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【小春の着付教室】第46号●着物:正絹と化繊

こんにちは。着付師・着付講師の *小春*です(*^^*)
本日もよろしくお願いいたします。

正絹と化繊

正絹と化繊は、素材に違いはありますが、格の違いはありません。
正絹でも化繊でも「小紋は小紋、振袖は振袖」です(*^^*)
ですから、化繊だからお相手に失礼ということはありません。

正絹と化繊では、風合いが違いますので、やはり正絹の方がしなやかさがありますし、着ていての心地よさも勝っています。染色や見た目の美しさも正絹の方がお勧めです。

ただね、雨の日にどうしても着物で・・・いう場合には、化繊の着物は大活躍となります。
私は、普段着物に化繊を着ることもあります。色無地や喪服などでは正絹と化繊の両方を作っており、お天気によって着分けています。

葬儀の時って、お天気の悪い日もありますね。身内の葬儀では雪の日もありました。
そのような時、正絹では着用後のお手入れが大変ですし、生地によっては縮んでしまうキケンもありますので、迷わず洗える着物を着用します。

ここで洋服にしちゃおう!と考えないところが良いでしょう(笑)
お洋服ですと面倒なのですもの。お着物に慣れていらっしゃる方はきっと
うなづいてくださると思いますわ(*^^*)

化繊の着物でも高級に魅せます

着付けによって、化繊でも正絹のような上品な感じを作りだすことができます。不思議でしょう。やっぱり着方なのです。

高級な正絹のお着物でも、着付けが美しくないとその着物の良さを充分に表現できず仕舞いとなってしまいます(涙)
化纖でも美しく着付けていますと正絹の着物と見間違われることが多いです。美しい着付けに仕上げることは気持ちよく過ごすためにも本当に大切です。

化繊の着物に合わせる帯も大切になってきます。合わせる帯によっては、更に素敵な装いに感じます。コーディネートによっても違いは出ます。
化繊の着物だから、と安っぽく見える帯を合わせるよりも、上品な帯を合わせますと、化繊の着物とは思えない全体の着姿の印象となります。
私は洗える着物にも正絹の良い帯を合わせのことが多いのですが、化繊の着物と併せて購入した洗える京袋帯を合わせることもあります。購入の際は見映えの良い帯を選択しています(*^^*)

化繊の着物

化繊の着物は着ていて崩れやすい感じがあります。すぐにプカプカを浮いてくる感じになってきます。生地の性質のためか身体へのフィット感がありません。
でも、それをそうならないように上手に着付け、振る舞うと「え~っ!!今日の着物は洗えるものだったの!?」と周囲の方が驚かれます。
これもまた楽しかったりして・・・(*^^*)

化繊の着物を正絹の着物のように見せてしまいましょうね。
もちろん化繊の生地の質によってかなり違いは出ます。以前お伝えしましたが、化繊の着物を購入する場合には、まず目的を考えまして長くお召しになるのでしたら、東レシルックなどの生地質のよい化繊がお勧めです。

お稽古の期間だけの着用で良いのか、お稽古が終わっても長く着たい着物なのか、この選択によって、購入する価格を変えましょうね。
お稽古だけでよければホントに安価なものを、今後ずっと着ていきたいなぁ~と考えるのでしたら、生地質の良いものを選びましょう。

ええ、もちろん価格は全く違います。
それでも長く着られることを考えれば、結果的に私のよう良いお買い物になるはずです。

生地質によっては化繊でも着やすい着物、着にくい着物の違いも出てきます。化繊の着物くらいで・・・と思わずに慎重に選びましょうね。
着物は着物です(*^^*)
お安い着物でも、着にくければ出番はありませんもの。
ずっと仕舞いっぱなしでは、もったいないでしょう。

正絹の着物

着物を誂えたままで躾をとっていない、たとう紙も開けていない、可哀想なお着物がありましたら、ぜひ着てあげてくださいね。

正絹の着物は、化繊の着物に比べ、大事に大事に扱いますね。大事に扱うのも良いのですが、着てあげなくては可哀想です。
出来るだけ、風に当ててあげましょう。大事にしすぎて出番を失わないように、可愛がってあげてくださいね♪

