正しさを振りかざすな vol.2

大磯の素敵なご自宅にお招きいただいた。

一軒家で縁側があって、
梅干しを作るざるがあったり
鍬があったり、そんな家になぜか私は
昔から憧れがある。

今日のご自宅も本当に、
理想通りのいやむしろ理想をはるかに超えたご自宅だった。

食卓にはこだわりの食材が並び、それをみんなで分けて、食べ終わってからは話に花が咲いた。

「どうしてそんなに働くの?」
「身体はどうしてるの?」
家主の素朴な疑問が、話し手の心に刺さる。

「目を瞑って開けたらもう年寄りよ。」
「人生いつからでもまた始められるんだから。」

京都で星が3つもつく旅館を長年切り盛りしたおかみが、多くの従業員や自分のことを思い返して、届けてくれる言葉たちはとにかく温かく、的を射てるものだった。

私に向けられた言葉は
「出る量を減らして、もう少しミニマムに暮らせないの?」というもの。
「理想としてる生き方があるのに、それに踏み込めないのはもったいない。」というもの。

おかみさんは、自分の人生は後20年ないと笑いつつ、「病気になったの。だから身体をお医者さんの研究のために捧げることにした!」と楽しそうに笑って話してくれた。

理想とする生活があるなら、それは必ず実現しようと努力した方がいい。

自分の理想は「自分」だけの理想。

私がやらないで誰がやる。

「そんなの無理よ。」「今更やめなさい。」
そう止める人しか基本はいない。

その中で、「素敵なおうちが欲しいわ♡」
と思って見つけたお家が「宿屋をやる」ことが条件だったという理由で、55歳から初めての宿場施設の切り盛りを始めた。

「おかげさまで人生最高に楽しいの。」

そう可愛くにこっと笑う彼女に、
「当たり前、だとかやらない方がいい、だとか、そんなのがひしめいてるんだから。」
と強く応援されたこと、しばらく励みにする。

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