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【小春の着付教室】第75号●帯結び:帯板

こんにちは。着付師・着付講師の 小春です(^^)
本日もよろしくお願いいたします。

帯板について

帯板は帯結びをピシッと決めるために使用します。
帯板を使わずに帯を巻いた場合ですと、前姿は必ず帯がシワシワ~となってしまいます。

振袖の帯結びの場合には、後ろ板(うしろいた)も使用しますね。
お太鼓系(おたいこ・けい)の帯結びには使用しませんが、後ろでも胴に巻く帯が目立つ立て矢系(たてや・けい)、お文庫系(おぶんこ・けい)などは、必ず帯板の前板(まえいた)と後ろ板を使用します。

帯板をお忘れの方には、私が持参した簡易帯板を使用してお着付けさせて頂いております。絶対に欠かせない帯板です。それほど見映えを左右してしまいます。

ひとくちのに帯板といっても種類は様々です。
長さや幅、ゴムベルト付きタイプや、季節によって変えたりと・・・。
順番に見て参りましょうね(*^^*)

帯板にゴムベルト

昔ながらの一般的な帯板はゴムベルトはついていません。
着付け学院等では、ゴムベルトがついているタイプが多いでしょう。

どちらが便利でしょう?
これはお好みとなりますので、まずはお持ちの帯板をご使用になってみてくださいね!
これからお買い求めになる方には、ゴムベルト付きの帯板がお勧めです。

ゴムベルト付き帯板

ゴムベルト付き帯板は、着物を着終えたらすぐに帯板を着けてしまいますので、帯結びに入ったら帯を巻き、帯結びを仕上げることのみに集中できます。帯板を入れ忘れる心配がありません。

ゴムベルト付き帯板は、ご使用の際にはゴムベルトの長さに注意しましょう。あまりきつくする必要はありませんので、帯板が落ちてこなければ良い!と考えましょうね。


ゴムベルトなし帯板

ゴムベルトがついていない、オーソドックスなタイプの帯板は、帯結びに入り帯を胴に巻く際に巻きながら間に帯板を挟んで進めます。
慣れてしまえば決して難しい作業ではありませんが、初めのうちは帯をしめた後に帯板の位置がずれてしまったり、身体にフィットしない巻き方になってしまったりしますので、手直しする必要が出てきます。その手間が加わってしまう分、綺麗に巻くことが難しくなってしまう場合もあります。

しかし、やはり、ええ!慣れなのです。
慣れてしまえば、帯結びの際にご自分がどのように締めて進めるかを把握できますから、何ら問題もなく綺麗に決められます。

帯板は、出来ればひと巻きめに入れます。
その方が表に響きにくい為、お勧めしています。
でもね、ふた巻き目の方が入れやすいと思うの。
どちらに入れた方が見た目に良いのか、ご自分には進めやすいのかをお試しくださいませね。

ふた巻き目に入れる場合、帯板の長さにも注意しましょう。
出来るだけ表に響かない長さの帯板を使用すると良いですね。
これは体型によって必要とする必要とすることが異なってきますので、ご自分の体型と相談してみましょう(*^^*)

昔の帯板は小さいですね。体型や帯の厚みによっては、小さい帯板ですと頼りなく感じる場合もありますので、着上りの確認をしてみると良いですね。


  • ゴムベルト付き帯板

  • ゴムベルトなし帯板

これはお好みと慣れですので、今お持ちの方の帯板がお好みではないとしましても、これから先どのように変化するかは分かりません。
着付け技術の向上とともに好みも変わって参ります。どうかお手持ちの着付け小物は、ずっとずっと大切にされてくださいませね(*^^*)

帯板の幅

一般的な帯板の幅は、帯幅を半分にした時にちょうど良い幅となっています。14センチ幅が一般的かと思います。
振袖用となりますと幅出しをして帯を結ぶため、帯の前の幅が広くなりますので帯板の幅も広いタイプを使用します。

帯板は帯にシワを寄せないようにビシッと決めてくれる板ですので、帯幅が広くなる場合にはそれに合わせて帯板も広くする必要が出てきます。
振袖に一般的な幅の帯板を使用できないことはありませんが、帯幅に足りない部分は帯がシワシワ~とヨレてしまいますので、着上りが美しくありません。これでは残念な着付けとなってしまいますので、やはり振袖用に作られている幅の広い帯板を使用される方が良いですね。

