを確保することができます。
少しだけおはしょりの長さが足りない場合にはこのように簡単に処理できますが、おはしょりがより短い場合は、出すのに苦労されることでしょう。

普段の腰紐の位置は、

・ウエスト
・腰

のどちらでしょうか?
ウエストゴムベルトを使われている方は、ほぼウエストでしょうね。一番落ち着きの良いところですものね。

腰紐を使われている方は、ウエストで結ばれる方もいますし、腰で結ばれる方もいらっしゃいますね。

ウエストゴムベルトを腰にした場合は、徐々にウエストの方へ上がってきますので、出しにくいおはしょりで腰にかけることはキケンです。
ゴムですから伸ばしても縮む力が働き、太いところから細いところへ移動します。この時に着物生地を巻き込みながら移動してしまいますと、着物の裾線が上がってしまいます(涙)

しかし腰紐でしたら腰に掛けても大丈夫ですね。慣れていない方の場合は腰紐を腰にかけてもウエストの方へ上がってしまうこともありますが、腰骨にしっかりときつめに掛けることで安定する感覚も練習の積み重ねで身体が理解してきましたら崩れの心配はありませんす(*^^*)

おはしょりが短い着物の場合で、腰紐の位置を下げてお召しになる時には、ウエストゴムベルトではなく

・腰紐(お紐)の使用で
・腰で結ぶ

ことで、おはしょりの長さを確保することができます。

仕上げで調整

着物を着終えたら、おはしょりを引き出しましょう。
少しずつずらしながら、引き下げ整えます。
おはしょりが短く、このようにして出す場合、引き下げれば引き下げるほど腰紐の位置が下がることでおはしょりを作り出せるのです。

おはしょりを捲ったらすぐに腰紐がある!状態でも大丈夫です。
ご自分で着物によっての違いがあることをよく理解しておき、どのくらいまで出しても大丈夫なのかをメモしてたとう紙に貼りつけておくと良いですね。
ギリギリの位置で腰紐を掛けおはしょりの長さを確保することは可能ですが、慣れないと危険が伴います。外出先大変なことになってしまわないようしっかりと理解してからお出掛けされると安心です。

丈を短めに

どうしても、おはしょりを出すことが難しい場合、着丈を少し短めに決めて着付けましょう。身丈の短い着物のおはしょりを1センチでも長く出したいのであれば、裾線の長さを短くすることに限ります。普段よりも1~2センチ短めに裾線を決めるだけでおはしょりが出しやすくなります。

あまり短くしすぎてしまいますと、着姿が美しくなくなってしまいますので、ほどほどに。

裾線が短めの着付けでも動いている時は短めであることはあまり気になりません。しかし動かず立ったままでいますと短めに着付けていることが分かります。なんとなく恥ずかしい気持ちになりますよね(汗)

そのような時は、左右どちらかのお膝を少しだけ曲げます。
右足は真っ直ぐ、左足は少し曲げて立つと、腰の位置が下がります。この時、真っ直ぐにしている右足に重心がかかっています。
伝わりますでしょうか・・・(^-^;

ふると、

・裾線位置も下がり
・着丈は短めではありますが
・立ち姿では着丈が短いとは思われません

着物の前姿でお膝がポコンと出ているようでは美しくありませんので、曲げているお膝の影響がないように、誰にも気付かれないように頑張ります。

これで、身丈が短い着物を、着丈(裾線)を短めに着付けて、裾線が上がっていない美しい立ち姿にすることが出来ます。
全体の姿の写真を撮る時もこのようにしますと美しい着物姿で撮影してもらえます(*^^*)
ぜひお試しくださいませね。

仕立て直し

おはしょりの出しにくいお着物がお気に入りで頻繁にお召しになりたい場合には、お仕立て直し代はかかってしまいますが身丈を出しましょう!

おはしょりの長さが2センチ短いと感じるのであれば4センチ長くお仕立て直しをします。多めに出せそうだからと目いっぱい出してしまいますと、今度はおはしょりが長くなってしまい、着付けでは短くするための作業が必要となってしまいます(汗)

お気に入りの着物は、自然と手にしてしまいます。心惹かれたお着物は、これからの出番は多いはずです。出費はイタイですが、着用の度に着付けで苦労しなくて済むのであればお直しする価値はありますよね(*^^*)
新しいお着物を買ったと思って、ぜひお直しして沢山お召しになってくださいね。

着物によっては、丈を出したくても出せない場合もあります。もともと短めに裁たれている身頃の場合はどうしても出ません(涙)

それでもどうしても出したい場合には、方法はあります。
ちょうどウエストに入ってしまうところの身頃に別生地を足し、長さを増やします。
見た目にはちょっと可哀想な状態になってしまいますが、着物の着付け上がりは普通の状態で美しいおはしょりを確保することができるのですから、足しがあっても気にしないようにしましょうね。

おわりに

おはしょりを出しにくい着物でも、頂いたお着物や昔のお着物など大切な想い出の詰まっている着物ですとやはりお召しになりたいと願いますよね。

私のようにお背の低い方でしたら、お直しなどせず、着付けに苦労することもなく、そのままお召しになれますが、お背のある方ですと、難しいですね(涙)
お直しに出すか否か、お金がかかってくることですから悩ましいですね。

今後どのくらい着るかしら・・・?
果たして、直す価値のある着物かしら…?

など、じっくりと悩み、それでも心がその着物から離れないようでしたら新しい着物を購入する気持ちで、思い切ってお直しされた方が良いのでは?と思います。

私の場合、母の着物は価値があるなしにかかわらず、全て私の寸法に直しました。形見の着物ですので自分の寸法に直しておくことで、いつでも着られるようにしておきたかったのです。

直したい理由は人それぞれですね。
悩んで悩んで、う~んと悩んで、決めましょうね。

中には、直したのは良いけれど、あまり着る機会の無い着物だったということもありますから、直した後、いざお召しになろうとされる際にお持ちの帯や帯揚げ帯締めなどなど、合わせやすいかも一緒に考えると良いですね。
お直しに出す前にそのお着物のコーディネートをされてみるとイメージが膨らみます(*^^*)

それでは、また明日に続きます♪
最後までお読みくださり、ありがとうございました。

■次回予告

*着付ポイント:おはしょり(4)

※この内容は、私が販売する着付け・帯結びテキストご購入者様向けに2009年より配信していた内容を一部修正および加筆編集し一般公開として掲載しております。

● 小春日和*小春流着付*着付師さん応援ブログ


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