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美は、唇にある。

人間には特段に
第六感に優れたひとがいる。

そもそも第六感とはなんぞや?

Wikipediaでは後談のような記述である。

第六感とは、基本的に、五感以外のもので五感を超えるものを指しており、理屈では説明しがたい、鋭くものごとの本質をつかむ心の働きのこと。
一般にはヒトの視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の五感以外の感知能力をいう。ヒト以外の動物にみられる視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の五感以外の感知能力を表現することもある。

極めて、理路整然としていて
かえって理解が難しい表現かもしれない。

そもそもが理解できないことを前提とした
知覚能力が第六感であるから仕方ない。

端的に言えば…
「心で感じる世界観…」
といったところだろう。

人間の日々生きていく上で
意識下にある時は
片時も怠けず休まず
フル稼働させている五感と…
それらの概念や観念を遥かに凌駕した
第六感…

俗に言う「海感、山感、霊感… 第六感」は
意外なほど…
実生活の大切な物事の判断や
瑣末な認知まで
事細かく決しているように感じる。

心で感じる世界観…

「なんかいいね!」
「なんかワクワクするね!」
「なんか嫌な感じ」
「なんか気が乗らないなあ」…

この世界観はきっと
千差万別、十人十色。

では何がその世界観を作り上げている
要訣な感覚的要因となっているのか?

しばし熟考する。

僕の人生を振り返ったとき
意外にも五感の中の触覚が
その第六感を研ぎすなしていく
要訣な砥石になっているように感じる。

触覚…

他の知覚能力の中では
い一段引いた名脇役のように
僕自身受け止めていたが…

よくよく心の奥にある
大切な記憶を振り返ってみると…

「触覚」に関するエピソードが…
重要なアカーシックレコードの
起伏を鮮やかに刻溝してきたことを
あらためて認識する。

さまざまな「ふれる」記憶は
特筆すべきものを起想することに
枚挙にいとまない。

よくよく考えてみれば
人間は対外的な物事や受け入れたり
他者との愛情や友情や信頼関係を
継続的に形成していこうとする際には
最終的には「ふれる」ことによって
判断している。

造形的な藝術作品も工業製品も
モノコックの段階では…
最終的に指先の「第六感的な触覚」に
完成形の良し悪し、出来不出来が委ねられる。

巷で比喩される
「肌が合う」
「気が合う」
「息が合う」
「水が合う」

すべて…
なんだかの形で相違するモノが
「ふれた」ときの感触で
なんとはなく判断している。

僕には忘れられない
唇の記憶がある。
きっと一生忘れることはないだろう。

その言語で形容することも
比喩することも困難な記憶…

でも確かに心の奥の
大切な場所にある感覚…

この感覚こそ…
きっと六感という
世界観の源泉になっている。

『美は、六感にある。』

唇の記憶…

途方なく柔らかく…
薄氷の湖のように繊細で…
心深く甘さに震えた…
あの唇の記憶。

僕はきっと…
この世界の最後のエンドロールに
その光景が蘇生されることを
ひそと確信している。

あの唇の記憶…

美の象徴だ。

KOH
2020年3月12日水曜日

撮影場所
六感チョコレート
https://rokkan-chocolate.com/
〒730-0017 広島市中区鉄砲町7-2
TEL: 082-224-5556
月~土 11:00~19:00
日・祝 11:00~18:00
店休日: 不定休

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