正絹の着物は汚れた場合に生き洗い(クリーニング)に出しますね。よく汚れてしまうのが衿と袖口です。
頻繁に着て汗を吸っている着物でしたら、生き洗い。数回着た程度で衿の汚れと袖口の汚れが気になっているのでしたら、シミ抜きで依頼すると良いでしょう。
シミ抜きは一ヶ所に付きの料金ですから、生き洗いをお願いするよりはお安く済みます(*^^)v

お手入れが面倒、生き洗いが高そう・・・と思うと、着る回数も少なくなってしまいます。
心配でしたらお近くの悉皆屋(しっかいや)さん、着物のクリーニング専門店に、かかる金額を聞いてみると良いですね。良心的なお店は見積もりがわかり次第ご連絡をくださり、こちらが了承してから進めてくださいます。思っていたよりも安価!ということもあります。
そうなれば正絹の着物を着ることへの不安が無くなりますので着用回数も増えるでしょう(*^^*)

私の住む地域の専門店で、とても良心的な会社をご紹介します。私の生徒さん方、出張着付けで「お勧めの着物クリーニング店をご紹介ください」と聞かれましたらお勧めしている専門店です。
インターネットからの依頼も出来、お申込み、お手続きがスムーズですので、着物のクリーニングにお困りでしたら一度ご覧になってみてくださいませ。私の名前を出して頂いても頂かなくても、良心的な対応をしてくださいます(*^^*)

季節によって

正絹と化繊では、通気にも違いがありますね。
絹は呼吸をしますが、化繊はしません。汗ばむ季節にはやはり天然素材の方が気持ちよくお召しになれます。

素材以外にも、織りや生地の厚さ(糸の太さ)によっても違いがあります。長くお召しになれる袷の期間でも、気温に差がありますよね。
春先には薄めの生地の着物を着たいですし、真冬には生地は厚めでしっかりした生地のほうが温かく過ごせます。生地の選び方によって最適に過ごすことができます。

そう言えば・・・、呉服屋さんで反物を見てみると、生地の厚さっていろいろありましたね~(*^^*)
と思いだされた方もいらっしゃると思います。
次回、お着物を誂える際、購入の際にはぜひ柄だけを考えるのではなく、生地の厚さのチェックをしながら、お召しになりたい季節をイメージしてみてくださいね。
化繊でも、生地の厚さは様々です。

おわりに

結婚する前に着ていた化繊の着物(東レシルック)、かれこれ30年ほど前の着物たち。今でも着ているんですよ。お洋服でしたら絶対にあり得ませんね。

この東レシルックの着物たち、もう何十回、何百回お洗濯したでしょう(洗濯機でね)。それでもまだ全然平気!元気な着物たちです。

その当時と今現在、反物の価格に違いがないんです。かえって今の方がお安いのでは?と価格に驚くこともあります。昔は高かったのですよね。出始めでしたし、特別感や画期的な反物として注目されていましたしね。

東レシルックの反物は、当時は着付け学院でしか手に入らなかったように記憶しています。呉服店の店頭に並んでいるのは、質のあまりよくないポリエステル生地でした。
「東レシルックの生地はありますか?」とお店の方に聞いても、「取り扱っていません」と断られるばかりでした。

昔は特別な東レシルックの反物も、今では一般的になりましたね。
私は良いものを長く使いたいひとですので、生地にもこだわりがあり、東レや帝人などの反物で作っていました。
現在でも生徒さん方には安価なポリエステル生地ではなく良い生地で作る大切さをお伝えしています。違いは確かです。研究されて作られている反物は、安価で売られている反物とは生地質が全く違います。

昔に比べ、風合いも正絹に近くなってきました。見る機会がありましたら、よ~くチェックしながら触れてみてくださいね。
ホントお勧めです!

それでは、また明日に続きます♪
最後までお読みくださり、ありがとうございました。

■次回予告

*着物:寸法(1.身丈)

※この内容は、私が販売する着付け・帯結びテキストご購入者様向けに2009年より配信していた内容を一部修正および加筆編集し一般公開として掲載しております。

● 小春日和*小春流着付*着付師さん応援ブログ


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