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【小春の着付教室】第50号●着物:寸法(4.衿下)

こんにちは。着付師・着付講師の *小春*です(*^^*)
本日もよろしくお願いいたします。

前回の繰越、なんとなくご理解頂けましたでしょうか。
寸法はそれぞれの箇所、全て重要なのですね。知らなくても良いのですが、知り始めると色々と気になるものですね。
今日は衿下についてお伝えいたします。

衿下(褄下)寸法

おおよそ、身長の半分が衿下(えりした)・褄下(つました)寸法になります。
しかしあくまでも「おおよそ」です。

現代人は足が長いでしょう。半分の寸法では短い場合もあります。身長の半分を基準に、ご自分の寸法はどれくらいなのかを知っておくと良いですね。

着姿が綺麗!と思える衿下寸法

着物を着た時に、女性の着付けではおはしょりができますね。このおはしょりは身丈寸法により整えやすさが違ってきます。
ちょうど良いおはしょりになった時をイメージしてください。

衿先が、このおはしょりの下線に合っていれば、着上がり美しい寸法でお仕立てされていると言えます。

おはしょりよりも下がったところまで衿があると、衿下の長さが短くなりますので、バランスが悪く感じます。
どうしてこんなに下まで衿があるの?出ているの?と感じたことはありませんでしょうか?

おはしょりの下線といえば、ちょうど腰骨あたりの位置になりますね。
腰骨から褄先までの長さを測ってみましょう♪

何センチありますか?
計算では何センチありましたか?
差は何センチでしょう?

計算上の長さよりも、実際に測った長さを重視してくださいね。
その方が美しい着姿になりますから(*^^*)
間違いありません。

お気に入りの着物を着て、ご自分の腰骨の位置を確認した上で、おはしょり長さ、衿先の長さをチェックしてみましょう。

いかがでしょう。ちょうど良い感じかしら?
衿先が見えることなく、スラ~っと衿下のみ見えていましたらスッキリした着物姿となりますね。

衿下が長すぎますと、かけた腰紐の上に衿先が抜け出てしまいます。
この場合、右脇のおはしょりは、脇だけおはしょりたっぷりとなってしまいます。
着付けで何とか、出来ないことはありませんが、衿先が腰紐にかかっていないのですから、整えにくい状態となります。

更に、腰紐のところにギリギリ衿先がかかるくらいの場合は、紐の掛け方がより難しくなりますね。衿先が腰紐よりも上になってしまいますと、微妙な加減で褄先が上がってしまいますし・・・。

右脇のおはしょりが、今ひとつ決まらなかった方は、この衿下寸法が影響していたかもしれません。
ぜひ、チェックしてみてくださいね。

自分の着物ならではの衿下寸法

仕立てる時に身長から割り出す衿下寸法は、呉服店にお任せをするのではなく指定することができます。だからこそ、ピッタリとご自分の体型に合った衿下寸法にしたいですね。

合っていないと、借りもの?と思われてしまうかもしれません。
せっかく作った自分専用のお誂え着物ですのに、そのように思われてしまっては悲しいですね。

お背の低い方の着物を、お背の高い方がお召しになると、衿先がたっぷり見えてしまいます。
お母様の着物をお嬢様がお召しになりますと、お嬢様の方がお背のある場合、このようになりますね。

リサイクルショップに並んでいる昔の着物は、全体に身丈が短いですから
当然衿下寸法も短いです。腰紐の下からたっぷり衿が見えてしまった状態になります。

お背の高い方の着物を、お背の低い方がお召しになると、衿先は掛けた腰紐の上にタップリ状態となります。着上がり姿では衿下に衿先は無い状態ですので美しいですが、その分、右脇のおはしょりがもたついた着上がりになってしまうことが多く、ここをササッとスッキリさせるためには相当な着付け技術が要求されます。慣れですね。

プレタの着物を購入の際にも衿下寸法を確認し、イメージしてみてくださいね。
やはり衿下寸法も大切です。美しい気姿にするために、また着付けで苦労しないためにも、しっかりと手帳に記しておきましょう。お勧めです。

おわりに

私の身長は150センチ。
衿下寸法は、計算上では75センチ。
でも私の衿下寸法は、78センチがピッタリです。

ちょっとだけ足が長いかしら~(*^^*)
なんてね、うふふ(笑)

初めのころは衿下寸法を75センチで作っていました。
自分の寸法で誂えた着物なのに、着上りではおはしょりの下に衿先が出てしまって、何だか嫌だわ~っと気になっていました。

何枚も着物を誂えていくうちに、寸法を変えてみようと思いました。衿下の寸法を割り出し寸法ではなく、割り出し寸法プラス3センチにしてみたところ、ちょうど良い着上がりになりました。スッキリです(*^^*)
こうして、私の衿下寸法が決定しました!

プレタではなく、せっかくのお誂えの着物なのでしたら、着姿が美しくなる寸法を意識してみてくださいね。
更に着物美人になりますでしょう(*^^*)

それでは、また明日に続きます♪
最後までお読みくださり、ありがとうございました。

■次回予告

*着物:寸法(5.袖の丸み)

※この内容は、私が販売する着付け・帯結びテキストご購入者様向けに2009年より配信していた内容を一部修正および加筆編集し一般公開として掲載しております。

● 小春日和*小春流着付*着付師さん応援ブログ


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