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「フードデザイン」をよりよく知れる本棚

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デザインやアートだけでなく研究領域なども対象に、フードデザインに関連した本を紹介します。
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#食文化

フードデザイン/アート/カルチャー2|フードデザインをよりよく知るための本

はじめに前回の記事に引き続き、「デザイン文脈におけるフードデザイン」について、よりよく知ることに役立つ書籍を紹介したいと思います。  今回はフードデザイン/アート/カルチャーの書籍を紹介する後編の記事です。中期的なフードデザインの歴史において取り上げられるDaniel Spoerri(1960年代にEat Artのムーブメントを主導した)や、短期的な歴史に大きな影響を与えたエル・ブジのクリエイティブチームメンバーのひとり、Luki Huberなどの作品集を取り上げつつ、食とデ

フードデザイン/アート/カルチャー1|フードデザインをよりよく知るための本

はじめに前回の記事に引き続き、「デザイン文脈におけるフードデザイン」について、よりよく知ることに役立つ書籍を紹介したいと思います。  今回はこのシリーズ最後のトピック「フードデザイン/アート/カルチャー」についてです。なぜこれらのトピックに注目するかと言うと、既存の食を見つめ直し、新たな食に向き合うために重要な側面だからです。  最近話題になった「マイコプロテインを主原料とした、3Dプリンタで作られる代替サーモン」のように、科学技術の進展によって新しい食のあり方が急速に現れる

日本におけるフードデザイン|フードデザインをよりよく知るための本

はじめに前回の記事に引き続き、「デザイン文脈におけるフードデザイン」について、よりよく知ることに役立つ書籍を紹介したいと思います。  これまでは主に欧州で展開されていたフードデザインに注目してきましたが、今回は日本におけるフードデザインに焦点を当ててみます。 選書〈日本におけるフードデザイン〉日本においては、家庭科の一科目としてフードデザインという言葉が使われています。  この言葉が家庭科の内容に組み込まれたのは、平成10年(1998年)に告示され、平成15年(2003年)

フードデザイン・オンライン・ライブラリー|フードデザインをよりよく知るための本って何があるの?

SPACE10に学ぶ、ライブラリーの重要性 最近、IKEAのイノベーションラボ「SPACE10」のオープンスペースがよりオープンスペースになり、人々が集まり、本を読んで、研究して、アイデアを共有したり、はたまた最新プロジェクトの展示を見たり、コーヒーを飲んだり…そんな空間にリ・デザインされたそうです[ * ]。 SPACE10は、近年、そこに集まった人々の多く(87%)がインスピレーションや新しいアイデアを求めていること、そして約半数(59%)は同じ志向を持つコミュニティ