逆に、振袖用の幅の広い帯板を、小紋や訪問着、留袖などのお太鼓結び用に合わせますと、これらの着物は振袖のように帯幅を広くしては結びませんので、帯板が出てしまいます。

留袖や喪服の着付けのお客様で、時々振袖用の帯板をお持ちの方がいらっしゃいます。若かりし頃にご使用になられた袖用用の帯板。着物が変わっても使用できるものと思われていますので、お太鼓結び用の帯板をご用意されること無く当日を迎えます。
このような場合にも、持参した簡易的な帯板の登場となります。

▼【サイズ】巾 約17cm 長さ 約37cm

帯板の長さ

振袖用は長めの帯板となりますので、前のみではなく脇の方までしっかりと覆われるように帯板を着けることになります。

普通体型の方にはちょうど良い長さでも、細身の方ですと後ろの方まで回ってしまうようなこともあります。振袖の場合には、この長すぎる前板と後ろ板の重なってしまう部分が出てくることもあったりします。
前板と後ろ板の重なり部分は、厚みが出てしまいますので太って見えてしまうというデメリットとなります。
また帯板のハリによっては身体への馴染みが悪くもなりますので、体型に合わせて帯板の長さを選ぶとステキにお召しになることが出来ます。

お太鼓結びのときにも同じことが言えます。
長すぎる帯板ですと、ゴムベルトなしの場合には帯に差し込むことがとても大変になります。
前のみでしたら差し込みやすいのですが、両脇までの長さがありますと脇のカーブがその流れをスムーズにはしてくれません。
目的によって帯板を選ぶ必要も出てきます。

前結び用帯板

今ではすっかり定番となっております前結び。前で帯を結んで、後ろへくるっと回します。半幅帯結びのような感じですね。

お太鼓結びとなりますと、半幅みたいに簡単に回すことは難しいのですね。
普通の帯板では、ちょっとお腹を引っ込めれば簡単に回せる・・・という具合には参りません。

そのようなお悩みを解消する為に、前結び専用の帯板があります。
滑りの良い生地を使い、回しやすいようにしているのですね(*^^*)
工夫が施されています。

ご使用される場合には、マジックテープで留める仕様の帯板は、お着物や帯にマジックテープが触れることの無いよう、お取扱いには充分に注意しましょう。

メッシュタイプの帯板

夏になると、メッシュタイプの帯板も目につきますね。
とっても涼しそう。

お持ちでしょうか?お使いになったことはありますか?
メッシュですからソフトな風合い。やわらかい為しっかりと帯をシワから守ってくれるの?と疑問は残りますが、通気が良いのは確かです。

夏だからと言って、夏専用の帯板にしなくてはならない訳ではありません。
ですから、わざわざ購入しなくても、大丈夫。
こういうのもあるのね~と、知っておくと良いですね♪

私は暑がりですので、夏に普通の帯板を使用することは出来ません(汗)
せっかく麻の補整をしていても、ガッチリした帯板で覆われては暑くてたまりません(^-^;
そこで、へちまで帯板を作り、こちらのメッシュタイプに重ねて使用しています。熱がこもらず、快適でございます。
私のように暑がりさんにはお勧めです。

レース付き帯板

こちらは夏の浴衣用に登場した帯板です。
お若いお嬢様方には大好評。個性的な装い、可愛らしく装うこともレース付き帯板を挟み込めば完了ですのでお手軽です。

実は私も持っています。
レースのお色によっては、またコーディネート次第では年齢に関係なく、まだまだ(笑)楽しめます♪

おわりに

私が使用している帯板は、ゴムベルト付きタイプの帯板です。
着付けを習った時に、着付け学院で購入したタイプがゴムベルト付きでしたので、以後ずっとそのままゴムベルト付きを使用しています。

帯結びに入る前につけてしまう為、帯結びに専念できますので、初心者さんにはとってもお勧めです。

でも、どちらのタイプにも慣れておくと着付け技術の幅が広がりますから、
後にどちらでも大丈夫!になれると良いですね(*^^*)

それでは、また明日に続きます♪
最後までお読みくださり、ありがとうございました。

■次回予告

*帯結び:帯枕

※この内容は、私が販売する着付け・帯結びテキストご購入者様向けに2009年より配信していた内容を一部修正および加筆編集し一般公開として掲載しております。

● 小春日和*小春流着付*着付師さん応援ブログ


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