C97 新刊の感想

・行けなかったけど

昨年末に開催されたコミックマーケット97。
雇用保険支給待期期間中である私は、神庭っても参加を見送らざるを得ない状況であったため泣く泣く断念したのだが、それでも参加する友人の伝手で3冊ほど手に入ったので、感想を残しておく。

1. 上菖蒲製作所「KR250+KR250Sレストア記」

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まず初めに、令和の時代に昭和の2stバイクに乗りたいと考えている貴方へ。それははっきり言っておススメできない。
それが潤沢に部品や情報がそろっている人気車種だとしても、貴方にいくら検索スキルがあろうと、だ。
それでも諦められないというなら、まず最初にこの本を読んでほしい。
私はTDR250(2YK)、TZR250(1KT)と経由している原動機型式1KTの沼に浸かっているが、それもこれも著者の上菖蒲氏や友人、先人たちの知恵と知識があってこそである。
しかしそれも、「geoなんとか」や「なんとかシーク」等の個人HPが消えてしまった今となっては、あってないようなものである。
そういう点では、このKR250より前に制作された「TZR250」や「TDR250」本も、遺る価値はある本だと言えよう。

前置きが長くなったが、内容はサンデーメカニックの方々にはお馴染みオートメカニック誌を創刊号から読んだ経験のある私でも絶句する錆と苦難の連続である。
細かい内容は、敢えて触れないし買って読んで頂きたいのだけれど、情報が皆無といってもいいKR250(書類と外観上はKR250S)を、本職ではない素人がDIYで完了させ、公道復帰まで漕ぎつけたのは見事としか言いようがない。
特に31ページに記載されている他車種流用情報は、今後KR250をOHするかもしれない人々にとって貴重な資料となることだろう。

個人的には、ぜひ国会図書館に収蔵していただきたい1冊である。

2. 荒子川製作所「 December 2019 Update」

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前述の上菖蒲製作所と合体サークルの荒子川製作所。
前回までの「濃い」アルテッツァ整備記録とは異なり、その車でサーキットを走ってみようという趣旨の本。
僕も一時期サーキットを走っていた時期があるのだが、その際に必要となるものから、したほうがいい準備までを分かりやすく記載している。
「サーキットに行ってみたいけれど、最初の1歩が……。」と戸惑っているならば、参考にしてみてはどうだろうか。

--だが、僕の目当ては表紙の下1/3。
上菖蒲製作所からの寄稿された2stバイクのススメ(勧められるとは言っていない)である。
内容はKR250本と同様、これから2stバイクが欲しいと思う諸兄に厳しい現実を突きつける内容である。
これを読破したら、今お乗りの4stインジェクションバイクは偉大であると実感できる、かもしれない。それでも2stが欲しいとなったなら。
ようこそ、こちら側へ。
そして、もし第2回があるのならば、その時はぜひ2stバイク特有の乗り方を書いていただきたい。

3. お菓子茶屋「RiccaGraph vol.3」

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友人から差し入れとして頂いた立花理香氏のイベント参加レポ本である。
(※前提として、私が小早川紗枝担当Pであることを添えておく。)
昨年の冬コミでも同じ友人から頂いたのだが、今年は頒布当日、スポーツ新聞各紙の朝刊が配達される時間に、突如としてにビッグニュースというか、おめでたい話題が飛び込んできた。

そう、オリックス若月捕手との入籍が報じられたのだ。

著者も大層驚いたそうで、そのままおまけペーパーまで作成する……んだけど、内容が重い。思いが重い。
ちょっと私には受け止めきれないくらい、重い。
ただ、それが読んでいて気持ちが悪いというよりは、著者が自身への反省として書き連ねていたために、そう感じたのかもしれない。

何はともあれ、次回はどういう本になるのやら……。

・あとがき

思い立って書き始めて、気が付いたら4時間でここまで書いてしまった。
文字数としては多くないし、大したことも書けていないけれど。
それでも誰かが本に興味を持ってくれたり、何なら「俺も何か1冊作るぞ」と思い立ってくれれば、それはそれでいいのかもしれません。

次回のコミックマーケットは、某イベントの余波で5月の開催ですが、その時にのまた、みんながそれぞれの「好き」と出会えますように。

令和2年1月

スペシャルサンクス
・代理で買ってきてくれた真風ちん
・りっか様本をくれた妖怪さん

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